やきそば弁当とバゴォーンは何が違う? ご当地カップ焼きそば「二大巨頭」を徹底比較
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界第十四回 「焼そばバゴォーン」と「やきそば弁当」を比較 文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」を紹介する連載の第十四回目。今回は、いずれも東洋水産のカップ焼そばで、東北・信越地区限定の「焼そばバゴォーン」と北海道限定の「やきそば弁当」を比較していきます。
兄弟のようなカップ焼きそば
焼そばバゴォーンは、1979年に発売され、現在は東北・信越地区限定で販売されているカップ焼そばです。関東でのペヤングや関西でのUFOと同じく、東北・信越地区では高いシェアを誇ります。基本のソース味の他に、数種の他のフレーバーも展開されています。
一方のやきそば弁当は、1975年発売の北海道限定商品。北海道ではカップ焼そばの代名詞的な存在で、北海道のソウルフードとして扱われることもしばしば。こちらも多くのフレーバーがあり、「大判」や「でっかい」といったサイズ展開もされています。
どちらも同じ東洋水産のカップ焼そばで、それぞれ地域限定商品、そして焼そばバゴォーンには「わかめスープ」が、やきそば弁当には「中華スープ」が別添されており、まるで兄弟のような商品となっています。
そこで今回は、焼そばバゴォーンとやきそば弁当にどのような違いがあるのか見ていきたいと思います。
内容物の比較
両商品の内容物を比較すると、液体ソース、かやく、ふりかけ、そしてわかめスープ(中華スープ)の構成で、両者ほとんど同じ。ただ、液体ソースの袋はやきそば弁当が少し大きく、かやくの袋はやきそばバゴォーンが大きいです。
焼そばバゴォーンの麺はしょうゆが練り込まれていてやや黒っぽく、やきそば弁当は真っ白。太さにはほぼ違いがないように見えます。
焼そばバゴォーンのわかめスープとやきそば弁当の中華スープを別の容器に開けます。焼そばバゴォーンのわかめスープはわかめがたくさん入っています。
ソースの味は両者似通っている
まずはソースの比較からしていきたいと思います。どちらもフルーツの甘みを効かせた油脂多めの液体ソースで、味は非常に似通っています。実際、ソースの原材料を比較しても、入っている材料は同一で、まさに兄弟商品と言えるでしょう。
ウスターソース主体のペヤングや濃いソースが特徴のUFOに比べると、どちらも角がないやわらかい味が特徴と言えます。ともに別添のスープが付いており、焼そばとスープを一緒に食べることで最適化するように考えられた味なのではないかと思われます。
似通った味のソースですが、両者に違いも見られました。焼そばバゴォーンに比べてやきそば弁当のソースの袋が少し大きく、ソースの中の油が多く入っています。
やきそば弁当は、油の多さによってこってり且つまろやかな味わいなのに対し、焼そばバゴォーンはソースがダイレクトに舌に伝わり、多少強い味に感じられます。両者似通った味の中で、油量が両者の味を分けていました。
麺の違いはほとんど感じられない
どちらの麺も、中細で縮れのついた油揚げ麺です。ペヤングやUFOに比べて細く、コシの弱めなペヤングとがっしりしているUFOの中間程度の食感となっています。ソース焼そばとしては細めなのが特徴と言えるでしょうか。
両者の麺はしょうゆ練り込みの有無に違いがあり、湯戻し前は色味が違っていましたが、ソースと混ぜ合わせると両者の違いはほとんどわからなくなり、味にも大きな違いは見られません。
太さや縮れといった形状もほぼ同じで、麺量もどちらも100グラムで共通。焼そばバゴォーンのソースの味が強く感じられたのは、しょうゆが練り込まれた麺の影響があるのかもしれませんが、どちらもほぼ同じ麺という印象でした。
キャベツと肉の量に大きな違いが!
どちらにも、ダイス状の鶏肉、キャベツ、あおさと紅生姜のふりかけが入っています。それほど違いのなかったソースや麺と違い、両者構成こそ同じでも、具には大きな違いが見られます。
焼そばバゴォーンの具は、大量に入っているキャベツが大きな特徴。やきそば弁当より具の袋が大きかったのはこれが理由です。目算では、やきそば弁当の倍以上は入っているように見えました。かなり大きな違いです。
一方のやきそば弁当は、ダイス状の鶏肉がたくさん入っています。両者共通の肉を使っていると思われますが、焼そばバゴォーンの3個に対し、やきそば弁当には11個も入っていました。これも大きな違いですね。また、ふりかけのあおさの量もやきそば弁当の方が多かったです。
わかめスープと中華スープを比較
焼きそばバゴォーンにはわかめスープ、やきそば弁当には中華スープが入っていて、両商品が支持を集める大きな要因となっています。中華スープが麺を戻したお湯で作るのに対し、わかめスープが戻し湯とは別のお湯で作るという違いがあります。
わかめスープはやわらかい味でわかめがたくさん入っていて、中華スープはキリッと塩気が強めの味になっています。戻し湯で作る中華スープの表面には油揚げ麺から出た油が浮いていて、味にも香ばしさが感じられました。
以前、Jタウンネットで記事になっていた、スープに麺を入れるつけ麺スタイルの食べ方をやってみました。こんなにガッツリ投入してしまうとソースの味が消えてしまうので、ちょっとつけるくらいで食べるのが良いと思います。やきそば弁当の味の強い中華スープの方がこの食べ方にマッチしそうです。
カップ焼そば&スープはもはや北国の食文化?
東北・信越地区限定の焼そばバゴォーンと、北海道限定のやきそば弁当を比較してきましたが、わかめスープと中華スープの違いや、キャベツやダイス肉の量に違いがあったものの、ソースの味や麺の形状など両者は共通点が多く、兄弟どころか双子商品という印象でした。
どちらも最大の特徴はスープが付いていることで、カップ焼そばをスープと一緒に食べるスタイルは、もはや北国の食文化と言っても過言ではありません。
両商品とも地域限定の商品で全国的には手に入れ難いですが、最近はスーパーの地方フェアやデパートの物産展などで取り扱われることが多く、以前よりも目にする機会は多いのではないかと思います。ぜひ皆様も北国の食文化に触れていただければと思います。