午後:債券サマリー 先物は続伸、中国景気懸念も日銀緩和修正の思惑が上値圧迫
31日の債券市場で、先物中心限月6月限は続伸した。月末となり機関投資家による年限長期化に向けた買い需要が拡大した。中国景気の先行き警戒感が強まったことも、安全資産と位置付けられる国債への買いを誘った。半面、日銀の金融緩和策が修正に向かうとの思惑もあり、先物は伸び悩んだ。
前日の米長期債相場が上昇(金利は低下)したほか、国内では超長期債を中心とする債券需給への前向きな見方が強く、朝方は先物に上昇圧力が掛かった。取引時間中に中国国家統計局が発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.8と、前月(49.2)から低下した。好不況の境目となる50に届かず、市場予想を下回ったとあって、投資家のリスク許容度が低下し、円債相場の支えとなった。
日銀の植田和男総裁はこの日、日銀・金融研究所が主催する「国際コンファランス」の開会にあたり英語であいさつした。日銀が公開した日本語訳によると、植田総裁は、これまでの「low for long(長期的な低金利環境)」に関し、「すでにlow for longとは異なる新しい常態(New Normal)に移行しているという可能性も一概に否定することは難しいように思う」と発言した。これを受け、市場では日銀の異次元緩和策がいずれ修正に向かうとの思惑が出て、債券先物の上値を抑える要因となった。
先物6月限は前日比6銭高の148円60銭で取引を終えた。現物債市場で新発10年債利回りは前日と横ばいの0.430%で推移。一時0.415%に低下する場面があった。
出所:MINKABU PRESS
前日の米長期債相場が上昇(金利は低下)したほか、国内では超長期債を中心とする債券需給への前向きな見方が強く、朝方は先物に上昇圧力が掛かった。取引時間中に中国国家統計局が発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.8と、前月(49.2)から低下した。好不況の境目となる50に届かず、市場予想を下回ったとあって、投資家のリスク許容度が低下し、円債相場の支えとなった。
日銀の植田和男総裁はこの日、日銀・金融研究所が主催する「国際コンファランス」の開会にあたり英語であいさつした。日銀が公開した日本語訳によると、植田総裁は、これまでの「low for long(長期的な低金利環境)」に関し、「すでにlow for longとは異なる新しい常態(New Normal)に移行しているという可能性も一概に否定することは難しいように思う」と発言した。これを受け、市場では日銀の異次元緩和策がいずれ修正に向かうとの思惑が出て、債券先物の上値を抑える要因となった。
先物6月限は前日比6銭高の148円60銭で取引を終えた。現物債市場で新発10年債利回りは前日と横ばいの0.430%で推移。一時0.415%に低下する場面があった。
出所:MINKABU PRESS