メッツ戦に「2番・DH」で先発出場したエンゼルスの大谷翔平【写真:ロイター】

写真拡大

メッツ戦で2長打2盗塁の活躍

 米大リーグのエンゼルス大谷翔平投手は26日(日本時間27日)、敵地メッツ戦に「2番・DH」で出場し、3打数2安打1打点2四球に加え、連続盗塁を決めるなど大暴れで5-3の勝利に貢献した。辛口で知られる敵地ニューヨークメディアは、右肘靭帯を負傷しながら打者として活躍する大谷に「スーパースターを希有たらしめる現実」と最敬礼を贈っている。

「ショウヘイ・オオタニはピッチングをせずとも、勝利のために投球以外の全てを成し遂げる」と見出しで特集したのはNY地元紙「ニューヨーク・ポスト」だった。

 敵地シティ・フィールドが大谷劇場と化した。初回の第1打席で二塁打を放ったが、その前に右翼ポール際への大ファウルで観衆を沸かせた。大飛球がビジョンに直撃し、ビデオボードの一角を破壊。観客の度肝を抜いた次の打席では三塁打。第3打席には四球で出塁後に二盗、三盗を決めて見せた。

 記事では「ショウヘイ・オオタニの肘に関するパニックから茫然自失する中、スーパースターを稀有たらしめたのが現実だった。これが二刀流選手についての事実だ。怪我をしても、別の方法で依然として貢献できるのだ」と称賛している。

 大谷は自身2度目となる右ひじの内側側副靭帯損傷が発表されたが、故障をものともしない躍動ぶりに、記事では「彼は来季、圧巻のスピードを持った恐怖の打者として復帰することになるだろう」とエリート打者・大谷の来季の活躍にも太鼓判を押している。

 さらに第3打席で四球となった時の球場のファンのリアクションにも注目。「(投手の)フィル・ブリックフォードはオオタニに5球で四球を与えたが、どれもストライクゾーンから程遠い投球だった。球場での凄まじいブーイングは驚きべきほどに素晴らしい価値を示すものだった」と目の肥えたNYファンの怒りと、深い大谷愛を指摘している。9回には2試合連続の申告敬遠となったが「この夜最も壮大なブーイングを引き起こした」と報じた。

「ベーブ・ルース以降、前代未聞のユニコーンである大谷の全ては鑑賞の価値がある。たとえ、彼の有効性の半分が危機に瀕していたとしても、だ」

 今オフFAとなる大谷の移籍先には大富豪のスティーブ・コーエン氏がオーナーを務めるメッツの名前も地元メディアで挙がっている。打者の一刀流でも、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手が昨季記録したア・リーグ記録の62本塁打を脅かすスラッガーという絶大な評価を与えた上で、「メッツは完全なオオタニ体験を享受できなかったが、半分のショーでも観戦に値するものなのだ」と終始絶賛していた。

(THE ANSWER編集部)