Palit「GeForce RTX 4070 SUPER Dual」を試用。コンパクトで扱いやすい2スロット厚モデル
2024年1月17日、NVIDIAの最新GPU「GeForce RTX 4070 SUPER」が発売となった。RTX 4070の強化版と言える存在で、スペック面は上位GPUのRTX 4070 Tiに近い。新たなGPUの性能が気になるところだが、Palitから発売された「GeForce RTX 4070 SUPER Dual」の貸与を受け、試用する機会を得た。さっそくレビューをお届けしたい。
Palitの「GeForce RTX 4070 SUPER Dual」。原稿執筆時点で価格は分からないが10万円前後ではないだろうか
Palitからシンプルデザイン・2スロット厚のGeForce RTX 4070 SUPER登場
Palitの「GeForce RTX 4070 SUPER Dual」は、GPUにGeForce RTX 4070 SUPERを搭載するビデオカードだ。RTX 4070 SUPERは、RTX 4070をベースにCUDAコア数を約20%増加させ7,168基になり、2次キャッシュも36MBから48MBにアップしている。CUDAコア数が7,680基、2次キャッシュが48MBのRTX 4070 Tiにかなり近いスペックになったのが大きな見どころだ。
詳しいスペックについて知りたい場合は『GeForce RTX 4070 SUPER」は低消費電力版のRTX 4070 Tiか!? 10種類以上のベンチで性能を徹底チェックする』を合わせてチェックしてほしい。
ブーストクロックは2,475MHz、カード電力は220Wと定格動作だ。そのためスペック面で目立った部分はないが、多くのPCケースに組み込みやすい2スロット厚ながら、95mm径の大きめ冷却ファンによって高い静音性を実現しているのが特徴だ。GPU温度が低いときはファンが完全に停止する準ファンレス駆動にも対応している。
GPU-Zによる情報。ブーストクロックが2,475MHzと定格だ
カード電力も定格の220Wとなっていた
95mm径のファンを2基備える。GPU温度が低いときは完全に停止する準ファンレス駆動だ
出力はDisplayPort1.4a×3、HDMI2.1a×1とスタンダードな構成。2スロット厚に収まっているのがポイントだ
剛性を高めるバックプレートも搭載。後部はカットされ、熱を逃がしやすくしている
補助電源は12VHPWR×1だ。4ピンが短いので改良版の12V-2x6コネクタとみられる。従来の8ピン×2への変換ケーブルも付属
天面の後部がさりげなく光る
ライティングはPalitのサイトからダウンロードできる「ThunderMaster」アプリで設定が可能
多くのゲームを4Kで楽しめるだけの性能アリ!
気になる、性能チェックに移ろう。テスト環境は以下の通りだ。Resizable BARは有効にした状態でテストしている。比較対象としてGeForce RTX 4070 TiとGeForce RTX 4070、GeForce RTX 3070を用意した。CPUのパワーリミットは無制限に設定。ドライバに関しては、RTX 4070 SUPERではレビュワー向けに配布された「Game Ready 546.52」、それ以外は「Game Ready 546.33」を使用した。今回はビデオカードの消費電力を実測できるNVIDIAの専用キット「PCAT」を使用し、ゲーム系のベンチマークではカード単体の消費電力も合わせて掲載する。
CPU:Intel Core i9-13900K(24コア32スレッド)
マザーボード:MSI MPG Z790 CARBON WIFI(Intel Z690)
メモリ:Micron Crucial DDR5 Pro CP2K16G56C46U5(PC5-44800 DDR5 SDRAM 16GB×2)
システムSSD:Western Digital WD_BLACK SN850 NVMe WDS200T1X0E-00AFY0(PCI Express 4.0 x4、2TB)
CPUクーラー:Corsair iCUE H150i RGB PRO XT(簡易水冷、36cmクラス)
電源:SUPER Flower LEADEX V G130X 1000W(1,000W、80PLUS Gold)
OS:Windows 11 Pro(22H2)
まずは、3D性能を測定する定番ベンチマークの「3DMark」から見ていこう。
『3DMark』性能
RTX 4070からCUDAコア数が約20%アップしているだけあり、概ね15〜20%の性能向上と順当な結果だ。RTX 4070 Tiより10%程度下になるテストが多いが、Fire Strikeはほぼ同等。テストによってはRTX 4070 Tiにかなり近づけると言えそうだ。
