国際宇宙ステーション、ロシアの新モジュール到着の準備を行う最初の船外活動を11月18日に実施
船外活動を行うロシアのセルゲイ・プロコピエフ(Sergey Prokopyev)宇宙飛行士。2018年撮影(Credit: NASA)
NASAは現地時間11月13日、日本時間2020年11月18日に予定されているロシアの宇宙飛行士2名による船外活動の様子を当日22時30分(日本時間)からオンライン配信することを発表しました。
船外活動を行うのは、第64次長期滞在クルーとして日本時間10月14日に国際宇宙ステーションへ到着したセルゲイ・リジコフ(Sergey Ryzhikov)宇宙飛行士とセルゲイ・クド-スべルチコフ(Sergey Kud-Sverchkov)宇宙飛行士で、活動時間は最大6時間が予定されています。
宇宙飛行士が出入りするのに用いるのはロシア区画の小型研究モジュール2「ポイスク」で、2009年11月にサービスモジュール「ズヴェズダ」の上方に結合された同モジュールが船外活動の出入り口として使われるのは今回が初めてとなります。船外へ出た両飛行士はエアロックとして初めて使用されるポイスクの空気漏れをチェックした後に、これまでロシア区画のエアロックとして使われてきたドッキング室1「ピアース」に設置されているアンテナをポイスクに移設する作業を行います。
ロシアは2021年春に多目的実験モジュール「ナウカ」を国際宇宙ステーションに結合する予定で、バイコヌール宇宙基地ではナウカの打ち上げ準備が進められています。ナウカはズヴェズダの下方、国際宇宙ステーションの地球に面した側にドッキングする予定ですが、その位置には現在ピアースが結合されています。11月18日に実施されるのは、ナウカの到着に備えてピアースを分離・廃棄するための一連の船外活動のうち最初のものとなります。
打ち上げ準備が進められているロシアの多目的実験モジュール「ナウカ」(Credit: RKK Energia/ROSCOSMOS)
なお、リジコフ宇宙飛行士とクド-スべルチコフ宇宙飛行士にとっては今回が初の船外活動ですが、NASAによると国際宇宙ステーションの組み立てや保守を目的とした船外活動としては今回が232回目(ロシアに限定しても47回目)、2020年では8回目の船外活動になるとのことです。
2011年にアメリカのスペースシャトルが退役するとともに大規模な構成要素の組み立てを終えて以来、2021年のナウカ結合は国際宇宙ステーションにとって久々の大掛かりなアップグレードとなります。日本時間2020年11月15日にはJAXA(宇宙航空研究開発機構)の野口聡一宇宙飛行士ら4名を乗せたスペースXの新型宇宙船「クルー・ドラゴン」の打ち上げと到着も予定されており、長期滞在開始から20年を迎えた国際宇宙ステーションの新時代を象徴するような出来事が続くことになりそうです。
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Image Credit: NASA
Source: NASA / Roscosmos
文/松村武宏