「言葉で説明」はもう古い! イメージの共有をイラストですべき理由

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ビジネスシーンにおいて、コミュニケーションは主に言葉を介して行われます。

報告事項も資料も議事録も、そのほとんどが言葉(文章)で表現されていることが多いでしょう。しかし、言葉だけで伝えようとすると齟齬が起きてしまうことがあります。

そこで最近、注目を集めているのが「イラスト」や「図」を使った伝え方です。

以前、広告代理店の営業マンがプラン発表会で全編イラストを使ってアピールし、非常に分かりやすい説明から拍手が起きた場面を見たことがあります。確かに言葉よりもイラストの方が直感的に捉えられ、イメージがしっかり伝わりましたし、全体で同じイメージが共有できていれば、議論の進みも早くなります。

もちろん言葉で補足することも大事なのですが、イラストや図、さらにはまんがといった表現方法の圧倒的な分かりやすさは武器になるのです。



■なぜ言葉よりもイラストの方がうまく伝わるのか?

伝え方のイラスト化が進んでいるのは、クリエイティブ分野だけではありません。GoogleやAmazonといった世界的企業でも会議の際に、グラフィックがコミュニケーションの重要な要素として注目されているといいます。

例えば外資企業に勤めていたり、外国人と一緒に仕事をしていたりすると、英語でコミュニケーションをする機会が多くあるでしょう。そこで英会話だけでは心許ないというときに、イラストが役に立ちます。

また、複数人で対話をする際にもイラストは有効です。会話の盛り上がりから議論が明後日の方向に向かったり、細かい言葉の定義をいちいち話し合わなくてもよくなりますし、異なる部署の人たちが集まったときも「絵」を見せることで共通のイメージを持ってもらえるでしょう。

イラストを使ったコミュニケーションを提唱する『一瞬で心をつかむ 伝わるイラスト思考』(松田純著、明日香出版社刊)によれば、ある公立小学校で行われた実験で、「文字だけの教科書」を使って授業を受けた子どもと、「イラストや図やまんがを組み込んだ教科書」を使って授業を受けた子どもが同じテストを受けたところ、後者の子どもの成績が前者の30%もよかったといいます。

もちろん、イラストだけで全てが伝わるというわけではありませんが、言葉の理解を促す上でとても重要な役割を果たし、コミュニケーションの齟齬を最小限に抑えることができるはずです。



■イラストセンスがまったくなくても伝わるイラストは作れる

『一瞬で心をつかむ 伝わるイラスト思考』は、「イメージ」を一瞬で相手と共有できるようにする「魔法のツール」としてイラストやグラフィックを挙げ、どんな人でも伝わるイラストを作れるためのスキルを教えてくれます。

イラストといえば、絵心なりセンスなりの才能が必要だと感じるでしょう。しかし、著者の松田純さんは誰でも身につけることのできる「スキル」だと訴えます。

例えば、「営業部の○○さんと制作部の○○さんのイラストを描きたい」といったときに、その人のリアルな似顔絵を描く必要はありません。イメージが共有できればいいのですから、「ディフォルメ」でシンプルにしてしまって良いのです。これは「○○さんだよね」と分かる特徴さえつかんでいれば、相手に伝わるはずです。

他にも、イラストやグラフィックをどのように資料に落とすか、トークに連動させるかといったところまで本書では教えてくれます。話し下手、整理するのが下手といった部分をサポートする技術が詰まっている一冊です。

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まだまだ言葉で説明する文化が強い日本のビジネスシーンですが、これから先、国境を越えて様々な人とコミュニケーションを取ることになったときにイラストはとても使えるスキルです。また、世代間を越えたイメージの共有でも有効でしょう。

本書を参考にしながら、少しずつ人に伝えるときにイラストを取り入れていってみてはいかがでしょうか。

(新刊JP編集部)

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