次は、実際のゲームを試そう。まずは、人気FPSから「レインボーシックス シージ」と「オーバーウォッチ 2」を実行する。アップスケーラーは使用せず“素”の性能をチェックしてみたい。レインボーシックス シージはゲーム内のベンチマーク機能を実行、オーバーウォッチ 2はBotマッチを実行した際のフレームレートをそれぞれ「FrameView」で測定している。
『レインボーシックス シージ』性能
『レインボーシックス シージ』動作時の電力消費
『オーバーウォッチ 2』性能
『オーバーウォッチ 2』動作時の電力消費
レインボーシックス シージはRTX 4070に対して4Kだと約16%フレームレートが向上。負荷が高くなるほどフレームレートは伸びる。注目は消費電力で、RTX 3070よりも約40%フレームレートを伸ばしているが、消費電力は小さい。ワットパフォーマンスのよさがよく分かる。
オーバーウォッチ 2もフレームレートに関しては、レインボーシックス シージと同じ傾向だが、消費電力はどの解像度でも変わらなかった。RTX 40シリーズは解像度が下がるほど、消費電力が小さくなる傾向が強いためやや珍しい。
アップスケーラーのないタイトルとして「ストリートファイター6」と「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」をテストする。ストリートファイター6はCPU同士の対戦を実行した際のフレームレート、ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICONはミッション「武装採掘艦破壊」で一定コースを移動した際のフレームレートをそれぞれ「FrameView」で測定している。
『ストリートファイター6』性能
『ストリートファイター6』動作時の電力消費
『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』性能
『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』動作時の電力消費
ストリートファイター6は120fpsまで設定できるが対戦時は60fpsまで。今回使用したGPUならば、どれでも4K/最高画質でプレイが可能だ。ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICONは、120fpsまでのゲーム。Palit RTX4070 SUPER DUALとRTX 4070 TiはWQHDまでほぼ上限に到達している。4Kでも快適なプレイの目安と言える平均60fpsを超えているのはうれしいところ。
次は、DLSS 3(アップスケール&フレーム生成)に対応したゲームを試していこう。DLSS 3はRTX 40シリーズだけで使える機能。RTX 3070はフレーム生成のないDLSS 2までの対応になる点に注意したい。
まずは、「Microsoft Flight Simulator」を実行したい。アクティビティの着陸チャレンジから「シドニー」を選び、60秒フライトしたときのフレームレートを「FrameView」で測定している。
『Microsoft Flight Simulator』性能
『Microsoft Flight Simulator』動作時の電力消費
解像度が変わってもフレームレートに変化があまりない箇所は、CPUがボトルネックになっているため。Microsoft Flight SimulatorはCPUの複数コアを活かし切れず、それが原因でフレームレートが伸びにくいゲーム。しかし、DLSS 3のフレーム生成はGPU側が行われるため、CPUがパワー不足でもフレームレートを伸ばせるのが特徴だ。その効果はフレーム生成が利用できないRTX 3070との差を見れば明らかだ。Palit RTX4070 SUPER DUALは約2倍のフレームレートを出している。
次は、重量級タイトルとして「Starfield」と「サイバーパンク2077」を試そう。Starfieldはジェミソンのロッジ周辺の一定コースを移動した際のフレームレート、サイバーパンク2077はゲーム内のベンチマーク機能を実行した際のフレームレートをそれぞれ「FrameView」で測定している。
『Starfield』性能
『Starfield』動作時の電力消費
『サイバーパンク2077』動作時の電力消費
StarfieldはアップデートでDLSS 3に対応したことで、RTX 40シリーズにおけるパフォーマンスが大きく改善されたのがポイント。Palit RTX4070 SUPER DUALなら4Kでも平均98.4fpsと快適にプレイできるフレームレートが出ている。フレームレートが半分以下になるRTX 3070よりも消費電力が小さい点にも注目したい。
