とーやま校長が福島へ「フクシマ」「被災地」への違和感を語る

東日本大震災から丸5年。3月10日のTOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」では、パーソナリティのとーやま校長とあしざわ教頭が、福島と宮城に暮らすリスナーに会いに行った模様を放送しました。その中から、とーやま校長が、福島・南相馬市出身で現在は会津若松で暮らすラジオネーム・くろっくろーさん（19歳・男性）とのやりとりを抜粋してお届けします。



とーやま校長「今、俺は東京に住んでて、できることなんてなかなかないけど、ありがたいことにラジオで毎日しゃべらせてもらってて、思った時に思った事をしゃべるのが俺のやるべき事だなと思ってるんだけど。この前俺も“被災地”って言っちゃったんだけど、もうその言い方よくねぇか？　って思ったの。もう5年経つし、進んでない事もいっぱいあると思うけど、進んでる事もあるし。これは俺の勝手なエゴな話だったりするのかな？」

くろっくろー「援助されてる側なのは間違いないんですけど、当時よりは色々変わってきてるし進んでるはずなんで、“被災地”という呼び方は確かに違ってもいいかなと思います。 あと、福島をカタカナ表記にする事もあるじゃないですか。広島とか長崎はそういうのを落とされて、それを伝えていくためにカタカナにしてるのかもしれないけど、こっちは欲しくないものを建てられて事故が起きて被害を受けたのに、“フクシマ”ってカタカナにされるのはいやだっていう年配の人とかもけっこういますね」



とーやま校長「ラジオとかテレビとか、いわゆるメディアの人に伝えたい事はある？」

くろっくろー「伝えてる内容がどこの局でも似たり寄ったりですよね。もうちょっと突っ込んだというか、普通にしてたらわからない、外からだと分かりづらい事もちゃんと伝えてほしいなっていうのは当時から思ってました。たまに、もう終結したんでしょ？　みたいな事を言われるんですけど、集結は全然してないようにしか思えないし、あの周りに住めてない時点で終結とは言えんのかって思います」

とーやま校長「ここからやるべき事って何なんだろうね？　まだまだ漠然としてるかもしれないけど」

くろっくろー「若い人が少ないんですよ。特に沿岸部。高齢化が進んで、今までできていた行事もできなくなってるんです。やっぱり雇用がないと若い人が戻ってこないし、街も活発にならないし、復興していかないのかなって思います。安全な防波堤を作って雇用を確保して、人を呼ぶことも必要なのかなって思いますね」

東北に住むリスナーが、あの日経験したこと、今抱えている不安や不満、未来への思いなどを寄稿した「SCHOOL OF LOCK! 未来新聞 2016年3月11日号」 http://www.tfm.co.jp/lock/2016/mirai/が発行されました。今回番組に登場したくろっくろーさんからのメッセージや、とーやま校長とあしざわ教頭が東北を訪れたレポートも掲載されています。ぜひご覧ください。