双十国慶節(建国記念日に相当)関連イベントに合わせライトアップされる総統府=2018年10月5日、台北

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(台北中央社)柯文哲台北市長は18日、総統府を移転すべきとの考えを示した。日本統治時代に「台湾総督府」として建てられた建物を現在も使用していることは歴史観に混乱をきたすと指摘。また中国が攻めてきた場合、市中心部である現在の立地は危険だとし、国防部(国防省)庁舎など軍事施設が集まる市内の別の場所に移すのが良いと話した。

2024年総統選に出馬の意向を示している柯氏。17日に受けた主要紙のインタビューで、自身が当選した場合には総統府を移転させ、現在の庁舎は高級旅館兼博物館として運用すると語った。

18日、市内でのイベント出席後に報道陣からこれについて問われると、韓国では日本統治時代に朝鮮総督府として使用された庁舎がすでに解体されていることに言及。台湾では現在も使われているのは「おかしい」と異議を唱え、軍事施設が集中し、「要塞」とされる大直エリアに移転させるべきだとの見方を示した。

総統府庁舎(旧台湾総督府)は1919(大正8)年竣工。戦後に国民党が台湾に移った後も修復を経て使用が続けられ、1998年には国定古跡に登録された。100周年に当たる今年はさまざまな記念イベントが催された。

(梁珮綺/編集:楊千慧)