からあげマニアが推す旨いデリバリーからあげは? | 食楽web

 空前の、とも言うべきからあげブームが続いています。とくにコロナ禍によってデリバリーをメインとする専門店も増え、外出自粛などの影響もあって人気はうなぎのぼり。

 ひと頃に比べて新型コロナの感染拡大は落ち着きを見せ始めているとはいえ、まだまだ油断できない状況。しばらくは外食でからあげを楽しむのは控えて自宅で食べる、という人も多いと思います。とはいえ「本当はからあげだって、お店で揚げたてを食べたい!」という人も多いことでしょう。

 そこで今回は、日本唐揚協会認定カラアゲニストで、生まれも育ちも“からあげの聖地”大分県中津市というライター・松本壮平氏が、自宅から注文できて、絶対ウマいデリバリー専門のからあげをピックアップ。いま、企業努力で冷めても美味しいからあげを開発し、それをデリバリーしてくれる店が増えているそう。どんなからあげ店なのか、さっそく紹介していきましょう。

30分経っても超絶美味! ニンニクパワー炸裂のからあげ|東京からあげ専門店 あげたて

醤油からあげ・7個(1080円・配送料別)。フタを開けるといい香りが一気に立ち込めます

 2019年10月、東京・高田馬場に1号店がオープンした『東京からあげ専門店 あげたて』では、醤油ベースのからあげを5個、7個、10個から選んでオーダーできます。届くのはかわいらしいニワトリのキャラクターが描かれたパッケージで、保温性の高さを重視したもの。中に蒸気がたまって食感が損なわれないよう通気口まであります。

 からあげは、1個40gほどの大ぶりサイズ。箸でつまむと肉にめり込んでいくようなやわらかさ。まるでマシュマロでもつまんでいるかのようなフワフワ感が箸から腕に伝わってきます。

肉汁もじんわり。この肉汁にニンニクエキスが詰まっている

「シャリッ!」とした歯ざわりの衣を突破して肉をひと噛みすると、ニンニクの風味がガツンと攻めてきます。大ぶりのからあげなので、1個食べ終えた時点でかなりのニンニクパワーが注入されたような気になってしまいます。

7種類のソース。南蛮酢、タルタル、ネギ塩、明太マヨ、梅しそ、おろしポン酢、油淋鶏

 王道の和風からあげですが、フワフワした軽やかな食感です。衣と肉が一体化するまでにさほど時間がかからず、衣×肉×肉汁×旨みが絶妙のバランスで混じり合い、噛めば噛むほど満足感が高まります。ちなみに、ソースも7種類用意されており、好きな味で楽しむことができますよ。

●SHOP INFO

店名:東京からあげ専門店 あげたて

URL:https://karaage-agetate.jp/

鶏ムネ肉の概念が変わる! こだわり抜いた絶品からあげに熱狂必至|人は唐揚げに熱狂する。

左が「もも唐揚げ」150円、右が「むね唐揚げ」100円(通常はパックなどで提供)

 テイクアウトとデリバリーが専門の『人は唐揚げに熱狂する。』。第12回からあげグランプリでNew Wave賞と、醤油ベースのモモ肉からあげで東日本しょうゆダレ部門・金賞を受賞したお店。オーナーが全国のからあげを食べ歩き、とくに中津・宇佐の名店に注目し、研究を重ねて今の味にたどり着いたそうです。

 こちらの「むね唐揚げ」は塩ダレで味付けしています。しょうゆベースのモモ肉と違って見ためが白っぽいのが特徴。片栗粉のみの衣はサックリと軽やかで、見事なまでの“薄衣”に仕上がっています。

塩ダレベースの「むね唐揚げ」は見た目が白く美しい!

 ムネ肉とは思えないほどのしっとりやわらかい肉質で、塩味が絶妙! 淡路の藻塩など、数種類の塩をブレンドしています。藻塩は海藻の旨みが凝縮されているため、塩の味に奥行きがあり、それが肉の味に深みと豊かさを与えています。

 また、金賞受賞の「もも唐揚げ」は秘伝の醤油ダレに漬け込み、隠し味に米味噌や一味唐辛子を使用。これも実に深みのある味わいで、醤油の風味が巧みに抑えられ、肉のうま味が前面に出てくる印象です。これでごはんをかきこみたくなります。そして肉汁がスゴい! 肉を割ってみると、湯気とともに肉汁があふれてきて、温泉の源泉のようです。

秘伝の醤油ダレに漬け込み、隠し味に米味噌や一味唐辛子の味と香りが光る「もも唐揚げ

 こちらのお店、さらに美味しくしていくために、味の研究は継続しているとのこと。今後の味の進化にも注目のお店です。

●SHOP INFO

店名:人は唐揚げに熱狂する。

https://hitoha-karaageni-nekkyosuru.com/

個性あふれるカリッとジューシーなデリバリーからあげ|巨匠の食卓

「サバティーノのトリュフの香り」(左)と「守り抜かれた秘伝塩」(右)

 手羽先からあげでおなじみの『鳥良』が2020年に立ち上げた、からあげ専門店『巨匠の食卓』は、デリバリーとテイクアウトをメインに展開しています。初めてなら、一番人気の「守り抜かれた秘伝塩」がオススメ。『鳥良』の手羽先からあげで使用している調味料をベースにした“秘伝塩”で味付けされています。

 ボールのように真ん丸く丁寧に整形されていて、熱がムラなく均等に入っていることが想像できます。そして皮でしっかりとくるんであるのが嬉しい。しっかり揚げると衣と肉に加え、もう一層、皮の食感も加わってさらに美味しさが増すんです。断面には肉汁がじんわり。

 ひと口食べると、想定外に大量の肉汁があふれ出してきました。断面を見たときには、少量の肉汁を想像したのですが、一体この肉汁はどこに隠れていたのかと思ってしまうほどに流れ出てきます。肉の旨みにからむ絶妙な塩味がたまりません。鶏肉本来の味が生きており、それが舌にじわりと広がります。これはお酒にもご飯にも合いそうですね。

鳥良商店に併設された『巨匠の食卓・北千住東口店』[食楽web]

 また「サバティーノのトリュフの香り」というユニークなネーミングのからあげも。こちらは、からあげに黒トリュフのオイルがかけられています。香り高く、ちょっとフレンチっぽい味がして、高級なコンフィを食べているような気分に。トリュフの香りに誘われて1個食べ終えると無意識に次の1個に箸がのびます。

 複数の粉をブレンドしているという衣は、カリッとした食感。デリバリーやテイクアウトを想定し、試行錯誤の末に冷めにくく、ベチャッとしにくい衣を実現しているそうです。結局、合計10個のからあげを完食してしまいました。

●SHOP INFO

店名:巨匠の食卓

住:東京都足立区千住旭町40-28 UPPER EAST SIDE 1・2F
TEL:11:00~20:00(Uber Eats11:00~22:00・出前館11:00~21:00)
営:無休

※写真や情報は取材当時のものです。最新情報とは異なる場合があります

●著者プロフィール

松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。