KRY山口放送

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 去年8月、仲間と共謀し、元上司の男性を金属バットで殴ったうえで海に転落させたとして、殺人未遂の罪に問われている男の裁判員裁判が8日、山口地裁で始まりました。

 起訴されているのは、広島県福山市の配送業の男(24)です。

 起訴状などによると、男は仕事でつながりのあった別の男(27)と共謀。去年8月31日の午前2時ごろ、防府市の漁港で元上司であった男性(当時31歳)を殺害しようと、頭などを金属バットで複数回殴り、その後、海に転落させ、外傷性くも膜下出血など全治約1ヶ月の大ケガを負わせたとされています。

 山口地裁で始まった裁判員裁判で男は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

 冒頭陳述で検察側は、「男は、以前務めていた携帯電話販売会社の代表であった被害者から、頻繁に仕事上のミスを叱責されることがあったことなどから、会社を辞めて独立した」と経緯を説明。そのうえで、「被害者の会社から販売員全員が男の会社に移籍したことで、被害者から多額の『移籍料』の支払いを要求されるようになったことなどから被害者と関わるのが嫌になり、殺害を決意した」と犯行の動機を指摘しました。

 一方、弁護側は、公訴事実は争わないとしたうえで「男は当時、被害者から『刺し違えて殺してやろうか』 『お前の大事なものを壊してやる』『死ぬ前には言えよ、保険をかけるから』などと暴言を言われ続け、自殺を図るほど精神的に追い詰められていた」などと主張しました。

 裁判員裁判は15日に審理を終え、17日に判決が言い渡される予定です。