同性どうしで「群れて」遊ぶ楽しさ(画像はイメージです)。

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「女ってすぐ群れるよなあ」

これは昔からよく聞く言葉。
だが、個人的には「男のほうが群れているのに」と、腑に落ちない気がしていた。

子どもの頃は、教室でプロレスごっこや相撲などしながら、いつもベタベタしているのは男子のほうだったし、大人になってみると、居酒屋で大騒ぎして盛り上がるのも、男性集団が多い気がする。
バイク、釣り、草野球、フットサル、アニメなど、同じ趣味を持つ同性のみの集団で盛り上がるのも、やっぱり男性のほうだ。

さらに、それを再確認したのは、年末年始のディズニーランドである。
行列の中で観察してみたところ、家族連れやカップルを除いた「同性だけのグループ」では、女は子どもも大人も2人組か4人組が多数であった。それに対して、男は2人組などほとんどなく、少ない場合で4人組、多いのは6〜8人ぐらいのグループで、10人以上ものグループもあった。
10人以上のグループなんて、もう同窓会レベルだ。群れるにもほどがある。

いったいなぜなのか。

男の子を持つお母さんたちの分析


小学生から高校生までの男の子を持つお母さんたちに聞いたところ、以下のような分析・指摘があった。

◯男の子は基本的にスポーツの習い事や部活の集団単位で動くから
小学生なら少年野球やサッカーなどの練習が休みのとき、中高生なら部活が休みのときに、オフになったメンバーみんなで一緒に遊ぶ。練習がある日もオフの日も毎度同じ顔触れで集まる。そのため、遊園地や映画などはチームごと行くことになるため、常に大勢になる。

◯男の子は分け隔てしないから
公園でも、女子は少人数のグループに分かれて遊ぶけど、男子は単純だから、全くタイプの違う子同士でも関係なくみんなで遊ぶから。

◯男の子は行き当たりばったりだから
女の子は遊ぶとき、仲良しを何人か選び、きちんと約束したり、家に呼んだりするのに対し、男の子同士だときちんとした約束をせず、家にいったん帰ってから公園に行くとか、とりあえず近所をブラブラしていて、たまたま会った人や知っている人と遊ぶことが多いから。

◯男の子は集まっても、実は一緒に遊んでいるか微妙
女の子のようにグループになって一緒に遊んだり、おしゃべりしたりするのと違い、男の子は公園の遊具などにみんなで集まっているが、「群れている」ように見えるだけで、実は個々に自分のゲームをしているだけ。
特に会話をしているわけでもなく、なんとなく集まって、それぞれ一人遊びをしているようなことも多々ある。

女の子は「メンバー」にこだわるが、男の子はこだわりがない


男の子は好きな人とそうでもない人、気が合う人とそうでもない人がいても、とりあえずみんなで一緒に遊ぶことが多い。
でも、女の場合、子どもも大人も共通して「メンバー」にこだわる。
というと、よくある「ママ友地獄」とか「スクールカースト」のようなダークなイメージを持たれがちだが、「◯◯したときが楽しかったから、あのときと同じメンツでまた遊ぼう」「□□に行ったメンバーで今年もまた行こう」などというケースが多数。そのため、所属する集まり(グループ、女子会)がいくつもあり、「〇〇のメンツ」「△△会」など、グループや会に名前をつけていることも多い。

なかには、複数のグループで、ほとんどのメンバー(ときには4人中3人など)が重なり合っている場合もあるが、それらはあえて合体させないのがルール。
メンバー一人が変わるだけでも、微妙にバランスが変わるうえに、「この子とあの子はあんまり親しくないから」「この子がいると、あの子が圧倒されてあまりしゃべれないから」などと、かなり細かな配慮がなされているようだ。

ちなみに、「女の子はドロドロしている」などと言われがちだが、特に若い子たちは「3人だと、何か決めるときも遊園地のアトラクションなども、2対1に分かれちゃって誰かが寂しい思いをするから」ということで、偶数の2人組、4人組を好む子も多いそう。

もちろん性差関係なく、「群れる」のが嫌いな人もいる。だが、いわゆる「群れる」状態においても、女同士の場合、実は様々な事情を踏まえて多角的にグループのメンバー構成をしていることが多い気はする。

ところで、男も女も、同性のみの「群れる」平和な世界が崩れてしまうきっかけは、やはり異性の存在だろう。
だからこそ、まだ恋を知る前の子ども、恋を卒業した世代の同性だけの集まりは、最高にバカバカしく楽しいのかもしれない。
(田幸和歌子)