ナダルが悔し涙を流した唯一の試合、その相手とは?叔父のトニ氏が語る

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先日「全米オープン」男子シングルス決勝で、第5シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)を下し、優勝したラファエル・ナダル(スペイン)同大会4度目、グランドスラム制覇としては19回目の優勝を成し遂げたナダルは、優勝セレモニーの際に感極まって涙を流した。


そんなナダルは、試合に負けて悔し涙を流したことがあるのだろうか?ナダルの元コーチで、実の叔父であるトニ・ナダルがその疑問に答えた。

「あいつが負けて泣いたのは2007年の"ウィンブルドン"でフェデラーに負けた時だけだ。そのたった1回だけだよ」


トニは、ナダルにとって、これまでのキャリアでもっともつらい敗戦について続けて話した。


「2つある。2012年の"全豪オープン"でのノバク・ジョコビッチ(セルビア)戦と、2009年の"全仏オープン"でのロビン・ソダーリング(スウェーデン)戦だ。ラファエルがどう思っているのかは知らないけれどね」


ジョコビッチとの2012年「全豪オープン」決勝戦では、5時間53分という死闘に敗れたナダル。試合後には「ノバクは間違いなく世界最強選手だよ。今日も強い方が勝ったんだ」と勝者を称えた。優勝セレモニーでは、立っているものやっとの姿でスピーチを聞く、疲れ果てた2人の姿が印象的であった。


2009年の「全仏オープン」4回戦での対戦についてナダルは、口を一文字に結びつらそうな顔をしながら「負けたことには驚いていないよ。ソダーリングがどれだけいいプレーをする選手かは分かっていたからね」


「僕はいいプレーができずに、長いラリーを耐えられなかった。それで、ソダーリングにつけ入る隙を多く与えてしまったと思う」と記者会見で話している。


ソダーリングも先日、コロンビアのラジオ局W Radio Colombiaのインタビューで、「難しい試合だったよ。だけれど、それまでにも大きな試合を勝ってきていたし、体調も万全でいいプレーができたんだ。コートに入るときには、勝てると思って臨んだよ。自分を信じることが大切なんだ。"この試合も、他の試合とは何ら変わらない。対戦相手のことなんか考えてはだめだ"って自分に言い聞かせた」


「自分自身に集中したんだ。攻撃的にならなくてはいけなかったし、自分の戦い方でポイントを重ねようとしたんだ。それが功を奏したよ。第1セットを取れて、少し気が楽になった。とにかく振り返らずに、自分のショットに集中したよ」と振り返って話している。


(テニスデイリー編集部)


※写真は2012年「全豪オープン」でのナダル(左)とジョコビッチ(右)
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)