26日午前の債券市場で、先物中心限月6月限は続落した。FRBによる利上げが継続するとの見方が広がり、前日の米国市場で長期債相場が下落(金利は上昇)したことが重荷となった。

 米国の長期金利の指標となる10年債利回りは一時3.8%台に上昇し、2カ月半ぶりの高水準をつけた。米国の週間新規失業保険申請件数が市場予想を下回るなど、米経済の底堅さを示す経済指標の発表が利上げ観測を強める方向に作用し、円債市場でも先物への売りを促した。

 先物は、朝安後は安値圏でもみあった。円債市場の取引開始前には、日銀の植田和男総裁に対する報道各社による共同インタビューの内容が伝わった。長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)に関しては、効果と副作用をにらみ、そのバランスに変化があればYCCの修正はあり得る、などと発言。一方、物価目標を巡り、持続的・安定的な2%の達成には届いていないとの認識を示したほか、拙速な金融引き締めがもたらすマイナスの影響についても言及した。YCC修正を見込み、債券の下値を探る姿勢は現時点では限定的となっている。

 先物6月限は前日比18銭安の148円29銭で午前の取引を終えた。現物債市場で、新発10年債利回りは同0.015%高い0.440%で推移している。一時0.455%をつける場面があった。


出所:MINKABU PRESS