世界最大級のクラシック音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2016」への出演も決定。卓越したテクニックとセンスで、アコーディオンのイメージをポップミュージックの世界で大きく変えたアコーディオニストのcobaさんが、TOKYO FMの番組に出演。音楽で偉業を成し遂げた先人を尊敬することのこだわりと、尊敬するアーティスト3組の楽曲を紹介してくれました。
(TOKYO FM の音楽ワイド番組「LOVE CONNECTION」のコーナー「STARBUCKS MUSIC BARISTA」3月16日放送より)

世界的アコーディオニスト・cobaさんのこだわりは、先人をリスペクトすること。音楽の先輩たちの偉業を学ぶことで、新しいインスピレーションがもらえるのだとか。

「最近、特にこだわっているのは、先人たち。いわゆる、我々の先輩ということですよね。私、cobaも、まだ誰も聴いたことがない音楽を作りたい! みんなを驚かせたい! アコーディオンのイメージを変えてやるんだ!と思い続け、走り続けている人生なんですけど、そういうものをやればやるほど、ふと最近気がつくのは自分の先輩たち。この人は天才だと自分が思う人はたくさんいますよね? そういう人たちも、俺ってこれでいいのか? なんて才能ないのかしら?とかね、僕らと本当に同じようなことを思いながら、悩みながら。で、彼らも彼らの先人たちの偉業に驚きながら、尊敬しながらものを作ったんだなという感じがするんですね。とにかく音楽でもアートでも、あるいはお料理でも、本当に素敵なものは人生を変えるし、それによって新しい自分に魂が芽生えるような、そんな感覚を持つんですよね。自分より先に何かをやり遂げたり、先に生きた人々のことをしっかり学ぶことによって、自分にも新しいインスピレーションがもらえる。その人たちを尊敬すればするほど、自分の人生が豊かになる。そんなふうに思っているんです」

そんなcobaさんが選んで紹介してくれたのは、「尊敬するたくさんの人々の中からの3アーティスト」。誰も聴いたことのない音楽を作りあげた、ジャンルを超えた3組でした。

「Vozes do Vento」(Milton Nascimento)
「いい曲でしょ? この人は希有なメロディメーカーですよね。彼はブラジル人でブラジルといえばボサノバですけれど、このミルトン(ナシメント)は、ブラジルの神と言われた人ですね。いまだに活動を続けてますけど、とにかく名曲をたくさん残している人。彼は、ブラジルのボサノバの神様みたいな言われ方をしてますけど、実は本当にアバンギャルドにいろいろな音楽を採り入れて、ブラジル音楽の中で新しいもの、ミュータントを生もうとしたチャレンジャー。若い頃から彼の曲は斬新で、コード進行といいメロディラインといい、とにかく僕は大きな影響を受けてますね。この人の曲を聴くと、次のメロディとかコードとかベースの進行とか、予測できないんですね。僕もこの人の曲はたびたびカバーしてますけど、どのミュージシャンと一緒にやっても、やっぱりミルトンは難しいとみんな言いますね。それだけ彼は、心を砕いて才能のすべてをつぎ込んで一曲に賭けていたんですね。何か新しいものを作りたい!という思いが、ひとつひとつのコード進行から全部伝わってくる感じがするんですよね。こんなアバンギャルドな人が、俺より先にいたのか! 悔しい! でも嬉しい。そんな感じですかね」

「Comme à la radio」(Brigitte Fontaine Areski Avec Art Ensemble Of Chicago)
「まず、ブリジット・フォンテーヌという人は、これまたシャンソンの神様みたいな人だったんですが、本当にこの人もチャレンジャーなんですね。多くの人々とコラボレーションを試みて、とにかくあらゆる人たち……今でもコラボレーションをやってますよね。ゴタン・プロジェクトなんかともやってますし、もうおばあちゃん……たぶん75歳くらいじゃないかな? アバンギャルドな曲でしょ? で、全然シャンソンじゃないじゃない? なのにウィスパーで。いわゆるウィスパーブームみたいなのがありましたけど、あのへんの先達ですよね。特にアート・アンサンブル・オブ・シカゴ……この人たちがすでに……本来ジャズの人たちなんですけど、シカゴを拠点にアフリカンミュージックとかいろいろな音楽とジャズをミックスして、これまたミュータントを生もうとした奇人変人バンド(笑)。その人たちを起用したブリジット・フォンテーヌもまたすごいですよね。すごいものが作られている! でもきっと彼女も、悩みながら歩んだんだろうな。いまだにそうやって、新しいものを探し続けている。そんな彼女に本当に尊敬心を抱いています」

「Mediterranean Sundance/Rio Ancho」(Al Di Meola, , John McLaughlin Paco De Lucia)
「これはインストゥルメンタル、アコーディオンという楽器を演奏している私、cobaとしては、大先輩、カッコいい先輩ですよね、このお三方。スーパーギタートリオ、世界3大ギタリストですよね。その影響を受けて僕なんか、世界3大アコーディオニストという企画まで作っちゃいましたよ! 私、そしてフランスのリシャール・ガリアーノ、アメリカのフランク・マロッコという3人で、ワールドツアーを何ヵ所かやりました。そのくらい影響を受けている人たちなんですけど、パコ・デ・ルシアといえば先日亡くなりましたけど、スペインを代表するフラメンコギターの神ですよね。そしてアル・ディ・メオラは、アメリカのギターの大スター。ジョン・マクラフリンはイギリスを代表する、紳士でありながら野獣のように弾きまくるという……この3人が一緒やるとは思わないでしょ? フラメンコとジャズとロックとポップとアバンギャルド全部混ぜてしまっていいんですか? いいんです、安心してください! そんな感じですか(笑)。いやーこの人たち、ただの演奏家じゃないですよね。だいたい達人たちは、自分が腕が立つとほかの人をバッサリ斬り倒そうとするじゃない? でも全然そうじゃなくて、3人の愛があふれてるわけ。3人が3人とも、愛を表すためにギターを弾いてる。それが血潮となってほとばしる、みたいな。こんな演奏は、ほんのひと握りの人々にしかできないことだと思いますね。この曲もとってもポップでありながら、彼らが3人で演奏すると、まあなんてアバンギャルドでカッコよくて、鳥肌が立ちますよね。これはライブ盤(『フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ〜スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!』)だから、すごいソロをやると叫ぶ人がいるんだけど、まさに俺が叫びたい!感じですね」

国内外で勢力的に活動を繰り広げているcobaさんは、3月17日、東京・新宿BLAZEにて開催のイベントライブ「LOVEの今日ここ東京にいるという事」に出演。5月3日〜5日まで東京都内各所で開催される世界最大級のクラシック音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2016」では、5月4日に東京・日比谷野外音楽堂で行われる「ナチュール・ピクニック!〜野外できくアコーディオン」(公演番号272)に出演します。その他、cobaさんの最新情報は、オフィシャルサイトhttp://www.coba-net.com/ http://www.coba-net.com/をご確認ください。


動画を別画面で再生する https://www.youtube.com/embed/xakxXuX_VU4



3月17日の「STARBUCKS MUSIC BARISTA」には、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さんが登場します。お楽しみに!

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<番組概要>
番組名:「LOVE CONNECTION」
放送日時:毎週月曜〜金曜11:30〜13:00/「STARBUCKS MUSIC BARISTA」は12:30ごろから
パーソナリティ:LOVE
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/love80/