息を吹き返した川崎フロンターレ。引いた相手を崩す攻撃の練度を見せ、逆転優勝なるか
Question
プレッシャーを受けた脇坂泰斗は、どのようにしてチャンスを作ったか？
台風の影響で延期となっていたＪリーグ第25節、川崎フロンターレ対京都サンガF.C.が行なわれ、ホームの川崎が３−１で勝利。川崎は勝ち点を60まで伸ばし、首位横浜Ｆ・マリノスとの勝ち点差を２まで縮めた。
試合開始早々の９分に、CKの流れから谷口彰悟のヘディングで川崎が先制点を決める。すると22分にも再びCKから橘田健人が決めてリードを２点差に広げた。
２点ビハインドの京都は後半頭から２人を交代し、よりアグレッシブにプレッシャーをかけに行く。しかし、それを巧みにいなした川崎は、後半16分にマルシーニョが３点目を決め、試合を決定づけた。
京都は25分に１点を返すも、３−１で川崎の快勝となった。
今回は、川崎の３点目をピックアップする。
クリアボールを拾った脇坂に京都がプレッシャーをかける。川崎はこのあとどう崩したか
後半16分、京都のクリアボールを脇坂泰斗が拾い、そこへ京都の豊川雄太がプレッシャーをかけにいった。
次の瞬間、脇坂はどのようにしてチャンスを作り出したか、というのがQuestionである。
Answer
家長とのワンツーで相手をかわし、ファーのマルシーニョへクロスを入れた
脇坂がボールを持った時点で前には大きなスペースがあり、彼のクオリティからすれば、家長とのワンツーで豊川のプレッシャーを剥がすのは容易だったはずである。今回は、なぜこのシチュエーションが生まれたのかに注目したい。
脇坂は右外の家長とワンツーを決めて相手をかわし、ファーサイドへクロス。マルシーニョがゴール
京都は後半、４−３−３から３−５−２へシステム変更をした。これによって、確かに京都がカウンターからチャンスを作り、押し込む場面もあった。
しかし、逆に川崎にサイドで起点を作られ、サイドバックや２列目が次々と追い越していく攻撃に押し込まれる場面も多く、かなりリスキーな布陣でもあった。
実際、この場面では少し前のシーンで、家長がキープして山根視来や脇坂が追い越していく攻撃に押し込まれた。そして中央の麻田将吾や井上黎生人がサイドへ釣り出されるのを見て、中盤の武田将平がたまらずDFラインにカバーに入った。
川崎の前線が４人いたのに対し、京都は一時的にうしろが６人になったことで、中盤の人数が２人になっていた。そして図のシーンである。
豊川が戻ってプレスに行くが、２人になった中盤の脇には大きなスペースがあり、脇坂に簡単に攻略された。最後は脇坂のクロスと、マルシーニョの裏を取る動きの質で勝負あり。
川崎はこれで２節残して首位との勝ち点差が２。他力にはなるものの何が起こるかわからないポジションまできた。ルヴァンカップ、天皇杯の決勝を挟み、次節まで２週間以上空く。
休養十分のラスト２試合でどんなドラマが待っているのか、注目である。
