原爆投下直後に降ったいわゆる「黒い雨」をめぐり、国の新たな認定基準で被爆者手帳の交付を却下された23人がその取り消しを求めた裁判が始まりました。

この裁判は救済基準を拡大した国の新制度でも被爆者手帳の交付を却下されるなどした23人が県と広島市を相手にその取り消しを求めたものです。

『黒い雨』をめぐってはおととし、広島高裁判決が確定したことを受け救済を拡大するため去年4月新たな認定基準を国が導入しました。

この基準では黒い雨にあったと否定できず、がんや肝硬変など11疾病のいずれかにかかっているなどすれば認定されます。

これにより県内の申請では新たに4405件が認定されましたが、229件は却下されています。

この裁判では新基準のもと、どういった判断で却下処分をされたか、その妥当性が争われることになる見込みです。

弁護団は会見で県と市が争う姿勢を見せてきたとし、お金を支払う厚労省の考え方を変える必要があると話しました。

第2次黒い雨訴訟弁護団長 足立修一弁護士「放射性微粒子の影響を正当に認めさせることがこの裁判で必要になる。核兵器の非人道性をあきらかにしていくためにもこの裁判で原告団の権利が守られるようにする意味がある」

第2次黒い雨訴訟原告団 岡久郁子団長「(申請に)たくさん条件をつけて面倒だからやめたという人をいかにたくさんつくろうかと魂胆が見え見え」