「乱視」の見え方・症状はご存知ですか?医師が監修!

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視力検査で赤と緑の見え方を調べるのはなぜ?Medical DOC監修医がレッドグリーン検査の意味や発見できる目の病気と対処法等を解説します。

≫「眼底検査」で何がわかる?検査で発見できる病気や結果の見方まで医師が解説!

監修医師:
栗原 大智(医師)

2017年、横浜市立大学医学部卒業。済生会横浜市南部病院にて初期研修修了。2019年、横浜市立大学眼科学教室に入局。日々の診察の傍らライターとしても活動しており、m3や日経メディカルなどでも連載中。「視界の質=Quality of vision(QOV)」を下げないため、診察はもちろん、SNSなどを通じて眼科関連の情報発信の重要性を感じ、日々情報発信にも努めている。

視力検査で赤と緑どちらがよく見えるか聞かれるのはなぜ?レッドグリーン検査の意味

視力検査を行う際に、赤色と緑色の見やすさを見る検査をしたことがありますか?この検査の意味を知ることで、より適切なメガネやコンタクトレンズに仕上がる可能性があります。この記事では、この赤と緑の検査と、その有用性について解説します。

視力検査のレッドグリーン検査とは?

視力検査では、赤地と緑地のどちらが濃く見えるかを問うレッドグリーン検査を行います。レッドグリーン検査は、赤緑テスト、二色テストとも言われます。
このレッドグリーン検査では、メガネやコンタクトレンズの度数が合っているかを確認します。赤色と緑色の光は、レンズを通る際に屈折する角度が異なります。赤色は色の波長が長いため、遠くで焦点を結びます。一方で、緑色は波長が短いため、近くで焦点を結びます。
レッドグリーン検査では、この光の進み方の違いを利用して、メガネやコンタクトレンズが適正かどうかを見ています。

視力検査で赤と緑どちらがよく見えるかで目の何がわかる?

レッドグリーン検査では、赤色と緑色のどちらがよく見えるかを確認します。どちらの色も同じくらいよく見える場合は、そのレンズは適切なレンズと言えます。
また、近視の方の場合、赤色がよく見えた場合も、レンズは適切なレンズとなります。ただし、もう少し度数を強くしても良いので、見え方に不自由を感じる場合はレンズの度数を強めることができます。
一方で、緑色がよく見えたら、レンズの度数が強すぎる状態、つまり過矯正の状態となります。過矯正は目の疲れや肩こりなど、眼精疲労の原因になります。緑色が強く見える場合は、レンズの度数を弱めると良いでしょう。
遠視の場合はこの逆で、赤がよく見えればレンズは過矯正、緑がよく見えればちょうど良い、あるいはレンズの度数が弱いと判断します。

視力検査の費用は?

視力検査の費用は3割負担の方で210円、1割負担の方で70円となります。しかし、眼科で視力検査を行う場合は、診察がセットになっていることがほとんどです。その場合は診察での費用も別途かかります。

視力検査前日や当日の注意点

視力検査では、使っているメガネやコンタクトレンズの度数が適切かを判断します。目の疲れや見えづらさの原因が、レンズの度数の調整だけで解決するかもしれません。そのため、使用しているメガネやコンタクトレンズがあれば、必ず持参して下さい。

視力検査の結果の見方と再検査が必要な診断結果・所見

ここまでは視力検査について基本的なことを紹介しました。
再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。
以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。

視力検査の結果の見方・分類と主な所見

視力検査では、裸眼での視力とメガネやコンタクトレンズなど矯正器具を使った視力を出します。また、レンズの度数は、「〇〇D」というように表記されます。〇〇には数値が入り、DはDiopter(度数)の略記で、+と-の符号が付きます。+は遠視、-は近視の度数を表します。数値が大きいほど度数が強いことを意味します。

視力検査の結果で精密検査が必要な基準と内容

視力検査の結果で、裸眼視力が出ないことは問題になることは少ないです。しかし、メガネやコンタクトレンズを使った矯正視力が、1.0以上出ない場合は目の病気が隠れている恐れがあります。
視力検査の結果が良くなければ、眼科医の診察後に追加検査を行います。この場合は目の病気を調べるため、眼底検査や光干渉断層計(OCT)、視野検査などを行います。

