『このあと どうしちゃおう』中元「何人かの大人に読んでって勧めてみたら結構みんな楽しく読んでくれた」
『中元日芽香の「な」』が、9月18日(月)午前7時に更新され、「日芽香セレクション」のコーナーで中元が触れた映画や本、漫画から生き方や考え方、カウンセリングのヒントになるかもという作品について紹介した。
今回、中元が紹介したのは、『このあと どうしちゃおう』という絵本。ブロンズ新社から2016年7月22日に出版。作者は、ヨシタケシンスケ。
出版社からは次のように紹介されている。「ヨシタケシンスケが「死」をテーマに挑む。おじいちゃんは、しぬのがこわかったのかな?たのしみだったのかな?しんだおじいちゃんのノートをひらいてみると・・・。しんだらどうなる?どうしたい?しんだあとのこと、生きてる間に考えてみよう。」
この絵本を読んで感じた事中心に中元が色々語ってくれた。
中元「実際これ何人かの大人に読んで読んでって勧めてみたら結構みんな楽しく読んでくれました。おじいちゃんのノートには、このあとの流れ、亡くなってこういうところに行くのかなとか、時々家族を見に行くのかなみたいなこのあとの流れというページがあったり、生まれ変わったらなりたいもの、天国に行く時の格好などなど、おじいちゃんの考える「このあと」というのが全体的にポップな世界観なんですね。絵本の対象年齢、メインターゲットは幼いお子さんたちなのかなということを思うと、お子さんにも分かりやすいように死に対する理解が深まるようなというか、最初に考えるにはいいきっかけなのかなという作品です。生まれ変わったらなりたいものの例がお金持ちに飼われている猫とか、金木犀の木とか、ピザ屋さんとか、なんかどれも確かに楽しそうだなーって思って優しい気持ちに私もなりながら読んでました。というのが絵本の前半で、後半はこのノートを書いたおじいちゃんの気持ちを男の子が想像するんです。おじいちゃんはどんな気持ちで書いたんだろう。そしてお父さんにも話しておじいちゃんどういう気持ちだったんだろうねというふうに話して、そして自分でも考えてみるというような絵本のストーリーです。突然の身近な人の死というのが子供さんにはいまいち理解できない事ってきっとありますよね。大好きだった家族ともう会えなくなっちゃったということはなんとなくわかってるかなくらいの。そんな子供さんと一緒にこの絵本を読んで大切なあの人は今頃天国できっとこんなことしてるんじゃないかなとか、あの人はどんな気持ちで生きていたのかな。など、前向きに故人に思いを馳せるそんな一冊だなという印象を受けました」
この絵本を知ったきっかけは、数年前にさかのぼると中元は語る。
中元「『このあと どうしちゃおう』を知ったきっかけは、数年前に私の祖父が亡くなったタイミングでした。祖母がすごく落ち込んでたんですよね。それで少しでも寄り添えたらいいなというふうに思って、姉がこの本をおばあちゃんにプレゼントしていました。それは大きいショックの後のちょっとした支えかもしれませんが、でもね、少しでも前を向くきっかけになったらいいなというか、暗闇しかないなって思うと日々を生きていくのがしんどくなってしまうじゃないですか?でも、いつまでも悲しい悲しいっていってるのはきっと祖父も望んでいないし、本を読んでいる時のエピソードとしては、「天国に行く時の恰好」というページがあって、おじいちゃんの服装とかリュックの中身とか書いてあるんですね。こういう格好で天国行こうって。で、それの中に絆創膏というのが書いてあって、絆創膏を入れておかないとおじいちゃん転んだ時に手当てできないねっていって、それでこうおじいちゃんの棺の中に絆創膏を入れておくという。そういうのをこの本通して、ちょっと会話ができたなというふうに思います。声のかけ方が難しいなって時とかいいかもしれないですね。亡くなった身内とか大切な人と向き合う時って、やっぱり心がざわざわしますよね。寂しくなるから考えたくないって人もいれば、逆にその人のことばかり考えてしまって、もっとこうしておけばよかったなとか。もう自分も早くあちらの世界へ行きたいなっておばあちゃんも言ってましたね。しばらく。おじいちゃんと一緒にいたいって。なのでそういうふうに思ってる時って、どうしても今生きてることに焦点を当てるのが難しくなってしまうと思うんです。なので、少しでも穏やかな気持ちで故人と向き合いたいなという大人に読んでもいいしプレゼントするのもいいし、または親御さんの立場として今生きているということを子供さんと一緒に考えてみたいというご家庭にもおすすめしたい一冊です」