控えメンバーの元に駆け寄る横浜F・マリノスMF渡辺皓太

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[10.21 J1第33節 横浜FM2-1名古屋 日産ス]

 前節から先発8人を入れ替えて臨んだ一戦、横浜F・マリノスに勝利をもたらしたのはMF渡辺皓太の美しいゴールだった。この日は普段より一列前にあたる中盤逆三角形のインサイドハーフでプレー。東京V時代にも担った本職といえる持ち場で、自慢の攻撃センスが花開いた。

 1-1で迎えた後半35分、左サイドでDF小池龍太がボールを持つと、渡辺は迷わずペナルティボックスに駆け込んだ。「残り時間が少ない中、最近はチームがなかなか勝てていなかったので」。リスク覚悟のフリーランで斜めのパスを呼び込むと、ループ気味の左足ダイレクトシュートでゴール左隅に流し込んだ。

 ボールはやや足下に入ってきていたが、スピードに乗った状態でも精度を失わないテクニックが光った一撃。名手GKランゲラックが一歩も動けないほどの美しい軌道を描いた。渡辺は試合後のオンライン取材で「パスが来る前から打とうと決めていた。想像より上手くいきすぎたけど、イメージどおりのゴールだった」と振り返った。

 3バックを採用し始めた前回対戦の名古屋戦(●1-2)以降は先発の機会が増え、ボランチの一角として存在感を高めてきた渡辺。だが、より個性が生きるのは攻撃的なポジションだ。この日は一列高い位置で起用されたことで「よりゴールを意識したし、そういうプレーができた」と手応えも語った。

 チームは11月にACLを控えており、まだまだ過密日程が続く中、攻撃の中核を担うMFマルコス・ジュニオールの連戦問題は悩みの種。そこで渡辺が結果を出した価値は大きい。今後の戦いを見据えた背番号26は「もっともっとラストパスと最後のシュートの精度を高めたい。あと今日は入って行くところはよかったけど、量と質を増やしていかないといけない」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)