植松良枝さんの「焼きかぼちゃと甘長ししとうのアンチョビマリネ」【旬を味わう華やかデリおかず #2】
植松良枝さんおすすめ!6月の食卓が華やぐバスク風おかず
バスクへの渡航機会はなんと10回以上!バスクに精通する料理家・植松良枝さん曰く、バスク料理はピンチョスをはじめ華やかな料理が多いのだそう。
「バスク料理はオリーブオイルやお酢などご家庭にある調味料で作れて、再現性が高いのもポイント。気軽にチャレンジしやすい料理なのでぜひ試してみてください」と植松さん。まさにバスク料理はmacaroniの今月のテーマである『雨の日はおうちレストラン』にぴったりなジャンルといえそうですね。
連載第2弾のメニューは「焼きかぼちゃと甘長ししとうのアンチョビマリネ」。夏野菜のかぼちゃと甘長ししとうを使ったレシピで、食材の鮮やかさから一気にテーブルが明るく華やぎそうです。しかも、食材をマリネ液と混ぜ合わせるだけという手軽さもポイントのひとつ。まさにもうひと皿ほしいときの救世主になってくれそうなメニューです。
「マリネは作ってすぐよりも時間を置いてなじませたほうが味わいに深みと一体感が生まれ、おいしくなりますよ」と植松さん。おおよそ3~4日程度は日持ちするそうなので、作り置きにもぴったりです。
香ばしさが決め手!焼きかぼちゃと甘長ししとうのアンチョビマリネ
「バスク料理の特徴は、シンプルな味付けにあります。今回のレシピでも使う調味料はオリーブオイルと白ワインビネガー、塩だけ。ハーブもイタリアンパセリのみなので、手に入りやすい食材で気軽に作れると思います。
そしてバスク風に仕上げるコツはアンチョビです。新鮮な魚が獲れるバスクでは、アンチョビも漁港で加工されているほど、定番食材のひとつ。シンプルな調味料と合わせるだけですが、アンチョビが入ることで一気に本格的なバスク料理に変身しますよ。
旬の食材としてはかぼちゃと甘長ししとうをチョイスしました。かぼちゃは甘みが強くお酒に合わなそうなイメージがありますが、じつは白ワインと相性抜群の食材!かぼちゃの甘味と甘長ししとうの風味を活かして、おかずとしてもおつまみとしても楽しめるひと皿になっています。
かぼちゃはなかなか料理のバリエーションが少ないという声も聞きますので、新しいレシピを探している人も注目してみてくださいね」
材料(4人分)
・かぼちゃ……200g
・甘長ししとう……8本
・アンチョビフィレ……4~5枚
・にんにく(みじん切り)……小1/2片分
・オリーブオイル……大さじ3杯
・白ワインビネガー……大さじ2杯
・イタリアンパセリ(みじん切り)……2~3枝分
・バルサミコ酢(熟成タイプ)……適量
作り方
1. かぼちゃは種を除いたら皮の硬い部分をところどころそぎ切りし、1cm弱の厚さにくし切りする
2. 魚焼きグリルにかぼちゃと甘長ししとうを並べたら、上火に注意しながら香ばしい焼き色がつくまで焼く。かぼちゃは竹串がすっと通るまで8~10分、甘長ししとうは4~5分ほどを目安に焼く
3. アンチョビは1cm幅くらいの長さに細かく刻む。ボウルにアンチョビ、にんにく、オリーブオイルを入れる。アンチョビとにんにくをヘラでしっかり潰してなじませたあとに、白ワインビネガーを加える
4. 焼きあがったかぼちゃと甘長ししとう、イタリアンパセリを3に入れて和える。仕上げにお好みでバルサミコ酢をまわしかける
デリ風に仕上げるポイント
1. 野菜にしっかり焦げ目をつける
「かぼちゃと甘長ししとうは、焦げ目がつくまで火を入れましょう。この香ばしさ自体が味のアクセントになります。魚焼きグリルやスキレットなどを使うと焼き目がしっかりつき、簡単に仕上がるのでおすすめです。
食材の切り方も大ぶりにすると華やかになるので、甘長ししとうも切らずに1本そのままで。焼き目と相まって見た目のごちそう感が増しますよ」
2. 特徴的な食材で味にアクセントをつける
「バスク料理に欠かせないアンチョビが、味の決め手となります。マリネ液を作るときは、このアンチョビの味わいをしっかり引き出すことが大事。アンチョビをヘラなどでくずしながら混ぜるとおいしいエキスがしみ出てくるので、パンチのきいたマリネになるんです。
また、オリーブオイルと白ワインビネガーをよく乳化させるのもおいしさの秘訣。味がまろやかになり、食材に味がなじみやすくなります。目安はオリーブオイルが白く濁る程度までです」
時短が叶う!パパっと作れるおつまみマリネ
取材陣もいただきましたが、かぼちゃの甘さとアンチョビの味わいが絶妙にマッチして満足感たっぷりのひと皿でした。野菜を焼いてマリネ液に混ぜるだけで、あっという間にできあがるのもうれしいところですね。
「かぼちゃもあらかじめカットされているものを買えば、さらに時短が叶いますよ。今回ご紹介した食材以外にも、ズッキーニやパプリカを入れるのもおすすめです」と植松さん。旬ごとに食材を変えれば、また違った味わいが楽しめそうです。
次回6/19(土)は魚介をたっぷり使ったバスク風の「エスカベーシュ」をご紹介します。お楽しみに!
取材・文/大瀧亜友美
撮影/宮本信義