新iPad miniが向いているのはどんなユーザー? ビジネスで便利な新機能に注目
アップルが第6世代のiPad miniを発売した。iPadでもっとも小さな筐体に約8.3インチの液晶Liquid Retinaディスプレイを搭載。iPad miniとして初めてオールスクリーンのデザインを採用し、外観の印象を大きく変えた。実機をハンドリングしながら、新しいiPad miniがどんなユーザーにフィットするのか考察してみたい。
最新第6世代のiPad miniが登場!
5Gなど数年後も色あせない最先端仕様
iPad miniのアップデートは2019年春に発売した第5世代モデル以来、約2年半ぶり。Touch IDによる指紋認証に対応するホームボタンをディスプレイ側から本体の側面に移動。電源/スリープモードの操作を兼ねるトップボタンに組み込んだ。アプリからホーム画面に戻る操作はオールスクリーンデザインのiPad Pro/Air、iPhone 13シリーズと同じく画面をスワイプアップする。
第5世代のiPad miniと本体のサイズを変えず、画面は7.9インチから8.3インチにサイズアップ。質量はWi-Fiモデル、Wi-Fi+Cellularモデルともに軽くなった。価格はWi-Fiモデルが5万9800円。カラーバリエーションはパープル/ピンク/スターライト/スペースグレイの4色。ストレージの容量は64GBと256GBから選べる。
美しいアルミニウムの本体。
4色のカラーバリエーションが揃う
本体の色に合わせたSmart Folioカバーも発売される
第5世代のiPad miniからのほかの主なアップデートは以下の通りとなる。
メインチップはiPhone 13 Proシリーズと同じ最新の「A15 Bionic」。第5世代のiPad miniと比べて約80%の高速化を実現した。駆動時に消費する電力のマネージメント性能も向上している。アップルが公開している新旧モデルのスペックではバッテリーの持ち時間が変わっていないように見えるが、モバイルネットワークが4G LTEから5G対応にアップデートしたことも含めて、より負荷のかかるタスクをこなしつつ、1日中使えるバッテリー性能を維持した。
側面にTouch IDを内蔵するトップボタンを配置する
バッテリーの充電、およびデータの転送に使うデジタル接続端子はLightningからUSB-Cに変わった。USB-C接続のハブやストレージ、デジタルカメラやポータブルオーディオデバイスの直結が容易になる。一方で他のiPadの現行モデルが搭載するSmart ConnectorがiPad miniに採用されなかったことが残念だ。バッテリーの給電、ペアリングが容易なアップル純正のSmart Keyboard、Magic Keyboardに相当する専用キーボードが今後発売されることはあるのだろうか。
デジタルスタイラスペンはスリムで取り回しのよい第2世代のApple Pencilに対応した。iPad mini本体の側面に装着しながらApple Pencilを充電することもできる。
第2世代のApple Pencilによる筆記に対応
新しいiPad miniは引き続き、ガラスと液晶との間のギャップをなくしたフルラミネーションディスプレイを採用する。Apple Pencilによる書き心地はとても滑らかだ。コンパクトサイズであるがゆえに高い機動力を活かせるiPad miniは、外出の際にも常時バッグの中に入れておき、小さなスケッチブックやノートに代わるデジタル文具として使い倒せる。
片手である程度長い時間持ちながらApple Pencilを走らせても疲労感が少ないので、筆者も今後イベントや発表会の取材機会が訪れた時にデジタルノートとして使ってみたいと思う。モバイルネットワークに常時接続できるので、ブラウザで調べ物をしながらメモをスムーズに取れる。
iPad miniにはアップル純正のキーボードが発表されていない。だからこそApple Pencilの役割が重要になってくる。Apple Pencilで書いた手書きの文字をデジタルタイピングにすばやく変換してくれる「スクリブル」の機能は、iPadOS 15からついに日本語に対応した。Web検索、またはNetflixやApple Musicで視聴したいコンテンツの検索などにも使えるのでおすすめだ。
日本語の認識にも対応した「スクリブル」
サードパーティのBluetoothキーボードを組み合わせるのであれば、iPad miniのすぐれたポータビリティを損なわないよう、軽くてバッグの中でスペースを取らないキーボードをできれば見つけたい。
新しいiPad miniはどんなユーザーにフィットするのだろうか。やはりApple Pencilによる手書き入力と非常に相性がよいデバイスだと思うので、イラストやデザインなどクリエイティブワークを力強く支えてくれると思う。
