2月21日の夜に行われた、スピードスケート女子チームパシュートで日本チームが再び快挙。高木美帆、高木那菜、佐藤綾乃の3人で臨んだ日本は、オランダとの激戦を制して見事に金メダルを獲得した。
フィギュア男子フリーの羽生結弦、女子スピードスケート500mの小平奈緒に続く3個目の「金」に日本中が沸きに沸いている。

 その決勝の1時間ほど前、写写丸は会場となったカンヌンオーバルの観客席に、まるでアニメの世界から抜け出してきたようなコスプレ美女を発見! 全身、薄紫でコーディネートした出で立ちに、頭にもなにかオブジェのようなものが……。あれは、ダ、ダルマ?? そこで思わず、その美女に突撃インタビュー。

--すみません、どちらから応援にいらしたんですか?
「群馬からです」

--へぇ、群馬。群馬のどこらへんで?
「高崎です。実は私、出場する佐藤綾乃選手のコーチなんですよ」

 な、な、なんと彼女は高崎健康福祉大スケート部の小林佳乃子コーチだった。それにしてもなぜこんな格好で?

「私1人でここまで来たんですよ。特命というか(笑)。大学の理事長から『1人で2000人分応援してきて』と言われましたから(笑)。この紫色はスクールカラーなんです。普通の格好で来ただけなら、なんもない思い出作りになっちゃいますから。実は高崎名物のダルマも配っているんですよ」

 彼女が見せてくれたレジ袋の中には、大量の小さなダルマが。

--かわいらしいですね。
「手作りなんですよ。群馬と高崎にはお世話になっていますから。これを配りまくって、地元の人と交流したり……」

--赤青緑、カラフルなダルマでいっぱいですね。私も1つ頂戴していいですか? 
「もちろんです。どうぞどうぞ」

--コーチから見て、佐藤綾乃選手の状態はどうですか?
「もう、この大会のために生まれてきたみたいになってますよね(笑)。今までで一番いいコンディションで臨めている、といった表情をしているから、それがとにかく嬉しい。決勝は綾乃ちゃん出るのかな。楽しみです」

 初対面にもかかわらず、気さくにインタビューに応じてくれた小林さんは、カメラに笑顔で手を振って、会場の雑踏へ颯爽と消えていった。ちなみに、その後、コーチのことをPCで検索したところ、同大修士課程の修了論文は「スピードスケート競技学生における心理社会要因とパフォーマンスとの関連」だった。

 指導している佐藤選手も見事な滑りを見せ、日本チームが金を獲得。彼女もスタンドのどこかで、佐藤選手を祝福したはず。小林コーチが心を込めて手作りしたダルマ。そのダルマが日本からきっと福を運んできたに違いない。