サイバーパンク2077は、すべての光をシミュレートする“フルレイトレーシング”と呼ばれる「レイトレーシング:オーバードライブ」に設定。描画負荷は現在のゲームで最高峰に高く、4KだとRTX 4070 Tiでようやく平均60fpsを超えられるほど。ただ、Palit RTX4070 SUPER DUALでもWQHDで平均115.1fpsと十分ヌルヌルと動くだけのフレームレートを出せている。レイトレーシング:オーバードライブの描画は非常に美しく、ぜひとも体験してほしい。
AIやCGレンダリング性能もチェックする
クリエイティブ系の処理もテストしておこう。まずは、3DCGアプリの「Blender」を使ってGPUによるレンダリング性能を測定する「Blender Open Data Benchmark」を試す。
『Blender Open Data Benchmark』性能
一定時間内にどれほどレンダリングできるのかをスコアとして出すベンチマーク。RTX 4070 Tiに肉薄しており、処理によっては同格になりえることが分かる。
次は「Procyon AI Inference Benchmark for Windows」を実行しよう。MobileNet V3、Inception V4、YOLO V3、DeepLab V3、Real-ESRGAN、ResNet 50と複数の推論エンジンを使ってAIの総合的なパフォーマンスを測定するベンチマークだ。Windows MLとNVIDIA TensorRTでテストした。
『Procyon AI Inference Benchmark for Windows』性能
AI処理でもRTX 4070 Tiに迫っている。RTX 4070に対してはWindows MLなら約32%もスコアが向上した。
静かで扱いやすいサイズにまとまっているのが◎
最後に温度とクロック、カード単体の消費電力推移をチェックしよう。サイバーパンク2077を10分間プレイした際の温度と動作クロックの推移を「HWiNFO Pro」で測定している。GPU温度は「GPU Temperature」、クロックは「GPU Clock」の値だ。室温は21度。バラック状態で動作させている。
『温度とクロック』
ブーストクロックは2,610MHz前後で推移。仕様上のブーストクロック2,475MHzなので、ゲーム中はそれよりも高クロックで動作するのが分かる。最近のGPUならごく普通の挙動だ。それほど大型のクーラーではないが、温度は最大76.3度、平均74.2度と強烈に冷えているわけではないが、問題のないレベル。静音性が高いことを考えれば十分だ。
GeForce RTX 4070 SUPER Dualは、2スロット厚でカード長269.1mmと扱いやすいサイズでRTX 4070 Ti寄りの性能を実現しているのが大きな強み。静かでパワフルなビデオカードを求めているなら、チェックして損はない。
長すぎないデュアルファン仕様で高い性能を実現している
Palitからシンプルデザイン・2スロット厚のGeForce RTX 4070 SUPER登場
Palitの「GeForce RTX 4070 SUPER Dual」は、GPUにGeForce RTX 4070 SUPERを搭載するビデオカードだ。RTX 4070 SUPERは、RTX 4070をベースにCUDAコア数を約20%増加させ7,168基になり、2次キャッシュも36MBから48MBにアップしている。CUDAコア数が7,680基、2次キャッシュが48MBのRTX 4070 Tiにかなり近いスペックになったのが大きな見どころだ。
詳しいスペックについて知りたい場合は『GeForce RTX 4070 SUPER」は低消費電力版のRTX 4070 Tiか!? 10種類以上のベンチで性能を徹底チェックする』を合わせてチェックしてほしい。
ブーストクロックは2,475MHz、カード電力は220Wと定格動作だ。そのためスペック面で目立った部分はないが、多くのPCケースに組み込みやすい2スロット厚ながら、95mm径の大きめ冷却ファンによって高い静音性を実現しているのが特徴だ。GPU温度が低いときはファンが完全に停止する準ファンレス駆動にも対応している。
GPU-Zによる情報。ブーストクロックが2,475MHzと定格だ
カード電力も定格の220Wとなっていた
95mm径のファンを2基備える。GPU温度が低いときは完全に停止する準ファンレス駆動だ
出力はDisplayPort1.4a×3、HDMI2.1a×1とスタンダードな構成。2スロット厚に収まっているのがポイントだ
剛性を高めるバックプレートも搭載。後部はカットされ、熱を逃がしやすくしている
補助電源は12VHPWR×1だ。4ピンが短いので改良版の12V-2x6コネクタとみられる。従来の8ピン×2への変換ケーブルも付属
天面の後部がさりげなく光る
ライティングはPalitのサイトからダウンロードできる「ThunderMaster」アプリで設定が可能
多くのゲームを4Kで楽しめるだけの性能アリ!
