今月9日、世界3階級制覇を成し遂げたプロボクシング・長谷川穂積が現役引退を表明した。今年9月に獲得したWBC世界スーパーバンタム級王座は返上するものの、チャンピオンとして現役を終える。

すると、10日放送、日本テレビ「Going! Sports&News」には長谷川が生出演。現在の心境や自身の名勝負を振り返った。

まずは「気持ち的には何も変わらないんですけど、朝起きて走らなくても罪悪感があんまりない」という長谷川は、「このまま辞めたら永遠にチャンプって言って貰える」と笑顔を見せた。

心残りを訊かれると、「選ばなかった道は未練は残るんですけど、選んだ道を信じて正解の道にしたい」と語った長谷川。無名時代から支えられてきた妻・泰子さんについては、「一緒に戦ってきたのは間違いないと思う。僕はこれで一つ終わるし、妻も妻でここから新しいストーリーが始まると思うので一緒になんか頑張れたら」とカメラを通じてメッセージを送った。

また、長谷川は、引退を家族に相談したかと訊かれると「全部自分で決めて、決めた後に家族でご飯食べてる時に明るい感じで“お父さん、引退することにしました”みたいな」と告白。二人の子供の反応は「“ふーん、そうなんや”みたいな感じ」だったようで、泰子さんは「薄々分かってたと思うんで“そうか”みたいな感じ」と明かした。

その他にも、同番組で長谷川は、現役時代の名勝負を2試合挙げている。1つ目は、2010年4月、WBC世界バンタム級王座戦で、まさかのTKO負けを喫したフェルナンド・モンティエル戦を、2つ目は、2006年3月、同王座の防衛戦でタイのレジェンド=ウィラポン・ナコンルアンプロモーションを返り討ちにした一戦を挙げた。

自身が敗れた前者については「負けたんですけど神経戦。会場(日本武道館)がずっとシーンとして真剣で斬り合っているような感覚。楽しかったですね、負けるまで」と振り返った長谷川。右フックで見事なKO勝ちとなったウィラポン戦は「この右フックを当てるまでの過程。それまでアッパーを多用して右フックはないよって思わせておいての9R」と説明し、戦略勝ちとした。