「視力検査のレッドグリーンテスト・レッドグリーン検査」で発見できる病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「視力検査・赤と緑」に関する病気を紹介します。
どのような病気や症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

近視

近視は、網膜より手前に焦点が合っている状態です。焦点が網膜に合わないため、遠くのものが見えづらくなります。眼鏡やコンタクトレンズで矯正できますが、緑内障や網膜剥離のリスクが上がります。スマホやパソコンのデジタルデバイスの低年齢化により、子どもたちの近視が増えています。近視の進行を抑える方法としては、目を酷使しない、外で2時間以上遊ぶなどがあります。

乱視

乱視は、角膜や水晶体のゆがみのために、目に入ってきた光が複数の場所で焦点を結ぶ状態です。焦点が一箇所に合わないため、物がぼやけたり、二重に見えたりすることがあります。乱視は生まれつきの場合もあれば、円錐角膜や白内障などの目の病気でも生じることがあります。眼鏡やコンタクトレンズを用いて矯正できることが多いですが、矯正できない場合は手術などを眼科で行うこともあります。

遠視

遠視は、遠くのものを見る時も、近くのものを見る時も、常に目の調節が必要になる状態です。遠視の場合は、何もしなければ光が網膜の後ろ側に焦点を結びます。遠くを見る時は少しの調節で見えますが、近くを見る時は強く調節をしないとはっきり見えない目です。そのため、遠視の方は老眼の症状を感じやすいとされています。

「視力検査のレッドグリーンテスト・レッドグリーン検査」についてよくある質問

ここまで視力検査の赤と緑について紹介しました。ここでは「視力検査・赤と緑」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

視力検査の赤と緑、それぞれの意味について教えてください。

栗原 大智 医師

赤色の光は色の波長が長いため、遠くで焦点を結び、緑色の光は波長が短いため、近くで焦点を結びます。このように色が違えば、見えやすさが違うことを利用して、メガネやコンタクトレンズの度数を確認します。

視力検査のレッドグリーン検査で近視と遠視どちらがわかるのでしょうか?

栗原 大智 医師

レッドグリーン検査では、近視と遠視が分かるわけではありません。近視と遠視かどうか分かっている状態で検査を行います。しかし、時には遠視から近視になる人もいます。そのような場合はレッドグリーン検査の結果で推定できることがあります。

視力検査の赤と緑、両方ぼやけるのですが原因はどんなことが考えられますか?

栗原 大智 医師

それはそもそも視力が出ていない可能性があります。度数が明らかに足りない場合もありますが、白内障やドライアイなどの目の病気が隠れている恐れがあります。

視力検査のレッドグリーン検査では色弱や色盲も診断できますか?

栗原 大智 医師

レッドグリーン検査では色弱や色盲の診断はできません。赤と緑が他の色に見えている場合は、色弱や色盲の可能性を考えて、色覚検査を行うこともあります。

まとめ 定期的な視力検査のレッドグリーン検査で見え方を調べよう

レッドグリーン検査で、赤色と緑色どっちが見やすいかは、メガネやコンタクトレンズの度数の調整に役立ちます。しかし、レッドグリーン検査には正解があると思っていて、「わからない」と答える方もいます。このような背景があると知ることで、適切な検査ができると思います。また、定期的にレッドグリーン検査を行うことで、目の疲れや見えづらさの原因を早期発見できるのでおすすめです。

「視力検査のレッドグリーン検査」の異常で考えられる病気

「視力検査・赤と緑」「視力検査のレッドグリーン検査」の結果から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

眼科の病気

白内障ドライアイ眼精疲労遠視近視乱視

レッドグリーン検査だけで病気の発見をすることはできませんが、眼精疲労やドライアイなど、目の病気の発見に繋がることはあります。

参考文献

[日本眼科医会]気をつけよう!子どもの近視

[日本眼科学会]近視・遠視・乱視