文章から高クオリティな画像を生成できるAI「DALL・E 2」を使ってTwitterのプロフィールから絵を生成してみるとこんな感じ
AIを研究する非営利団体のOpen AIは現地時間の2022年4月6日、文章から画像を生成するAI「DALL・E」の最新バージョン「DALL・E 2」を発表しました。OpenAIの研究者であるNick Cammarata氏が、そんなDALL・E 2を使って「Twitterのプロフィールに記されている文章から絵を生成してみるとこんな感じ」というデモンストレーションを行っています。
dall-e 2 illustrations of my friends' twitter bios— Nick (@nickcammarata) April 7, 2022
DALL・E 2は自然言語処理と画像生成を組み合わせ、与えられた文章から自動でイラストや写真を生成できるAIです。以下の記事で、「宇宙飛行士」「馬に乗る」「写実的なスタイルで」といった単語からDALL・E 2が生成した画像などを見ることができます。
入力した文字情報から画像を生み出す「DALL・E」の高解像度・低レイテンシ版「DALL・E 2」登場 - GIGAZINE
Cammarata氏はDALL・E 2を使い、「友人のTwitterのプロフィールから生成した絵」をTwitterに投稿しています。たとえば、RomeoStevens(@RomeoStevens76)氏のプロフィールに記載されている「commitments empathetic, psychedelic, philosophical(共感的・サイケデリック・哲学的なものにコミットメントしている)」という文章から生成された絵が以下。サイケデリックや超常的なイメージを喚起する絵となっています。
.@RomeoStevens76 commitments empathetic, psychedelic, philosophical pic.twitter.com/6xRqqSufhw— Nick (@nickcammarata) April 7, 2022
Ava(@noampomsky)氏の「bookbear(本のクマ)」というプロフィールから生成された絵は、シロクマが本を持ったり読んだりしているかわいらしいものに。
.@noampomsky bookbear pic.twitter.com/srTUExWDvj— Nick (@nickcammarata) April 7, 2022
Will Jack(@willwjack)氏のプロフィールに記載されている「happy sisyphus(幸せなシーシュポス)」とは、ギリシア神話に登場する神を欺いた人間・シーシュポスのこと。シーシュポスは神を二度も欺いた罰として、巨大な岩を山頂まで上げるように命じられましたが、山頂まであと少しのところで岩が底まで転がり落ちてしまうため、永遠にこの苦行を繰り返します。DALL・E 2が生成した絵を見ると、神話におけるシーシュポスの罰を踏まえたものとなっていました。
.@willwjack happy sisyphus pic.twitter.com/toNOlR1iWo— Nick (@nickcammarata) April 7, 2022
Andrew Conner(@connerdelights)氏の「solving the metabolic health crisis(メタボリックの健康危機を解決する)」という文章からは、人間の臓器が見えるグロテスクで抽象的な雰囲気の絵が生成され……
.@connerdelights solving the metabolic health crisis pic.twitter.com/EFt4kSl2Ma— Nick (@nickcammarata) April 7, 2022
Andrés Gómez Emilsson(@algekalipso)氏の「views of a Transhuman neo-Buddhist from the future on sociology, artificial intelligence, mathematics, philosophy, neonoir film, and the post-singularity era.(社会学、人工知能、数学、哲学、ネオノワール映画、ポスト・シンギュラリティの時代について、未来から来たトランスヒューマンのネオ・ブッディストの見解を紹介します)」というプロフィールからは、仏像にサイバー感や神秘的な雰囲気が加わった絵が生成されました。
.@algekalipso views of a Transhuman neo-Buddhist from the future on sociology, artificial intelligence, mathematics, philosophy, neonoir film, and the post-singularity era. pic.twitter.com/1Kc4Jk0TLN— Nick (@nickcammarata) April 7, 2022
Cammarata氏のTwitterでは、今回紹介したもの以外にもDALL・E 2が生成した絵が数多く投稿されています。なお、Cammarata氏は今回投稿した絵について、単に文章をDALL・E 2に入力するだけでなく「サイバーパンク」や「油絵」といった特定のスタイルを指定し、面白さや多様性を付け加えたことを明かしています。
Btw transparency for this now-viral thread: I didn’t just paste prompts into dall-e, I played with style (eg. cyberpunk, oil, etc) to keep it interesting and diverse
Best thought of a testing what a somewhat prompt-savvy non-artist + dall-e can make playing for a few min https://t.co/YuFzn0UYpV— Nick (@nickcammarata) April 7, 2022
ソーシャルニュースサイトのHacker Newsでもこの件は大きな話題となっており、ユーザーらが多様な意見を交わしています。
Dall-E 2 illustrations of Twitter bios | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=30961385
あるユーザーは、DALL・E 2の絵は大量の芸術によって訓練されただけのものに過ぎず、「これは人間にとってはゴミだろう」とコメント。これに対し別のユーザーは、「人間だって創造的な出力のほとんどは既存の作品の進化と組み合わせである」と指摘し、DALL・E 2が生成したものには確かに「いい絵」も存在していると主張しています。
また、DALL・E 2が生成する絵は確かに優れてはいないものの、世の中には人間の「ダメなアーティスト」も存在しており、DALL・E 2がそれらの人々に匹敵する存在になり得ることから、単に技術的に印象的であるだけでなく社会的にも重要だと主張するコメントもありました。一部のユーザーは、DALL・E 2が「幸せなシーシュポス」という曖昧な文章からでも、かなり高精度な絵を生成したことに驚きを示していました。