オリックスの本拠地・京セラドーム

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プロ野球オリックスが2023年11月22日、広島からフリーエージェント(FA)宣言をした西川龍馬外野手(28)の入団を公式サイトで発表した。複数メディアの報道によると、複数年の大型契約が見込まれるという。天才打者と称される西川の加入はリーグ3連覇中のオリックスに何をもたらすのか。元楽天ヘッドコーチの橋上秀樹氏(57)はJ-CASTニュースの取材に、独自に戦力分析し「オリックスが頭1つ抜けている」とした。

「西川選手が加入することで大きな戦力アップに」

大阪府出身の西川は敦賀気比高校(福井)から社会人野球の王子製紙を経て15年のドラフト会議で広島から5位指名を受けて入団した。プロ3年目の18年は107試合に出場し規定打席に届かなかったものの打率.309を記録。今季は109試合に出場して打率はリーグ2位の.305、9本塁打、56打点をマークした。

橋上氏は西川のオリックス入りはチームにとって大きな戦力補強になると指摘し、独自の視点で戦力分析をした。

「今季の外野はセンターの中川(圭太)選手以外は流動的で固定できなかった。杉本(裕太郎)選手のケガの状態を含めて来シーズンのレフト、ライトの両翼は白紙に近い状態だったと思います。野手で補強をするとすれば両翼がポイントでした。そこで打てる打者、左打者が入った方がバランスは良いと思います。西川選手はクリーンアップを任せられるだけの打力はあるので、レフトで主軸を期待していると思います。西川選手が加入することで大きな戦力アップになるでしょう」

さらに打順に関して「森選手、頓宮(裕真)選手、西川選手でクリーンアップを組むと思います」とし、「頓宮選手が4番に入るとなれば、3番に西川選手、5番に森選手が入ると考えます。頓宮選手の出塁率を考えれば5番にチャンスが回ってくることが多くなるので、チャンスに強いイメージがある森選手を5番に起用したほうが良いかと思います」との見解を示した。

「ソフトバンクが戦力補強でどれだけ差を縮められるか」

天才的な打撃センスを持つと言われる西川の打撃に関して橋上氏は「投高打低と言われる中でしっかり勝負できるタイプの数少ないうちのひとり」と高く評価し、パ・リーグの投手の傾向を解説。オリックスに加入するメリットに言及した。

「最近はパ・リーグとセ・リーグのピッチャーの実力が縮まってきているが、パワー系のピッチャーはまだパ・リーグの方が多い。ただパワー系ピッチャーの代表がオリックスなのでオリックスと対戦しなくてよいというのがひとつのメリットでしょう。セ・リーグからパ・リーグに行くバッターとしてはオリックスが1番大きな関門になりますから、そういった意味ではセ・リーグからパ・リーグに移籍するハードルが下がると思います」

今季圧倒的な強さを見せリーグ3連覇を達成したオリックス。一方リーグ3位に終わったソフトバンクが今オフのFA戦線で積極的な姿勢を見せており、西武・山川穂高内野手(31)やオリックス山崎福也投手(31)の移籍先候補に挙がっている。FAの他にも外国人選手らの大型補強が見込まれる。

橋上氏は「今後ソフトバンクがどの程度戦力補強するかにもよりますが、現状他チームの大きな戦力補強は見当たらない」とし、「オリックスが頭1つ抜けており、盤石に近くなっている。ソフトバンクが戦力補強でどれだけ差を縮められるか。ソフトバンクがFA宣言をしている山川選手や山崎選手を獲得してもオリックスと比べれば投打ともに駒が不足していると思います。オリックスと他のチームとの戦力が開きつつあり、戦力がさらに充実してくると思います」との見解を示した。