「広島の前田に通じるものがある」岡田阪神 リーグ戦再開後の起爆剤となるか 球界OBが注目する「ロマン砲の存在」とは

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岡田監督も前川の打撃を評価している(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 阪神は交流戦最終戦となる18日のソフトバンク戦(甲子園)に0−9と今季7度目の完封負けを喫した。交流戦18試合を7勝10敗1分けで終えたチームは早くもリーグ戦再開後を見据えている。

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 今季最多4万2640人を記録した本拠地のファンも静まりかえった。

 この日も最近の課題となっているリリーフ陣のほころびが目立った。先発・才木浩人は5回無失点と試合を作るも、0−0で迎えた7回、3番手で登板した加治屋蓮が一死一、三塁から牧原大成に左中間二塁打を浴びるなど、3失点。好調を続けてきた右腕が25登板目で初めて自責点がついた。

 悪い流れは止まらず、続く及川雅貴、浜地真澄、K・ケラーもずるずると失点を重ね、終わってみれば大敗となった。

 投打ともに疲れが見え始めたチームにおいて、一人気を吐いたのは、「3番・右翼」で先発出場した前川右京だ。2試合連続スタメンを任された若武者は初回にスチュワートの160キロ速球を捉えて遊撃への内野安打とすると、先頭で迎えた4回の打席でも再び156キロを捉えて、右翼線へ二塁打をマーク。ほかの打者が160キロ右腕の剛速球に手こずる中、対応力の高さを見せた。

 この前川の奮闘には球界内からも様々な考察の声が出ている。現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務めた野球解説者の高木豊氏は15日までに更新した自身のユーチューブチャンネルで前川について触れている。

 前川の打撃の良さに関しては「スイングスピードが速い」さらに「ボールを捉える間がすごい」として、この感覚には天性のものがあるとした。

 高木氏の称賛の言葉は続き「近い将来、首位打者を獲る」とまで明言。バッティングに関しては「広島の前田に通じるものがある」と話した。前田氏といえば、「孤高の天才」の異名を持ち、2119安打で名球会入りも果たしているレジェンドOB。現役時代は眼光鋭く投手と向き合い、打撃に対して妥協なき姿勢を貫くことで広く知られたが、その前田氏と前川では打席でかもしだすムードが似ているとした。

 今季でプロ2年目、昨年は故障もあり、なかなか持ち味を発揮できなかった左の大砲候補が花開くとなれば、打線も活気づく。岡田監督も素質を認めるロマン砲がリーグ戦再開後のキーマンとなるか。さらなる大暴れを期待したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]