KARAニコル「多彩な私を届けるために」高みを目指すストイックな姿勢
ニコル
昨年KARAが再始動し注目を集めるニコルが、ニューシングル「Selfish」(5月10日発売)をリリースした。2007年KARAのメンバーとして「the First Bloooooming」でデビュー。2014年10月「First Romance」でソロデビューし、2022年7月 韓国で8年ぶりとなる新曲「YOU.F.0」でカムバック。2022年11月にKARAが再始動し、同年12月にKARA 15th ANNIVERSARY ALBUM『MOVE AGAIN JAPAN EDITIO』リリースした。 ドリーミュージック移籍第一弾シングル「Selfish」は自己愛をテーマに90’sを彷彿とさせるダンスチューンで、大人なニコルを見ることができる。インタビューでは、多彩な表現を見せたかったと話すニコルに本作の制作背景から、ミュージックビデオの見どころ、スタイルを保つためにやっていることについて話を聞いた。(取材・撮影=村上順一)
自分を愛するということは、すごいエネルギーに変えられる
――久々のシングルリリースですね。
すごく久しぶりに新曲を持って日本に戻ってきましたが、 7年前とは自分も変化してきたので、それをみなさんに見ていただけることをすごく楽しみにしていました。もっと大人な感じ、シックな感じを込められたらと思って作り上げたので、みんながどう感じてもらえるのか、すごく楽しみなんです。
――「Selfish」は大人っぽい楽曲になっていますけど、今回この曲をチョイスされた意図は?
24歳頃からシティポップが大好きなんです。「Selfish」は昨年にいただいていた曲で、 聴いた瞬間からすぐに「歌いたい!」と思いました。ですので、少し温めていたのですが、改めて聴いて日本のカムバック曲に相応しいなと思い選びました。
――歌詞のテーマが自己愛。このテーマはニコルさんにはどう映っていますか。
自己愛というのは、どこか自分に自信があるイメージがあって、インディペント(自立)の雰囲気も感じる言葉で、いま私が歌うにあたってすごくいいテーマだなと思いました。
――ニコルさんの心境とリンクするところもあったり?
特にリンクはしてないんです。この曲に登場する人物と私はあまり似てないと思っていて。ときどき人はこの曲に書かれているような気持ちになることがあると思います。自分を愛するということは、すごいエネルギーに変えられる時もあると思っています。
――自分を愛するというのは、確かにそういう面がありますよね。ニコルさんは逆に自分が嫌いになる瞬間とかもありますか。
あるとしたら、自分のせいで誰かを傷つけてしまった時かな。他人に対して思いやりがなくなって、自分以外の誰かを傷つけてしまった時は、自分が嫌になることもあります。
――「Selfish」のレコーディングはいかがでしたか。
レコーディングはスムーズに終わりました。「Selfish」はいろんな歌い方ができる曲なので、それがすごく面白かったです。例えば、どのくらい歌声に息を混ぜるのか、どのように感情を歌に入れていくのか、そういうことを考えるのがすごく面白かったです。特に2番のヴァースはそれらがわかりやすく出ている部分で、歌の表現が色々入ってるので、注目してもらえると嬉しいです。
――以前インタビューさせていただいた時に、表現力をブラッシュアップしていきたいとおっしゃってましたが、それがひとつ形になった感覚もありますね。
そうですね。以前より色んな表現ができるようになったと思います。この前、韓国で「Selfish」とはまた違ったジャンルの、80年代のディスコスタイルのダンス曲を歌いましたが、その曲も歌い方がちょっと複雑だったんです。そして、今回の「Selfish」は90年代スタイルでパワフルなダンス曲なんですけど、上手く表現できたんじゃないかなと思いますし、「私、ちょっとレベルアップしたな」と思いました(笑)。
――「Selfish」のミュージックビデオもすごくかっこいいですね。
ありがとうございます。ミュージックビデオというよりも、ダンスパフォーマンスビデオみたいになっちゃいましたけど(笑)。
――すごくクールな仕上がりでした!
ミュージックビデオの注目ポイントは?
今までダンスブレイク、ダンスパフォーマンスをソロでここまで入れたことはなかったんです。ニコルのソロとして始めて入れたので、ぜひダンスパートに注目してもらえたら嬉しいです。この曲にはサックスのソロパートがあるのですが、それはライブでレコーディングしたものなんです。それに合わせたダンスブレイクになっています。あと、サビ前に弓を放つような振り付けがあるんですけど、あなたのハートを射抜く、そういう意味が込められているので、お気に入りポイントです。
――歌はスムーズに録り終えたとのことでしたが、難しかったなと感じたところはありましたか。
ありました。ダンスナンバーということもあり、歌のリズムが難しくて。歌うスピードが速かったので、レコーディングをしている時はどこか余裕がない感じでした。私はビートを無視して歌うとか歩くことができない時があります。例えばモデルウォーキングとかする時はバックで流れている音楽のビートを無視してウォーキングすると思うんですけど、私はBPMに合わせてしまうんです。
「Selfish」はBPMが速いなかで、余裕を感じながら歌うのが理想なんです。私はビートに合わせてしまうクセがあったので、それを意識せず歌うのが難しいなと感じていました。それを先生から指摘されるまで、自分では気づかなくて、無意識にやっていたみたいなんです。
生活のパターンが昔とは変わった
――これからニコルさんが追求していきたいことってありますか。
やってみたいジャンルは色々あります。それをいずれ皆さんに見せたいと思っていて、多彩な私を届けるためにもっとパフォーマンスを追求していきたいと思っています。
――KARAで見せる自分とソロの自分は別々という意識もありますか。
別々と言うよりはKARAの時は、グループの中で私が担当する役割があると思っていて、それはメンバーそれぞれにあります。でも、ソロの時には、その役割がないので自分がやりたいことに挑戦できるという違いがあります。
――ソロで挑戦してみたいことって、今どんなものがありますか。
ダンスのイメージがすごく強いんですけど、例えば、アコースティックとか、ミディアムテンポの曲で表現する私を皆さんに見せたいです。
――約3年半前にお話を聞いた時も「アコースティックで歌えるシンガーになりたい」とおっしゃっていたので、それは今も継続しているんですね。ちなみに今よく聴いている音楽ってあるんですか。
う〜ん、たくさんあって選べないなあ。
――アコースティックだとバラード系とか?
バラード系、悲しい曲はあまり聴かなくて、どちらかというと気持ちがアップするような音楽を最近はよく聴いています。涙がでるような曲とか、私にはあなたしかない、というような曲は普段は聴かないです。たまにそういう曲を聴きたい時もあるんですけど。
――さて、スタイルもさらに洗練されていて本当に素晴らしいです。最近はどうやってスタイルを作りあげてますか。
今は特別なダイエットとかハードなことはしてないんですけど、運動をしながら食事を気をつけています。昔はケーキを全部食べてしまうこともありましたけど、今はちょっとだけ食べても満足できるようになりました。来日してチョコレートも買いましたけど、それもちょっとずつ食べています。食事も1日で2回ぐらいで、生活のパターンが昔とは変わりました。
――昔、ピザとかすごい食べられてましたよね?
ちょっと前までは食べてなかったんですけど、実は活動が忙しくなってきて、ピザは今年からまた食べるようになりました(笑)。
――最後に日本のファンのみなさんにメッセージをお願いします。
久しぶりにソロとして新曲をリリースしました。「Selfish」には大人の女性になった私も入ってると思いますし、成長した姿を皆さんに見てもらえると思います。ここに辿り着くまでにすごく頑張って準備したので、「Selfish」いっぱい聴いてくださいね。(おわり)