老後を見すえて「ものを減らして暮らしたい」と考える人が増えています。著書が多数あるブロガーの筆子さん(64歳)は、夫と2人暮らしをしているカナダで、最小限のもので暮らすシンプルライフを実践中。ここでは、筆子さんが捨てすのはもったいないと感じつつ、手放してすっきりとしたものを教えてもらいました。

体調や気力に合わないものを手放す

60代からは体力と気力の衰えを感じやすいもの。ライフスタイルの変化に伴って古いものは処分し、今の暮らしに合ったものだけを残すようにしましょう。

●紙の書籍

老眼で、小さい字が読みにくくなってきたうえに、重たくてかさばる紙の本は取り扱いが面倒に。今は、たいていの本が電子書籍化されています。拡大表示できるので紙よりも読みやすいし、場所も取りません。

●ベッドや重い敷布団

引っ越しをきっかけに、場所を取るベッドを捨てました。カーペット敷きの床にシーツか毛布を敷いて寝ています。年齢を重ねるほどにつらい、布団の上げ下ろしや干す手間がなくなり、部屋も広々。

●化粧品

お化粧はしないので、化粧品は処分ずみ。なにもしない方が、肌の調子がよく、洗顔のみにしています。もちろん、美容が好きな人は無理にやめなくても。ただ、義務感だけで続けているようなら、見直しどきでは。

●マットやラグ

60代は家の中にある危ないものは見直しを。足を取られて転ぶおそれもあるマットやラグは、本当に必要か考えて。なんとなく置いているキッチンマットや玄関マットを取り払うと、すがすがしさに気づくかも。

捨てるのが「もったいない」と思うものを手放す

「ものがたくさんあると安心する」と思いがちですが、本当の安心感はものでは得られないはず。「もったいない」と感じた時点で、じつは役目を終えたものかも。

●客用の食器や布団

来客の予定があるならいいですが、「いつか」のためにとっておく必要はありません。布団のレンタルサービスもあるし、ホテルに泊まってもらっても。使っていない客用食器だったら、日常使いしてみるのもおすすめ。

●義理でとってあるギフト

相手の「あげたい気持ち」を受け取った時点で、ギフトの役割は終了。義理を感じていつまでもとっておく必要はありません。好意で贈られたのだから、売るなり、処分するなり、自分が幸せになれる道を選んで。

●ショップの袋

「もったいない」ものの代表選手。人にものをあげるときのために…と、とっておきがちですが、意外と機会はないもの。贈り物は、ちぐはぐなブランドの袋よりギフト用の袋を買って入れる方が喜ばれます。

●消耗品のストック

災害用などにある程度は必要かもしれませんが、持ちすぎは厳禁。ものは、ほかのものを連れてきます。ストックした分だけ、それを収めるための収納グッズが必要になり、ものはどんどん増えていきます。

 

『これからの暮らし by ESSE vol.06』では、今回紹介した以外にも、60代以上の暮らし上手さんの「ものの持ち方 手放し方」、後悔しない「終の棲家(すみか)」の選び方、若々しい肌&体をつくる「整え」美容、村上祥子さんの 冷凍パックごはんなど、暮らしに役立つ情報が満載です。