『王様戦隊キングオージャー』(テレビ朝日系 毎週日曜 午前9時30分〜10時)の脚本を務める高野水登が、劇中に登場するキャラクター「もっふん」に込めた思いと誕生秘話を告白。さらに、大森敬仁プロデューサー(東映)からも今後の展開についてコメントが到着した。

『王様戦隊キングオージャー』(c)テレビ朝日・東映AG・東映

 

6月4日(日)に放送された『王様戦隊キングオージャー』第14話では、ヒメノ・ラン(村上愛花)の過去とジェラミー・ブラシエリ(池田匡志)の関係が明らかに。そして、若き王たちが背負う15年前の大災厄「神の怒り」の影響も。ジャラミーは関与の疑いをかけられ、ヒメノの恨みを買う。

 

そんな中、ジェラミーがリタ・カニスカ(平川結月)に語ったのは、ヒメノが女王を務めるイシャバーナの人気アニメ『もっふんといっしょ』の誕生秘話。そこには、イシャバーナ国民が幼き女王に捧げた思いが込められていた。

 

そんな感動エピソードの象徴であり、リタも溺愛するキャラクター「もっふん」。見た目は長く真っ白な毛に覆われた巨漢で、ゆるい表情を浮かべる、とても独特なキャラクターだ。さらに、劇中で公開されたアニメ『もっふんといっしょ』の主題歌は、「歌詞が不気味」とファンを騒がせている。

 

このたび、いまだ多くの謎に包まれている「もっふん」について、脚本・高野水登がその誕生秘話と込めた思いをコメント。また、本作に劇中アニメキャラを登場させたその背景と今後の展開について、大森敬仁プロデューサーにも話を聞いた。

 

脚本・高野水登 コメント

◆「もっふん」を登場させるきっかけは?

リタは絶対中立を守るため、誰にも本音を言えないキャラクターです。しかし、その本音を全てモノローグ(心の声)にしては、役者さんが現場で演技をする余地がなくなってしまうのがもったいないと思い、ぬいぐるみに話しかけているという設定を考えました。つまり、極めてロジカルに、必然性を持って生み出された設定です。そして、幸か不幸か私が常日頃から縫いぐるみを愛し、縫いぐるみに話しかけていることは、全くもって偶然だったのです。

 

◆「もっふん」のデザイン誕生秘話について

「もっふんのイメージ、なにかありますか?」と聞かれ、私がその場でiPadで数分で描いたデザインが、ほぼそのまま採用されています。これは、“適当に描いた”という意味ではなく“誰にも頼まれていないのに頭に強固に作り上げていたイメージはあったものの、脚本家が口を出すのはおこがましいと思って黙っていたので、待ってましたとばかりに描いた”が正しいです。これほどまでもっふんに強いこだわりを抱いている自分に戸惑いました。
それからアニメ化のお話を頂いてからは止まりませんでした。「なんとなく内容を考えておいてください」くらいのことを言われて最初に着手したのがテーマ曲です。音楽作りを普段から趣味にしているわけでもなく、楽器も全く弾けないので、iPhoneのボイスメモに自ら歌って録音してプロデューサーに送りました。そのプロデューサーからは「疲れてるなら言ってください」と返事が来ましたが、私は至ってまともでした。
アニメの内容に関しても、ほんの数分のアニメではあるものの、一切手を抜くことはできませんでした。ぬいぐるみ、マスコットを愛する私個人の想いを抜きにしても、中途半端なものを作っては、それが大好きなリタ様は何なの? と疑問が生まれてしまうし、何よりもっふんを生み出した美の国イシャバーナは手抜きを知らない。もっふんに対し、真剣に向き合う以外の選択肢はなかったのです。
こうしてもっふんは、数多のプロフェッショナルのお力で、もっふん関係のあらゆるものがどこに出しても恥ずかしくない素晴らしいものになりました。スタッフ、キャストの皆様には感謝してもしきれません。
東映特撮ファンクラブにて配信する『もっふんといっしょ』は、短い作品ではありますが、愛と情熱とさまざまな仕掛けを盛り込んだ楽しい作品になったと信じています。どうかキングオージャーといっしょに楽しんでいただければ幸いです。
また、もっふんを気に入ってくださったら、ぜひプレミアムバンダイでもっふんマスコットチャームを買っていただきたいです。私も全サイズ2個ずつ買いました。そして、もっふんの輪を広げ、声を上げ、リタ様ご愛用の巨大もっふんを商品化してもらいましょう。
もっふんだいすき!!!

 

東映・大森敬仁プロデューサー コメント

◆最初にもっふんのデザインを見たとき、監督、スタッフはどんな反応でしたか?

最初にデザインを見たのは、他でもない脚本家・高野水登のラフデザインでした。高野さんだからこそ描けた癒やし系キャラ。正直なことを言うと、監督をはじめスタッフ一同は、5か国のアセットや世界観を構築するので必死で、もっふんにはあまり気を遣えていませんでした。もっふん、ごめんなさい。
そんな中、高野さん自作のラフデザイン、自作の歌、自作のシリーズ展開という妄想の数々が裏側で進行し、蓋を開けたときには後戻りできない状態に…(笑)。我々は、その見事なまでに構築された世界観をただただ受け入れただけに過ぎません。頭からつま先まで、高野水登カラーが詰め込まれたもっふんにご期待ください。

 

◆アニメ配信、テーマ曲発売、キャラクターグッズ販売の狙いは?

劇中でリタが『もっふんといっしょ』というアニメが大好きという設定が生まれたため、必ずアニメーションが必要になるだろうと、撮影前の段階から、実績のあった東映特撮ファンクラブに協力していただき、アニメの企画を進めました。もっふんの声を大塚芳忠さんに引き受けていただいた時に「はまった」と思いました。同時にアニメのためにテーマ曲も必要になりましたが、それも含めて既に高野さんのシリーズの格子があったので、アニメ番組の組み立ては容易でした。
撮影に入り、リタの部屋の様子について監督が考え始めたとき、キャラクターグッズが必要になりました。『キングオージャー』という作品の中のリタというキャラクターを表現するために必要不可欠な要素だったと思います。ここまで愛されたのは狙いというより、うれしい誤算です。

『王様戦隊キングオージャー』(c)テレビ朝日・東映AG・東映

 

番組情報

『王様戦隊キングオージャー』
テレビ朝日系
毎週日曜 午前9時30分〜10時

公式HP:https://www.tv-asahi.co.jp/king-ohger/

【見逃し配信プラットフォーム】
配信期間:各話放送終了後1週間
TVer:https://tver.jp/series/sr17j7kjb5
ABEMA:https://abema.tv/video/title/87-1652

【全話見るなら】
TELASA: https://www.telasa.jp/series/13332
東映特撮ファンクラブ: https://tokusatsu-fc.jp/