(左から)日本ハム・有原航平、ソフトバンク・千賀滉大、楽天・松井裕樹【写真:石川加奈子、藤浦一都、荒川祐史】

写真拡大

防御率の“大穴”はオリックス山本、最優秀中継ぎはハム宮西が確実

 2019年シーズンもあと1ヶ月。今季の投手の主要タイトル争いについて見ていこう。

【パ・リーグ投手成績5傑】(8月30日時点)
○勝利数
1 有原航平(日)13
2 千賀滉大(ソ)11
3 高橋礼(ソ)10
3 山岡泰輔(オ)10
5 高橋光成(西)9

 有原を千賀が追う。ただ、千賀は8月の防御率が5.40と調子を落としている。残り試合で2勝の差を逆転するのは、やや厳しいか。

○奪三振
1 千賀滉大(ソ)193
2 有原航平(日)142
3 山岡泰輔(オ)132
4 二木康太(ロ)109
5 山本由伸(オ)106

 昨年まで則本昂(楽天)が5年連続でこのタイトルを獲得してきたが、今季は故障によって出遅れたため、千賀が初タイトルを獲得しそうだ。すでに2位以下に50三振以上の差をつけて独走している。

○防御率
1 有原航平(日)2.34
2 千賀滉大(ソ)3.09
3 山岡泰輔(オ)3.88
4 美馬学 (楽)3.96

 今季のパ・リーグは規定投球回数をクリアしている投手がここまで4人。これは史上最少で、有原の防御率のタイトルの可能性も高くなってている。ただし防御率は大量失点すれば一気に数字が跳ね上がる。まだ確定とはいえない。

 規定投球回数未満の投手では、オリックスの山本由伸が117回2/3で防御率1.84。右脇腹痛で戦線離脱しているが、早ければ9月上旬にも復帰の可能性がある。残り25回1/3を投げて規定投球回数をクリアできれば、タイトルを獲得する可能性はある。有原は主要タイトルの獲得はこれまでなく、最多勝、防御率ともに受賞すれば初となる。

○セーブ数
1 松井裕樹(楽)30
2 森唯斗(ソ)26
3 益田直也(ロ)24
4 増田達至(西)23
5 秋吉亮(日)20

 松井がリードしている。森は負傷離脱もあり、松井に先を行かれている。松井が有利なのは間違いないが、優勝争いが激化する中で、森にも可能性は残されているだろう。

○ホールドポイント数
1 宮西尚生(日)39
2 平井克典(西)33
3 モイネロ(ソ)27
3 ブセニッツ(楽)27
5 森原康平(楽)25
5 松永昂大(ロ)25
5 近藤大亮(オ)25
5 ハーマン(楽)25

 最優秀中継ぎ投手のタイトルはホールドポイント(ホールド数+救援勝利数)で争われる。宮西は38ホールド+1勝。今季も安定感のある投球で、2年連続3度目のタイトルを確実にしている。(広尾晃 / Koh Hiroo)