気になる、性能チェックに移ろう。テスト環境は以下の通りだ。Resizable BARは有効にした状態でテストしている。比較対象としてGeForce RTX 4070 TiとGeForce RTX 4070、GeForce RTX 3070を用意した。CPUのパワーリミットは無制限に設定。ドライバに関しては、RTX 4070 SUPERではレビュワー向けに配布された「Game Ready 546.52」、それ以外は「Game Ready 546.33」を使用した。今回はビデオカードの消費電力を実測できるNVIDIAの専用キット「PCAT」を使用し、ゲーム系のベンチマークではカード単体の消費電力も合わせて掲載する。
CPU:Intel Core i9-13900K(24コア32スレッド)
マザーボード:MSI MPG Z790 CARBON WIFI(Intel Z690)
メモリ:Micron Crucial DDR5 Pro CP2K16G56C46U5(PC5-44800 DDR5 SDRAM 16GB×2)
システムSSD:Western Digital WD_BLACK SN850 NVMe WDS200T1X0E-00AFY0(PCI Express 4.0 x4、2TB)
CPUクーラー:Corsair iCUE H150i RGB PRO XT(簡易水冷、36cmクラス)
電源:SUPER Flower LEADEX V G130X 1000W(1,000W、80PLUS Gold)
OS:Windows 11 Pro(22H2)
まずは、3D性能を測定する定番ベンチマークの「3DMark」から見ていこう。
『3DMark』性能
RTX 4070からCUDAコア数が約20%アップしているだけあり、概ね15〜20%の性能向上と順当な結果だ。RTX 4070 Tiより10%程度下になるテストが多いが、Fire Strikeはほぼ同等。テストによってはRTX 4070 Tiにかなり近づけると言えそうだ。
次は、実際のゲームを試そう。まずは、人気FPSから「レインボーシックス シージ」と「オーバーウォッチ 2」を実行する。アップスケーラーは使用せず“素”の性能をチェックしてみたい。レインボーシックス シージはゲーム内のベンチマーク機能を実行、オーバーウォッチ 2はBotマッチを実行した際のフレームレートをそれぞれ「FrameView」で測定している。
『レインボーシックス シージ』性能
『レインボーシックス シージ』動作時の電力消費
『オーバーウォッチ 2』性能
『オーバーウォッチ 2』動作時の電力消費
レインボーシックス シージはRTX 4070に対して4Kだと約16%フレームレートが向上。負荷が高くなるほどフレームレートは伸びる。注目は消費電力で、RTX 3070よりも約40%フレームレートを伸ばしているが、消費電力は小さい。ワットパフォーマンスのよさがよく分かる。
オーバーウォッチ 2もフレームレートに関しては、レインボーシックス シージと同じ傾向だが、消費電力はどの解像度でも変わらなかった。RTX 40シリーズは解像度が下がるほど、消費電力が小さくなる傾向が強いためやや珍しい。
アップスケーラーのないタイトルとして「ストリートファイター6」と「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」をテストする。ストリートファイター6はCPU同士の対戦を実行した際のフレームレート、ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICONはミッション「武装採掘艦破壊」で一定コースを移動した際のフレームレートをそれぞれ「FrameView」で測定している。
『ストリートファイター6』性能
『ストリートファイター6』動作時の電力消費
『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』性能
『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』動作時の電力消費
ストリートファイター6は120fpsまで設定できるが対戦時は60fpsまで。今回使用したGPUならば、どれでも4K/最高画質でプレイが可能だ。ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICONは、120fpsまでのゲーム。Palit RTX4070 SUPER DUALとRTX 4070 TiはWQHDまでほぼ上限に到達している。4Kでも快適なプレイの目安と言える平均60fpsを超えているのはうれしいところ。
次は、DLSS 3(アップスケール&フレーム生成)に対応したゲームを試していこう。DLSS 3はRTX 40シリーズだけで使える機能。RTX 3070はフレーム生成のないDLSS 2までの対応になる点に注意したい。
