AppleはOpenAIとパートナーシップを結んだと伝えられていて、2024年6月10日から開催されるイベント「WWDC 2024」でチャットAIを統合した「iOS 18」を発表するものと期待されています。新たに、AppleはAI機能をオプトイン(同意して初めて利用できるもの)とし、さらに2つの消費者向けロボットプロジェクトに大規模言語モデル(LLM)を統合する計画も浮上していると報じられました。

Why Is Apple (AAPL) Teaming Up With OpenAI? Both Companies Need Each Other - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-06-05/why-is-apple-aapl-teaming-up-with-openai-both-companies-need-each-other



Worried about privacy with iOS 18’s AI features? Apple gets it and has a plan - 9to5Mac

https://9to5mac.com/2024/06/05/worried-about-privacy-with-ios-18s-ai-features-apple-gets-it/

Apple's AI chatbot won't be enabled unless you want it | Macworld

https://www.macworld.com/article/2357953/iphone-mac-openai-chatgpt-siri-opt-in-service.html

Appleの事情に詳しいBloombergのマーク・ガーマン記者は「AppleとOpenAIの契約が最終調整に入った」と伝え、iOS 18にOpenAIのChatGPTないしは何らかのチャットAIが統合されると述べています。

AppleとOpenAIの契約が最終調整へ、iOS 18にChatGPTを搭載するとみられる - GIGAZINE



ガーマン氏が新たに報じたところによると、AI機能はオプトインで実装され、プライバシーを懸念するユーザーは「AI機能を使わない」という選択ができるようになっているとのこと。ガーマン氏によると、「警戒心の強い顧客は、望めば簡単にAIを避けることができる」とのことで、同時にAIが不要な風評被害を生み出すことも避けられるといいます。

なお、Appleは音声アシスタントの「Siri」にも力を入れ、AIを活用した要約機能やリアルタイム文字起こしなどをiOS 18に盛り込むと伝えられていますが、Siriと新しいAI機能は別の製品として提供されるとみられています。

AppleがiOS 18でSiriを刷新しAIによるリアルタイム文字起こしと要約機能を追加するとの報道 - GIGAZINE



このほか、以前報じられた「消費者向け家庭用ロボット」にLLMが統合されるとも伝えられています。

伝えられているロボットプロジェクトは、「FaceTimeセッション中の人がうなずくと上下する卓上ディスプレイ」と、「ユーザーの後をついて家事を手伝うモバイルロボット」の2つです。ガーマン氏によると、これらロボットにLLMを統合すると関係者が語ったそうです。

なお、AppleはGoogleとも交渉を進めていて、GoogleのAI「Gemini」の採用について話し合いを続けているとのこと。事情を知る関係者によれば、その他のチャットボット企業も含めて個別に交渉を行っていますが、特にOpenAIの技術を高く評価しており、OpenAIからの提示条件もいい内容だったことが最初に合意した要因となっているとのことです。ただ、AppleはIntel製のチップを自社製シリコンに置き換えたように、外部の技術を最終的に社内に取り込むという長い歴史があるため、OpenAIとの合意も「その場しのぎのもの」との見方があるようです。