乃木坂46が、ネット配信で46時間出演し続ける番組、『乃木坂46時間TV』が、3月23日〜25日まで配信され、話題になっている。

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 この46時間TVというのは、今回が3回目。今回は毎年恒例のバースデーライブの開催ができないということで、その代わりという意味も込めてのものなのだが、キャパに限界があるライブに比べ、数十万人が無料で視聴できるという意味では、ライト層に訴えるには非常に有効なコンテンツであるともいえる。

 内容的には、メンバー1人1人が10分間メインをはる「乃木坂電視台」や、チームごとに食事をかけて争う「ケータリングバトル」、真夜中に延々と人狼ゲームを中継する「乃木坂人狼」など、地上波では放送不可能なほどゆるゆるな内容であるのだが、その分メンバーの素の顔や普段の表情や関係性が楽しめるなどの魅力もある。

 今回も、先日卒業した伊藤万理華が飛び入り参加するなど、ファンにはたまらない内容であった。

 しかしながら、関心したのは、番組のラストのコメントや、その後のブログ、あるいは755というSNSなどで、メンバーのほとんどが、ファンへの感謝などを語るのと並行して、スタッフへの感謝を書き綴っていることだ。

 生駒里奈は「年々、スタッフさんへの感謝の気持ちが強くなる」という趣旨のコメントを発し、秋元真夏はブログにスタッフの目に入るようにと「拡散希望」とつけてまで、番組制作に携わったスタッフへのねぎらいと感謝を書いている。

 情報では、その配慮に、泣いていたスタッフもいるということだ。

 また、ゲスト出演でMCをつとめたお笑いコンビ、ラフレクランのきょんは、放送終了後セットの写真を撮ろうとしていたときに、メンバーの齋藤飛鳥から「(セットに入るように)写真を撮りましょうか?あ、一緒に入ってもいいですか?」と声をかけられたといい、その場にいた全メンバーとの集合写真をTwitterに上げている。

 出演者がスタッフや共演者に感謝を伝えるのは、特に珍しいことではなく、他にもそういったことを心掛けているタレントや俳優は多いが、46時間連続という過酷な現場で、出演者も相当疲れていて、自分のことで精一杯な状況であるにも関わらず、スタッフへの感謝を忘れずに思いをつづり、またそれをファンが受け入れるどころか、メンバーと一緒になってネットが感謝のコメントであふれ出すというのは、なかなか珍しい。

 しかも、口先だけではなく、メンバー自身が期待に応えるべく、自分なりに意見を出し、企画に参加し、完成度を高める意識を強く感じさせる内容で、まさに一体感満載でいい放送になった。

 こういうメンバーとファンの態度が、乃木坂の人気を不動なものにしているのだろうなというのは、番組改編にともなうキャスティングにも表れている。

 フジテレビの競馬番組で5年間も出演してきた白石麻衣が番組を卒業するにあたり、後任には同い年の松村沙友里が抜擢されている。「ハングル講座」が終わった桜井玲香には、同じNHKから新番組の起用が決まった。ラジオ番組も、卒業などでメンバーが変わっても、同じ乃木坂のメンバーが後を継ぎ、長寿番組化しているものも多い。

 乃木坂ブランドは、そういう意味では一緒に仕事をしたくなるという業界内部での評価が高いことにも当てはまりつつあるのだ。

 この文化が、3期生、さらには今後入ってくる新メンバーやそのファンにもしっかりと受け継がれることがあれば、主要メンバーが卒業しても、しばらくは乃木坂のメディア人気は安泰となるだろう。