(左から)原田龍二、村西とおる

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 多くの芸能人たちを狙い撃ちしてきた“文春砲”。全裸俳優としてお茶の間をにぎわせる原田龍二も、件の文春砲の餌食になったひとりだ。自らの過ちと向き合い、前に進む原田が「今、いちばん会いたい人」と語った人物こそ“全裸監督”こと村西とおる監督。

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 日本のAV界の礎を築きながら前科7犯、借金50億、アメリカで懲役370年を求刑された過去を持つ最狂の男・村西とおるがついに襲来。全裸監督と全裸俳優、すべてをさらけ出した全裸対談の行方やいかに……。

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「原田くんを『全裸監督』の主役に推薦したかった」

村西 素晴らしい! 色魔! カーセックスの帝王!

原田 監督、最近はおとなしくしてるんですよ(笑)。でも、お会いできて本当に光栄です!

村西 いやあ、原田くんが乗っていた4WD車は、いま中古車市場でプレミアがついているそうだよ。

原田 一体どこ情報なんですか……? でも、値段がついてるなら安心しました。

村西 まさに、原田くんは中古車市場をかき回した男なんだよ! われわれAV業界は、君のような男優が欲しいのよ。パッと見たときに感じるおぞましさ。ハメまくるんじゃないか4WD車に連れ込まれてポイ捨てされちゃうんじゃないかというイメージが頭の中に浮かぶよね。これは原田くんにしかない武器だよ!

原田 さすがに武器にはならないような……。

村西 いやいや、唯一無二のキャラクターだよ! 原田くんの役柄は、もう考えてあるんだよ。AV作品では“寝取られ夫”というジャンルが人気なんだけど、君にはその敵役の寝取る男優を演じてもらいたいね。

 役どころは、亭主の上司や友達、町内会の副会長! 旦那が寝ているスキに、権力で奥さんを抱く。「奥さん、大きな声を出しちゃいけないよ。町内のみなさんが驚いちゃうじゃないか……」なんてセリフを吐きながら、手籠めにする。

原田 なんだか、悪い寅さんみたいですね(笑)。

村西 ストーリーの最後は、主演男優と女優の“おセックス”で大団円を迎えるんだけど、主演男優を輝かせる闇夜の存在が必要なんだ。原田くんには、その役を買って出てほしい!

原田 町内会副会長役、やってみたいですね。監督の作品ならいつでも出ます!

村西 アハハ! 原田くんは、北関東一の“荒馬”だね。私がもっと早く原田くんの魅力に気づいていれば『全裸監督』の主演に推薦したかったよ。私の若いころに似ているもの。

 ただ、山田孝之くんも本当に素晴らしい“役者”ですね。

「あなた、こんな作品に出たら、仕事がなくなるよ?」と言ったら「私は役者ですから、好きな仕事をするだけです。役に準じればいいんです」と答えたんだ。その結果、全世界に配信されて、シーズン2の製作も決定しているからね。どこかに原田くんのポジションがあれば、あの世界に溶け込めると思う。どう?

原田 ご縁があれば、どんな役でも出たいです!

「なんとしてものし上がってやる」という感覚

村西 ここまで一方的に私がしゃべっちゃったけど、原田くんのほうで何か聞きたいことはある?

原田 監督はこれまで、いろいろな逆境を乗り越えてこられたと思うんですけど、やっぱり、エネルギーの源をお聞きしたかったんです。

村西 それは、なんとしても生きなきゃいけない、家族を守らなきゃいけない、という強い意志だね。何より、私は人生に後悔がないんです。前科7犯、借金50億、アメリカで懲役370年を食らって、何千何百万人のみなさまに女房とイタしているところをお見せしてきたけれど、後悔がない。

 後悔がないどころか、同じ人生をもう1度歩む自信がない! なぜならば、とてもラッキーだから。すべてがプラスになっているんですよ。原田くんもそうでしょ?