まずは、「Microsoft Flight Simulator」を実行したい。アクティビティの着陸チャレンジから「シドニー」を選び、60秒フライトしたときのフレームレートを「FrameView」で測定している。
『Microsoft Flight Simulator』性能
『Microsoft Flight Simulator』動作時の電力消費
解像度が変わってもフレームレートに変化があまりない箇所は、CPUがボトルネックになっているため。Microsoft Flight SimulatorはCPUの複数コアを活かし切れず、それが原因でフレームレートが伸びにくいゲーム。しかし、DLSS 3のフレーム生成はGPU側が行われるため、CPUがパワー不足でもフレームレートを伸ばせるのが特徴だ。その効果はフレーム生成が利用できないRTX 3070との差を見れば明らかだ。Palit RTX4070 SUPER DUALは約2倍のフレームレートを出している。
次は、重量級タイトルとして「Starfield」と「サイバーパンク2077」を試そう。Starfieldはジェミソンのロッジ周辺の一定コースを移動した際のフレームレート、サイバーパンク2077はゲーム内のベンチマーク機能を実行した際のフレームレートをそれぞれ「FrameView」で測定している。
『Starfield』性能
『Starfield』動作時の電力消費
『サイバーパンク2077』動作時の電力消費
StarfieldはアップデートでDLSS 3に対応したことで、RTX 40シリーズにおけるパフォーマンスが大きく改善されたのがポイント。Palit RTX4070 SUPER DUALなら4Kでも平均98.4fpsと快適にプレイできるフレームレートが出ている。フレームレートが半分以下になるRTX 3070よりも消費電力が小さい点にも注目したい。
サイバーパンク2077は、すべての光をシミュレートする“フルレイトレーシング”と呼ばれる「レイトレーシング:オーバードライブ」に設定。描画負荷は現在のゲームで最高峰に高く、4KだとRTX 4070 Tiでようやく平均60fpsを超えられるほど。ただ、Palit RTX4070 SUPER DUALでもWQHDで平均115.1fpsと十分ヌルヌルと動くだけのフレームレートを出せている。レイトレーシング:オーバードライブの描画は非常に美しく、ぜひとも体験してほしい。
AIやCGレンダリング性能もチェックする
クリエイティブ系の処理もテストしておこう。まずは、3DCGアプリの「Blender」を使ってGPUによるレンダリング性能を測定する「Blender Open Data Benchmark」を試す。
『Blender Open Data Benchmark』性能
一定時間内にどれほどレンダリングできるのかをスコアとして出すベンチマーク。RTX 4070 Tiに肉薄しており、処理によっては同格になりえることが分かる。
次は「Procyon AI Inference Benchmark for Windows」を実行しよう。MobileNet V3、Inception V4、YOLO V3、DeepLab V3、Real-ESRGAN、ResNet 50と複数の推論エンジンを使ってAIの総合的なパフォーマンスを測定するベンチマークだ。Windows MLとNVIDIA TensorRTでテストした。
『Procyon AI Inference Benchmark for Windows』性能
AI処理でもRTX 4070 Tiに迫っている。RTX 4070に対してはWindows MLなら約32%もスコアが向上した。
静かで扱いやすいサイズにまとまっているのが◎
最後に温度とクロック、カード単体の消費電力推移をチェックしよう。サイバーパンク2077を10分間プレイした際の温度と動作クロックの推移を「HWiNFO Pro」で測定している。GPU温度は「GPU Temperature」、クロックは「GPU Clock」の値だ。室温は21度。バラック状態で動作させている。
『温度とクロック』
ブーストクロックは2,610MHz前後で推移。仕様上のブーストクロック2,475MHzなので、ゲーム中はそれよりも高クロックで動作するのが分かる。最近のGPUならごく普通の挙動だ。それほど大型のクーラーではないが、温度は最大76.3度、平均74.2度と強烈に冷えているわけではないが、問題のないレベル。静音性が高いことを考えれば十分だ。
GeForce RTX 4070 SUPER Dualは、2スロット厚でカード長269.1mmと扱いやすいサイズでRTX 4070 Ti寄りの性能を実現しているのが大きな強み。静かでパワフルなビデオカードを求めているなら、チェックして損はない。
長すぎないデュアルファン仕様で高い性能を実現している