「宝塚をあきらめないで」七海ひろきが思いの丈を告白「“華やかな龍宮城” だけど令和の時を刻んで」勇気ある発言に称賛集まる
今年9月、宝塚歌劇団の25歳の劇団員女性が急死した問題。劇団側は、11月14日に公表した調査報告で、「強い心理的負荷がかかった可能性が高い」とする一方、「いじめやパワハラ」は確認できなかったと結論づけた。
これに対して遺族側は、12月7日に代理人弁護士が会見をおこない、劇団に提出した「意見書」の内容を明らかにした。
遺族側は、女性の死について、長時間労働だけでなく、「ウソつき野郎」などの暴言やヘアアイロンでやけどさせるなど、上級生のパワハラが原因だとして、「これ以上、娘の尊厳を傷つけるのはやめてほしい。真実を認め謝罪することを求めます」と強く要求した。
事態が膠着するなか、10日、宝塚歌劇団は公演中止が続いていた雪組公演『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル/FROZEN HOLIDAY』の再開を発表した。
「この公演は、11月10日に開幕予定でしたが、劇団員の急死を受け、12月1日に延期されました。しかし、5日には舞台上のトラブルで30分ほど中断。7日には午前の回が、出演者の体調不良により急遽中止となりました。
その後、8〜10日の公演に関して『安全に実施することが困難』との理由から中止になりました。12日と千秋楽の13日は予定どおり実施され、来年1月から、東京宝塚劇場で上演される予定です」(芸能記者)
宝塚歌劇団が揺れるなか、注目が集まっているのが、2019年に退団し、現在、アーティストとして活躍している七海ひろきだ。七海は、亡くなった劇団員と同じ宙組で活躍したOGで、11月5日、自身の「X」で《自分の思いをどこかでちゃんとお話したい》と語っていたのだ。
それから1カ月たち、9日、七海はYouTubeで《今の私の思い》と題する動画を公開した。七海は「宝塚は私の人生の半分、青春のすべてを捧げてきた場所。私の故郷です」としたうえで、自身の思いの丈をこう述べた。
「タカラジェンヌは夢をお届けするお仕事です。アイドルやテーマパークなどお客さまに夢をお見せするお仕事は、裏側や日常の姿など、夢が覚めてしまわないよう、ベールに包まれていることが多いと思います。宝塚にはすごく厚いベールがあり、私にも、夢を守らねば、という使命みたいなものが染みついていました。
宝塚は浮世離れしていて、時代の変化についていくのが難しい場所です。たとえるなら、華やかな竜宮場で、そこは外の世界から孤立していて、ほかからの情報がまったく届きません。そこにいると浦島太郎のようになります」
このように状況を説明したうえで、
「どんな芸事のお仕事も、プロとしてお客さまにお金をいだいてご満足いただくには、並々ならぬ努力とストイックさが必要になります。みんな1日中365日、芸事と向き合って過ごします。常識から外れているかもしれませんが、これらのすべてが悪いかと言うと、すごく難しい。ある程度のストイックさはどうしても必要だと思います」
と述べた。
「七海さんは、こうした宝塚の仕組みは『時代に合わせて変化できないまま、109年続いてきた歴史の積み重ねによるもの』とし、そうした流れのなかで『今回のような悲しい出来事が起きてしまい、とても心苦しい』と話しました。
最後は『宝塚をあきらめないで、未来を見守っていただきたいです。劇団が誠実に向き合って本気で改革に取り組むことを心から願っています』と語っています。
無名のOGはともかく、有名OGとして動画コメントを出したのは初めてではないでしょうか。勇気ある発言に、ファンからも称賛の声があがっています」(芸能記者)
宝塚歌劇団に対し、「昔のままで止まっている環境なので、時計をちゃんと動かして令和の時を刻んでいっていただきたい」と語った七海。時代に取り残された劇団と、令和に生きる劇団員との温度差が一日も早くなくなることを期待したい。