移動が多いビジネスパーソンには、ブラウザやマップ、電子書籍アプリを起動中、画面の右下を斜めにスワイプアップするとApple Pencilですばやく手書きのメモが取れるiPadOS 15の新機能「クイックメモ」が便利なので、こちらも「スクリブル」機能とともに活用したい。
仕事机などワークスペースにiPad miniを置くための小さなスペースの余裕があれば、iPad miniをビデオ会議用のサブディスプレイとして使ってみてほしい。視認性の高いディスプレイだけでなく、高性能なマイクとスピーカーを内蔵するiPad miniをビデオ会議のメインとしつつ、ノートPCではメモを取ったりメールをさばいたり他の作業に集中できる。
新しいiPad miniに搭載されている1080p HDビデオ撮影に対応するフロントカメラは画質が12MPに向上した。被写体をワイドに写せる超広角カメラとしたうえ、カメラの前にいる人物が常時映像フレーム内に収まるようにトラッキングを続ける「センターフレーム」機能を搭載する。画面から目を離している最中に動き回ってしまい、気が付いたら自分の姿がフレームアウトしていたということもなくなるだろう。同機能はアップル純正のFaceTimeだけでなく、ZoomやMicrosoft Teams、Skypeなど主要なビデオ通話アプリも対応する。
iPad miniは本体を横向きに構えたときに、左右にスピーカーの開口部が向くステレオスピーカーを内蔵している。iPad miniをデスクサイドに置いて音楽やインターネットラジオを聴いたり、仕事の合間に動画鑑賞を楽しむためのデバイスとしても最適だ。アップルによる立体音楽体験「空間オーディオ」のサウンドもiPad miniの内蔵スピーカーで再生できる。8.3インチのディスプレイの限界を超えて広がるような没入感豊かな映像とサウンドが体験できた。iPad miniの映像・音の迫力、そしてサイズ感はモバイルゲームプレーヤーとしても理想的だと思う。
最新チップを搭載するiPad miniは、数年後にもきっと周囲のデバイスに負けず快適に使えるだろう。セルラー対応モデルが5G通信にいち早く対応したことの背景にも、iPad miniを購入したユーザーが長く最良の環境で活用できるようにというアップルの思いが垣間見える。今後の購入を検討されるのであればCellular+Wi-Fiモデルも積極的に視野に入れたい。(フリーライター・山本敦)
●オールスクリーンのデザインで外観を一新
5Gなど数年後も色あせない最先端仕様
iPad miniのアップデートは2019年春に発売した第5世代モデル以来、約2年半ぶり。Touch IDによる指紋認証に対応するホームボタンをディスプレイ側から本体の側面に移動。電源/スリープモードの操作を兼ねるトップボタンに組み込んだ。アプリからホーム画面に戻る操作はオールスクリーンデザインのiPad Pro/Air、iPhone 13シリーズと同じく画面をスワイプアップする。
第5世代のiPad miniと本体のサイズを変えず、画面は7.9インチから8.3インチにサイズアップ。質量はWi-Fiモデル、Wi-Fi+Cellularモデルともに軽くなった。価格はWi-Fiモデルが5万9800円。カラーバリエーションはパープル/ピンク/スターライト/スペースグレイの4色。ストレージの容量は64GBと256GBから選べる。
美しいアルミニウムの本体。
4色のカラーバリエーションが揃う
本体の色に合わせたSmart Folioカバーも発売される
●iPhone 13 Proと同じ最新「A15 Bionic」チップを搭載
第5世代のiPad miniからのほかの主なアップデートは以下の通りとなる。
メインチップはiPhone 13 Proシリーズと同じ最新の「A15 Bionic」。第5世代のiPad miniと比べて約80%の高速化を実現した。駆動時に消費する電力のマネージメント性能も向上している。アップルが公開している新旧モデルのスペックではバッテリーの持ち時間が変わっていないように見えるが、モバイルネットワークが4G LTEから5G対応にアップデートしたことも含めて、より負荷のかかるタスクをこなしつつ、1日中使えるバッテリー性能を維持した。
側面にTouch IDを内蔵するトップボタンを配置する
バッテリーの充電、およびデータの転送に使うデジタル接続端子はLightningからUSB-Cに変わった。USB-C接続のハブやストレージ、デジタルカメラやポータブルオーディオデバイスの直結が容易になる。一方で他のiPadの現行モデルが搭載するSmart ConnectorがiPad miniに採用されなかったことが残念だ。バッテリーの給電、ペアリングが容易なアップル純正のSmart Keyboard、Magic Keyboardに相当する専用キーボードが今後発売されることはあるのだろうか。
