GIF: NetherRealm Studios / NegativeZoneNerd / Kotaku

2024年のヒップホップカルチャーにおける最大のトピックといってもいいのが、ケンドリック・ラマーとドレイクのラップによる争い、いわゆるビーフです。

ことの発端は、昨年リリースされたドレイクの楽曲に対し、今年3月にケンドリック・ラマーが攻撃をしかけたのが始まり(正確にはドレイクの楽曲に客演したJ・コールの歌った部分に対してですが)。その後、今年4月頃から5月までの間に両者ともにリリース合戦になっていきます。

そんななかでドレイクはAIによって生成された故・2Pacやスヌープ・ドッグの声を用いた楽曲を出したり、5月頭にはほんの数日の間にいくつもの楽曲がアップされたり、相手の曲から20分後に楽曲が出されたりと信じられないほどのスピード感と話題性をもったトピックとなっています。

さらに、攻撃の内容もどんどんと過激になっていき、両者の家族に対してのディスも歌われるまでに発展。ケンドリック・ラマーはGoogleマップで撮られたドレイクの邸宅を楽曲のビジュアルにしてリリースも行なっています(ちなみに赤いピンは、アメリカで性犯罪者が住んでいる意味を持つというピン。ドレイクは未成年と寝たと言う噂がある)。

『モータルコンバット1』で2人の戦いを再現

5月の後半になった今、この争いは一旦収まっています。そんななか登場したのが、ビデオゲーム『モータルコンバット1』の中で両ラッパーの戦いを再現させた、というものです。カルチャーメディアのKotakuが伝えています。

1992年のビデオゲームのリブート作品である『モータルコンバット1』のMOD(追加・修正パッチ)として、NegativeZoneNerd氏がケンドリック・ラマーとドレイクのスキンデータを制作してNexus Modsにアップしました。このMODを使えば実際に、リュウ・カンやレイコをケンドリック・ラマーに、ジョニー・ケイジをドレイクにして遊ぶことができます。

さらに、WesSideGamer1というアカウントがTikTokに、このMODを使用した2人の対決を実現させました。

@wessidegamer1 #kendricklamar #drake #kendrickvsdrake #game #MK1 ♬ Not Like Us - Kendrick Lamar

楽曲には渦中のケンドリック・ラマーによる『Not Like Us』が使われ、結果はケンドリック・ラマーの勝利となっています。

インターネットカルチャーでも大賑わい

今回のケンドリック・ラマーとドレイクのビーフについては、ネタ元のKotakuが指摘しているように、インターネットカルチャーにおいても非常に大きな賑わいを見せています。

ヒップホップの熱烈なファンであるいわゆるヘッズだけではなく、普通のゲーマーやアニメコミュニティなども反応を見せていることからも話題になっているのが伺えます。

それこそ、ドレイクはこれまで散々インターネットミームとしてネタにされていますし、ラッパーたちがミームになることもありますが、今回は特に盛り上がりが大きいといえます。

今回のビーフのスピード感や話題性、過激になっていく様はエンタメとして面白いですし、5月の時点ですでに2024年のポップカルチャーにおいて最大のトピックの1つになりそうです。

あくまで現時点ではありますが、両者とも楽曲のリリースは止まっているので、このMODを含め新たなネタが出てきたら見ている私たちも自律的に楽しんでいきましょう。

source: Kotaku(1, 2), NexusMods, YouTube, TikTok