使い勝手はイマイチなCopilot in Windows - 阿久津良和のWindows Weekly Report
皆さんはMicrosoft Copilotをお使いだろうか。筆者もリリース当初は動作を試す程度だったが、今では気になる単語をMicrosoft Copilotに聞いては(裏取りしてから)原稿に反映させ、日常で気になるプライベートの興味を尋ねることも少なくない。まだ適切なプロンプトを用いているとは言いがたいが、通常のキーワード検索結果と比べても有用という印象だ。
現在の一般ユーザー向けMicrosoft Copilotを使うには、Microsoft Edge経由の「Microsoft Copilot(旧Bing Chat)」、Windows 11のサイドパネル経由で使用する「Copilot in Windows」が選べる。筆者はビジネス向けの「Microsoft Copilot for Microsoft 365(以下、Copilot for Microsoft 365)」を契約しているが、現在のCopilot in Windowsからは使用できない。
「Bing Chat Enterprise(現Copilot)」時代は、Copilot in Windowsでも「保護済み」のアイコンが現れ、Microsoft Copilot/Copilotの出力を選択できたように記憶していたが、ここ数カ月の更新でMicrosoftアカウント=Microsoft Copilotに限定されるようになった。設定ページを開いても使用アカウントの選択肢は用意されておらず、本記事の執筆時点でプレビュー版であることを踏まえても、少々もの足りない。改善を期待したいところだが、Windows 11 Insider Preview 最新ビルドのCopilot in Windowsも同様のため期待薄だ。
Copilot in Windowsの設定ページ
筆者がこだわる理由の1つは生成AIの応答性。Microsoft CopilotおよびCopilot in Windowsで何らかの問いを投げかけると、結果が現れるまで数分はかかり、時間帯によっては文章生成に失敗することも珍しくない。これは高負荷時にGPT-4およびGPT-4 Turboの利用を制限にする仕様が影響しているのだろう。
他方でCopilot for Microsoft 365のMicrosoft Copilotは圧倒的に速く、出力に要する時間は数十秒ほど。各種データの保護機能も魅力的だ。具体的にはMicrosoftの公式ドキュメントで説明されているように、Microsoft 365テナント内にあるMicrosoft Graphデータの参照や、テナントのセキュリティやコンプライアンス設定に基づいたアクセス処理が可能。一般ユーザー向けの有償版「Copilot Pro」を契約すれば少なくとも速度面は解決すると思われるが、Microsoft 365 Personal/Familyの契約が前提となるため、筆者の使用スタイルには合わない。
そこで現在はMicrosoft Edgeベータの既定プロファイルを「職場(Microsoft Entra ID)」のみとして、つまり通常の個人プロファイルを削除して、Microsoft Copilot専用Webブラウザーとして使用している。まだ、テキストエディターのショートカットキーからプロンプトを作成して直感的に実行するまでは至っていないが、ひとまずCopilot in Windowsの不便さを回避している。それでもショートカットキーでサイドパネルを呼び出して、すばやくプロンプトを入力できる利便性は大きかった。
Copilot for Microsoft 365のCopilot
筆者は確認していないが、今後はメモ帳やSkypeにもCopilot in Windowsが加わるらしい。ただし、前述のようなアカウント切り替え問題が発生することを踏まえると、手放しでは歓迎できない。スマートフォン/タブレット用のCopilotはMicrosoftアカウントおよびMicrosoft Entra IDに対応しており、数タップで切り替えられる。MicrosoftとしてはCopilot Proの販売意図もあるだろうが、Copilot in Windowsから利用IDを切り替える機能を切に希望したい。
Entra IDで使用中のCopilotアプリ(iPadOS版)
著者 : 阿久津良和 あくつよしかず 1972年生まれのITライター。PC総合誌やDOS/V専門誌、Windows専門誌など、各PC雑誌の編集部員を経たのちに独立。WindowsとLinuxをこよなく愛しつつ、PC関連の著書を多数手がける。近年はBtoCにとどまらず、BtoBソリューションの取材やインタビューが主戦場。休肝日を設けず日々飲み続けてきたが、γ-GTP値が急激に増加し、早急な対応を求められている。 この著者の記事一覧はこちら
現在の一般ユーザー向けMicrosoft Copilotを使うには、Microsoft Edge経由の「Microsoft Copilot(旧Bing Chat)」、Windows 11のサイドパネル経由で使用する「Copilot in Windows」が選べる。筆者はビジネス向けの「Microsoft Copilot for Microsoft 365(以下、Copilot for Microsoft 365)」を契約しているが、現在のCopilot in Windowsからは使用できない。
Copilot in Windowsの設定ページ
筆者がこだわる理由の1つは生成AIの応答性。Microsoft CopilotおよびCopilot in Windowsで何らかの問いを投げかけると、結果が現れるまで数分はかかり、時間帯によっては文章生成に失敗することも珍しくない。これは高負荷時にGPT-4およびGPT-4 Turboの利用を制限にする仕様が影響しているのだろう。
他方でCopilot for Microsoft 365のMicrosoft Copilotは圧倒的に速く、出力に要する時間は数十秒ほど。各種データの保護機能も魅力的だ。具体的にはMicrosoftの公式ドキュメントで説明されているように、Microsoft 365テナント内にあるMicrosoft Graphデータの参照や、テナントのセキュリティやコンプライアンス設定に基づいたアクセス処理が可能。一般ユーザー向けの有償版「Copilot Pro」を契約すれば少なくとも速度面は解決すると思われるが、Microsoft 365 Personal/Familyの契約が前提となるため、筆者の使用スタイルには合わない。
そこで現在はMicrosoft Edgeベータの既定プロファイルを「職場(Microsoft Entra ID)」のみとして、つまり通常の個人プロファイルを削除して、Microsoft Copilot専用Webブラウザーとして使用している。まだ、テキストエディターのショートカットキーからプロンプトを作成して直感的に実行するまでは至っていないが、ひとまずCopilot in Windowsの不便さを回避している。それでもショートカットキーでサイドパネルを呼び出して、すばやくプロンプトを入力できる利便性は大きかった。
Copilot for Microsoft 365のCopilot
筆者は確認していないが、今後はメモ帳やSkypeにもCopilot in Windowsが加わるらしい。ただし、前述のようなアカウント切り替え問題が発生することを踏まえると、手放しでは歓迎できない。スマートフォン/タブレット用のCopilotはMicrosoftアカウントおよびMicrosoft Entra IDに対応しており、数タップで切り替えられる。MicrosoftとしてはCopilot Proの販売意図もあるだろうが、Copilot in Windowsから利用IDを切り替える機能を切に希望したい。
Entra IDで使用中のCopilotアプリ(iPadOS版)
著者 : 阿久津良和 あくつよしかず 1972年生まれのITライター。PC総合誌やDOS/V専門誌、Windows専門誌など、各PC雑誌の編集部員を経たのちに独立。WindowsとLinuxをこよなく愛しつつ、PC関連の著書を多数手がける。近年はBtoCにとどまらず、BtoBソリューションの取材やインタビューが主戦場。休肝日を設けず日々飲み続けてきたが、γ-GTP値が急激に増加し、早急な対応を求められている。 この著者の記事一覧はこちら