●第2世代のApple Pencilによる書き心地もスムーズ
デジタルスタイラスペンはスリムで取り回しのよい第2世代のApple Pencilに対応した。iPad mini本体の側面に装着しながらApple Pencilを充電することもできる。
第2世代のApple Pencilによる筆記に対応
新しいiPad miniは引き続き、ガラスと液晶との間のギャップをなくしたフルラミネーションディスプレイを採用する。Apple Pencilによる書き心地はとても滑らかだ。コンパクトサイズであるがゆえに高い機動力を活かせるiPad miniは、外出の際にも常時バッグの中に入れておき、小さなスケッチブックやノートに代わるデジタル文具として使い倒せる。
片手である程度長い時間持ちながらApple Pencilを走らせても疲労感が少ないので、筆者も今後イベントや発表会の取材機会が訪れた時にデジタルノートとして使ってみたいと思う。モバイルネットワークに常時接続できるので、ブラウザで調べ物をしながらメモをスムーズに取れる。
●Web検索の文字入力などには日本語対応の「スクリブル」が便利
iPad miniにはアップル純正のキーボードが発表されていない。だからこそApple Pencilの役割が重要になってくる。Apple Pencilで書いた手書きの文字をデジタルタイピングにすばやく変換してくれる「スクリブル」の機能は、iPadOS 15からついに日本語に対応した。Web検索、またはNetflixやApple Musicで視聴したいコンテンツの検索などにも使えるのでおすすめだ。
日本語の認識にも対応した「スクリブル」
サードパーティのBluetoothキーボードを組み合わせるのであれば、iPad miniのすぐれたポータビリティを損なわないよう、軽くてバッグの中でスペースを取らないキーボードをできれば見つけたい。
●ビデオ通話のサブディスプレイとしても使い勝手がよい
新しいiPad miniはどんなユーザーにフィットするのだろうか。やはりApple Pencilによる手書き入力と非常に相性がよいデバイスだと思うので、イラストやデザインなどクリエイティブワークを力強く支えてくれると思う。
移動が多いビジネスパーソンには、ブラウザやマップ、電子書籍アプリを起動中、画面の右下を斜めにスワイプアップするとApple Pencilですばやく手書きのメモが取れるiPadOS 15の新機能「クイックメモ」が便利なので、こちらも「スクリブル」機能とともに活用したい。
仕事机などワークスペースにiPad miniを置くための小さなスペースの余裕があれば、iPad miniをビデオ会議用のサブディスプレイとして使ってみてほしい。視認性の高いディスプレイだけでなく、高性能なマイクとスピーカーを内蔵するiPad miniをビデオ会議のメインとしつつ、ノートPCではメモを取ったりメールをさばいたり他の作業に集中できる。
新しいiPad miniに搭載されている1080p HDビデオ撮影に対応するフロントカメラは画質が12MPに向上した。被写体をワイドに写せる超広角カメラとしたうえ、カメラの前にいる人物が常時映像フレーム内に収まるようにトラッキングを続ける「センターフレーム」機能を搭載する。画面から目を離している最中に動き回ってしまい、気が付いたら自分の姿がフレームアウトしていたということもなくなるだろう。同機能はアップル純正のFaceTimeだけでなく、ZoomやMicrosoft Teams、Skypeなど主要なビデオ通話アプリも対応する。
●魅力が衰えそうにない最先端仕様 5G対応セルラーモデルが魅力的
iPad miniは本体を横向きに構えたときに、左右にスピーカーの開口部が向くステレオスピーカーを内蔵している。iPad miniをデスクサイドに置いて音楽やインターネットラジオを聴いたり、仕事の合間に動画鑑賞を楽しむためのデバイスとしても最適だ。アップルによる立体音楽体験「空間オーディオ」のサウンドもiPad miniの内蔵スピーカーで再生できる。8.3インチのディスプレイの限界を超えて広がるような没入感豊かな映像とサウンドが体験できた。iPad miniの映像・音の迫力、そしてサイズ感はモバイルゲームプレーヤーとしても理想的だと思う。
最新チップを搭載するiPad miniは、数年後にもきっと周囲のデバイスに負けず快適に使えるだろう。セルラー対応モデルが5G通信にいち早く対応したことの背景にも、iPad miniを購入したユーザーが長く最良の環境で活用できるようにというアップルの思いが垣間見える。今後の購入を検討されるのであればCellular+Wi-Fiモデルも積極的に視野に入れたい。(フリーライター・山本敦)