大型トラックの「謎の小部屋」何のため? 内部はどんな感じ? 利用者の声は? 普段“知れない”使い方とは
大型トラック「謎の小部屋」の使い方とは
大型トラックのなかにはキャビン(座席)の上に小部屋が設置されているタイプのものがあります。
この小部屋は何のためにあるのでしょうか。実際に利用する人はどのように使っているのでしょうか。
大型トラックは走行していると風の抵抗を大きく受けますが、その抵抗を軽減するアイテムとしてキャビンの上部に「エアデフレクター(風防)」というエアロパーツのようなものが付いていることがあります。
【画像】「えっ…!」 これが「謎の小部屋」です。画像を見る!(28枚)
エアデフレクターには様々なタイプがあり、薄い板状タイプから上のものからボックスタイプなどあり、どのタイプも空気の抵抗を可能な限り下げることと、デザイン性を高めることなどがメリットとして挙げられます。
なかには傾斜角度を変えることで防風効果が調整できるものや、LED看板灯を付けて広告媒体としても使えるもの、そしてボックス内部が小部屋になっているものが存在。
名称が付いており、いすゞでは「マキシルーフ」、三菱ふそうでは「スーパーマルチルーフ」、日野自動車では「スーパーハイルーフ」と呼ばれています。
たとえば、いすゞのマキシルーフには、左右の側面に天候を確認するための窓が付いているものがあります。ガラスは開閉できるので、内部の温度調整も可能です。
つまり、マキシルーフの中に人が入ることを想定して作られていることになります。さて、マキシルーフでドライバーは何をしているのでしょうか。
内部はどんな感じ? 使い勝手は?
このような小部屋は、ドライバーの仮眠場所として想定されて作られたようです。
長距離トラックのドライバーの中には車内で寝泊まりする人もいます。そこで、少しでも快適に仮眠できるようなマキシルーフが設置されました。
小部屋のサイズはメーカーにより異なりますが、マキシルーフの内寸は最大で1985mm×1020mm×865mmとシングルベットの長さ1950mm×幅1000mmに匹敵する大きさです。
では小部屋を利用するユーザーからはどのような声があがっているのでしょうか。SNSなどでは次のような投稿が見られます。
「いすゞのマキシルーフはアイクール(エアコン)があって快適です。
真夏の炎天下でも寒くて居られないくらいに冷えますよ。中に入ると秘密基地みたいでおもしろいです。
いまだに真夏でもアイドリングストップの現場があるけど、エンジンを切って2階に上がれば快適に過ごせます。とても重宝して助かってます」
このように快適に過ごせるという声もあれば反対の声も。
「私もマキシルーフがある大型トラックに乗って仕事をしています。
正直、外気温が20度を越えると暑くて私は寝られません。なので、助手席をフラットにして、板とマットレスを敷いて寝ています。
2階に独立した強力なエアコンを付けて欲しいです。待機中も少しだけしか背もたれが倒れないのもイヤですね。ですので、物置としては重宝するかも」
またトラックドライバーの中には、ガソリンスタンドや高速のSA・PAでシャワーを浴びるための石鹸やシャンプー、着替えなどを置いておく人もいるようです。
SNSなどでは小部屋を物置として役立てているという人も。
「トラックって仕事の荷物以外は意外に積むところが無いんですよね。
サイドの小箱やルーフを有効活用するのは良いと思います」
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このようにトラックドライバーは、長時間労働かつ不規則な勤務状況で働くことが多いため、働き方改革が強く求められています。
実際に時間外労働の上限規制や正規社員と非正規社員の格差是正など最近では「物流の2024年問題」としても取り上げられています。
そうした問題に対する改善策としてトラックメーカーなどは、普通免許で運転出来るモデルや、ドライバーファーストの機能などを提案しています。
今後トラックドライバーが働きやすい環境がどのように構築されていくのかにも注目が集まります。