勝ち馬こそ少ないが好走率の高いチューリップ賞組(c)netkeiba

写真拡大

 今週からは、福島競馬場が加わり「中山&阪神&福島」の3場開催。重賞は、土曜日に中山でGIIニュージーランドT(中山・芝1600m)と、阪神でGII阪神牝馬S(阪神・芝1600m)。そして日曜日に阪神競馬場でGI桜花賞(阪神・芝1600m)が行われる。重賞がすべて芝1600mという珍しい設定となっている。

 スポットを当てるのは3歳牝馬三冠のスタートとなるGI桜花賞。いつものように過去10年データを使って、馬券の傾向を探っていこう。

1.1番人気馬はなぜか勝ちづらい?

 いつものように、まずは人気上位馬たちの成績チェックから。毎年、人気上位馬が順当に好走しているイメージもある桜花賞だが、過去10年1番人気馬で勝っているのは14年のハープスターと昨年23年のリバティアイランドだけ。成績は【2-3-1-4】。5年に1回しか勝たないのであれば、1番人気の単勝勝負はしたくない感じはする。

 反面、近年の勝馬18年アーモンドアイ、19年グランアレグリア、20年デアリングタクト、21年ソダシ、22年スターズオンアースといった名牝たちが、すべて1番人気でなかったというほうが驚きではある。ちなみにこの5頭は、スターズオンアース(7番人気)以外はすべて2番人気だった。

 そのせいか2番人気馬の成績は抜群に良く、過去10年で4勝、成績は【4-2-0-4】だ。3番人気馬は【1-2-2-5】。4番人気【0-0-0-10】、5番人気【1-0-2-7】、6番人気【0-1-2-7】となっている。昨年も指摘したが、やはり4番人気は依然として不振。

2.2ケタ人気馬は馬券圏内なし?

 過去10年、3着までの馬券圏内になっている馬はすべて9番人気以内。連対ということであれば、8番人気までしか馬券になっていない。

 時に、人気薄馬が馬券になっているイメージもあるが、10番人気以降の馬は、13年14番人気で3着だったプリンセスジャック以来出ていないのだ。

 こう指摘すると今年あたり出現することもあるのだが、穴馬として狙うならば9番人気までが正攻法といえる。

3.枠順に有利不利ない?

 次に枠順の有利不利。過去10年で勝馬が出ていないのは1枠と6枠だけ。外枠では7枠から2頭、8枠から1頭勝馬は出ている。

 馬券圏内30頭をデータにすると、これもほぼ満遍なく馬券圏内になっている。イメージよりは内外の有利不利はないといっていい。ちなみに、7番人気以降で馬券圏内になっていた7頭は、1頭の例外を除けばすべて5枠より内側。人気薄狙うならば5枠より内側という傾向はある。

4.桜花賞は差し切りの競馬になる?

 過去10年、逃げ切っての1着となっているのは15年5番人気だったレッツゴードンキ(3枠6番)だけ。スローに落としての楽な逃げ切りだった。ちなみにこの時は、過去10年、良馬場ではいちばんタイムの遅い1分36秒0だった。

 ほかで逃げて馬券圏内になっているのは20年(重馬場)で3着だったスマイルカナ(2枠3番)だけ。このときも重馬場でタイムは遅かった。つまりは逃げ馬が残れるのは、スローペースのときだけ。

 一方、最速上がりを出している馬は、過去10年で5勝&2着2回。当然ペースにもよるが、良馬場で32秒台出せれば上位濃厚となる。

5.それでも「前走チーリップ賞」は狙える?

 過去10年、馬券圏内30頭中「前走チューリップ賞」が17頭もいる。全体的にみればかなりの好成績。昨年の2着コナコースト、3着ペリファーニアも、それぞれ前走チューリップ賞2着、3着馬だった。

 しかし「前走チューリップ賞」組からは16年のジュエラー以降、桜花賞勝馬は出ていない。馬券圏内にはなれるが、勝ちきれない傾向になってきている。