原田 たしかに、僕も同じ人生は歩めないと思っています。

村西 私は団塊の世代だから、競争上等、生命力にあふれているんです。進駐軍が日本に来たころ「ギブミーチョコレート」と叫んだのに、彼らが投げてきたのはみかんの皮だったけど、その皮を食べて生き延びてきた。

 それからは「なんとしてものし上がってやる」という感覚で、ずっと走りっぱなしですよ。私のエロティシズムとかエンターテイメントは、すべて後づけなんです。生きるのに必死だっただけで、自分自身に根性があるとか、パワフルだとかは考えたことがないですね。

原田 でも、村西監督のように誰でも乗り越えられるとは思えないんです。

村西 そうでもないですよ。世間から見れば「よくこの人生きてるな」と思うかもしれないけれど、それでも生きていける。なかには嘲笑ったり、バカにしている人もいるでしょう。笑われても、生きているだけでたいしたもんだ。それはやっぱり、女房子どもに2度とつらい思いはさせたくない、という思いに尽きるんです。

原田 はい。僕も同感です。

村西 だからこそ、野心家であり続けなきゃならない。外に目を向けて“誰も見たことがないような作品”を作らなきゃならないわけですよ。

 自分自身の内面だけをずーっと見続けていると限界がきて、うつになってしまう。でも、原田くんも私も、気持ちが外に向かっているから、そこにとんでもない出会いがあるんです。

 原田くんは、今までどんな女優さんと出会って関係を持ったの? 500人くらい?

原田 3ケタなんてめっそうもない!

村西 またウソばっかり!

「僕を料理できるのは村西監督しかいない」

村西 とはいえね、原田くんが今日、私と出会ったことは何十億の価値があると思う! せっかくいろいろな「実績」があるんだから、メディアに頼らずに独自の企画をやってほしいなあ。

 いま思いついたのはね、原田くんが素人の女性を4WD車に乗せて、ドライブをしながらいろいろな話をする『4WD散歩〜乗ってもいいかしら〜』なんて番組はどう?

原田 (爆笑)

村西 原田くんが「どこに行きたいの?」と、目的地を聞いて「どこにでもイカせてあげるよ、何度でも」と言って車が発進。女性の悩みを聞いたり「ほっぺにキスして」という要望に応えたり。車内にカメラを設置して、どこか地方のさみしい公園についたら、車の窓が静かに開いて、ティッシュが2〜3枚宙を舞う。これがオチで決まりだよ!

原田 村西監督の作品じゃないですか(笑)。さすがに僕が運転するのはマズいと思いますが、お知恵をありがとうございます!

村西 ゾクゾクするね! 原田くんにしかできないよ、この企画は。見てみたいなあ。視聴者も「こんな調子で口説いてたんだな」と擬似体験ができるからね。マネージャーさんは後ろから車を追わなきゃいけないから大変だけどね。

原田 途中でマネージャーの車をまいたりして(笑)。いや、ダメダメ!

村西 そうそう。ハンドルを握ったら、狼の鋭い目に変わるんだ。すごく見たいね! とにかく原田くんには、自分の実績やフィールドをどんどん生かしてほしいよ。とっても優しくて人柄もよくて、打算とはかけ離れているように見えるのに、コトが終わった後のあの変わりよう! おぞましいね〜。

原田 アハハ! まるで見てきたようですね。今日改めて、僕を料理できるのは村西監督しかいないことがよくわかりました。

村西 ところで、今回の対談のテーマはなんだっけ?

原田 テーマは反省だったんですけど、それどころじゃなかったですね(笑)。

【本日の、反省】対談で監督のエネルギーの源をお聞きしたんですけど、愚問でしたね。実際にお会いしたら、圧倒的なパワーの持ち主でした。バイタリティーという言葉ではチープすぎて表現できない、宇宙的なエネルギーを感じましたね。ただ、すさまじいパワーで苦難を乗り越えてきたようにも見えるけど、裏では涙も流していたかもしれない。痛みを知っている人の優しさがありました。『全裸監督』シーズン2に出られるように、いろいろと準備をしておきます!

《取材・文/大貫未来(清談社)》

はらだ・りゅうじ…1970年、東京都生まれ。第3回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリを受賞後、トレンディードラマから時代劇などさまざまな作品に出演。芸能界きっての温泉通、座敷わらしなどのUMA探索好きとしても知られている。現在、YouTubeチャンネル「原田龍二の湯〜チューブ!」を配信中!
むらにし・とおる…1943年、福島県生まれ。英会話教材、百科事典のトップセールスマンとなり、テレビゲームのリース業により1年半で7億円を得る。'80年、ビニ本に衝撃を受けてアダルト業界に参入し、北大神田書店グループを設立。「ビニ本の帝王」の異名を取る。その後、AV業界に進出し自らが監督・男優を務めさまざまな話題作を製作し「AVの帝王」に。その一方で、7回の逮捕、事業の失敗で50億の借金など、さまざまな苦難を経験する。彼の半生を綴った『全裸監督』がベストセラーとなり、2019年にはネットフリックスで同名ドラマが配信され、世界的大ヒットを記録した。