再販市場の競争が激化しているなか、プラットフォームのなかにはラグジュリー製品のセラーを獲得するために委託販売モデルに移行するところもでてきた。

委託モデルを導入したリバッグとeBay



eBayとリバッグ(Rebag)の両社は、9月、それぞれのプラットフォームで委託販売モデルをスタートした。委託販売は両プラットフォームでの本来の販売モデルとは異なる。eBayは主にピアツーピアのマーケットプレイスであり、セラーはeBayを使って出品し、購入者に直接販売する。リバッグは、同社が製品を固定料金で購入して、後日再販するという買取モデルを提供してきた。

一方、委託というのは、プラットフォームがセラーから製品を引き取り、販売し、売れたらすぐにセラーに支払うということを意味する。基本的には、ピアツーピアモデルの財務構造と買取モデルの物流構造を組み合わせたものである。これは、ザ・リアルリアル(The RealReal)が再販分野で優位に立つために使ったモデルであり、ファッションファイル(Fashionphile)などのラグジュアリー再販企業が使っているものだ。

委託販売でラグジュアリー再販の大手を目指すeBay



eBayのグローバルラグジュアリー部門ゼネラルマネージャー、ティラス・カムダー氏は、9月にeBayがローンチした委託販売は、大手のラグジュアリー再販企業になるという同社の計画における最大プロジェクトのひとつであると述べている。

「当社には消費者の行動に関するデータが多くある」とカムダー氏。「目にしていることの1つには、ハンドバッグのようなハイエンド商品の場合、自分で出品するのが面倒で、クローゼットに多くの商品を眠らせている消費者がいるということがある。彼らは、自分の代わりにそれを行ってくれる優れたサービスを望んでいる」。

eBayの委託販売サービスは、高級品の委託販売を20年以上行っているリンダ・ライトマン氏が設立した委託販売プラットフォームのリンダズ・スタッフ(Linda's Stuff)を利用している。

プラットフォームが再販をさらに容易にすべき理由



リバッグのCEO、チャールズ・ゴラ氏も同様の発言をしている。ラグジュアリー再販プラットフォームにとっての最大の挑戦は、ほかのプラットフォームではなく、怠慢だと述べている。

ゴラ氏は次のように語っている。「高級品の再販(の最大の悩み)は常に供給側にあった。手入れされて状態の良いすばらしいシャネル(Chanel)のバッグを何年もクローゼットの中に眠らせている人がいるかもしれない。我々が試みているのは、販売プロセスをシームレスに行えるようにして、当社への委託を簡単にすることだ」。

リバッグの委託プロセスでは、バッグをリバッグに送り、売れそうな価格帯を設定してもらい、売れるのを待つだけだ。価格帯は狭く、変動は20%以内である。万が一、商品がその範囲内の価格で売れなかった場合は、リバッグがその製品を再度販売する前に、承認のために新しい見積書がセラーに送られる。

「これは、当社にとっては当社が提供する販売のメリットを最大化するということだ」とゴラ氏。「市場には、買取を提供するだけではカバーできなかった部分がある。今やセラーには選択肢がある。すぐに保証された価格と支払いを望むなら、買取を選べる。だが、価値の高いものを持っていて、できるだけ高い販売価格を希望していて、少々長く待てるようなら、委託販売が利用できる」。

リバッグは製品を完全に買い取る経済的リスクを負わないため、通常、セラーが委託で得られる金額は多めである。リバッグのようなプラットフォームは、買取と比較して、約35%と、委託に競争力のある金額を提供している。

eBayは2月に500人の社員を解雇したものの、今年の収益は増加している。リバッグは、製品カタログと委託販売などの新機能の両方を提供するためにVCから1億ドル(約150億円)を超える資金を調達している。

ラグジュアリー再販は、2026年までに500億ドル(約7.5兆円)を超える業界になると予想されている。また、ブランドが自社の再販プラットフォームを立ち上げ始めている中、eBayやリバッグのようなサードパーティのプラットフォームは革新を続け、セラーが直接ブランドにではなく、そのようなプラットフォームに商品を持ち込む理由を提供し続けなければならない。

[原文:Luxury resale platforms are relying on consignment to bring in more supply]

DANNY PARISI(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)