避難する最中にロシア軍の攻撃にあった9歳少女(画像は『The Sun 2022年3月15日付「GUNNED DOWN I lost my arm after Russians shot me and killed my dad. I hope they didn’t mean to hurt me, says nine-year-old girl」』のスクリーンショット)

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ウクライナの首都キエフ近郊のホストメリで先週、一家4人が乗った車がロシア軍の銃撃を受け、車を運転していた父親が死亡、9歳の少女が重傷を負った。少女はこの攻撃で左腕を切断、現地の病院でのインタビューで強く切ない思いを語った。『The Sun』などが伝えている。

ロシア軍の攻撃で重傷を負ったのはホストメリに住んでいたサーシャちゃん(Sasha、9)で、父が運転していた車が攻撃を受けた後、母親や姉妹と一緒に逃げる途中だった。

サーシャちゃんは当時のことを「私は腕を撃たれ、姉妹の後を追って走ったの。するとママが倒れて『ああ、もうこれで終わりだ』と思ったわ。でもママは銃弾から逃れようとして隠れただけだったの」と振り返り、このように続けた。

「その後の私は意識を失い、誰かが地下シェルターに運んでくれて応急処置を受けたわ。そしてタオルにくるまれて病院へと運ばれたの。」

実はサーシャちゃん、最初に避難した地下シェルターで意識が混濁した状態が2日間続いた。母や姉妹と身を隠す中、ロシア兵が地下シェルターの入り口で発砲し「出てこい」と怒鳴り散らしたこともあったそうで、病院への移送は白旗を掲げたボランティアが行った。

こうしてキエフ郊外のセントラル・イルピン病院(Central Irpen Hospital)に運ばれたサーシャちゃんだが、左腕は感染症を起こして壊死し始めており、医師は命を救うために左上腕を切断した。そして手術を終えると、今度はキエフにある個人経営のクリニックへと運ばれた。

ちなみにサーシャちゃんの9歳の誕生日は、ロシア軍がウクライナへの攻撃を開始した前日の2月23日だったそうで、セントラル・イルピン病院では困惑した様子でこのように話したという。

「なぜロシア人が私を撃ったのか分からないの。これがただのアクシデントで、彼らが私を傷つけるつもりなんてなかったことを願っているわ。」

同病院でサーシャちゃんの治療にあたった看護師の女性は、まだ9歳のサーシャちゃんの強さと勇敢さを称えると次のように語った。

「サーシャちゃんは最初に、『私の左手が残っているかどうか、お願いだから正直に言ってくれますか』と聞いてきましたが、私は何と言っていいのか分かりませんでした。」

「何も言わないほうがいいのか、嘘をついたほうがいいのか、それとも真実を話すべきなのか…。苦しみ、耐えることしかできない子供になんと言ってあげたらいいのでしょう…。」

しかし返事に困る女性にサーシャちゃんは「私は健康でいることができますか?」と尋ね、自分の身に起きたことを悟ったように「ピンク色で花柄の義手を付けることはできますか?」と聞いてきたという。

そんな健気なサーシャちゃんのことを女性は「あの子はとても強い子で、『泣くのは弱者だけ』と言って涙を見せません。そして私たちに『私の命を助け、私たちのお世話をしてくれてありがとう』と言うのです」と明かすと、最後にこんな言葉を残した。

「私の心は怒りに満ちています。子供たちに向けて銃を発砲するなんて、誰であろうと赦せることではないのです。」

画像は『The Sun 2022年3月15日付「GUNNED DOWN I lost my arm after Russians shot me and killed my dad. I hope they didn’t mean to hurt me, says nine-year-old girl」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)