3月は卒業シーズン。いろいろな別れを経て、新しい生活が始まる時期です。そして3月は、一年を通して日本人の離婚件数が最も多い月でもあります。でも、なぜ3月に離婚が集中するのでしょう? それはアメリカ人の離婚時期の考え方とも、関係があるようです。


日本人の離婚が3月に急増する理由は、アメリカと同じ?



 3月は1年間で最も離婚が多い月だと知っていますか? 厚生労働省発表の「平成21年度『離婚に関する統計』(人口動態統計特殊報告)」によれば、日本人の夫婦の場合、一年を通して離婚件数が2万件を超えているのは3月だけ。1年の割合を100とした場合の離婚率で見ると、ほかの月の率はひと桁なのに、3月はダントツトップで高離婚率スコア10.6を獲得しています。

 その大きな理由は、子どもではないでしょうか。離婚後、女性が旧姓に戻り、なおかつ子どもを引き取った場合、子どもの苗字が変わってしまいます。名前の変更によって、子どもが学校でいじめられたり、からかわれたりするのを防ぐため、進学や進級のタイミングでと考えるのは当然の親心です。父親が親権を取る場合でも、転居など、環境の変化で子どもが心理的ダメージを受けないよう、年度の切り替わる直前の月を選ぶパターンは多いでしょう。

 離婚時期に子どもが大きく関係するのは、アメリカでも同じようです。アメリカでは、1月に最も離婚が多く、“Divorce Month"と弁護士の間では呼ばれており、稼ぎ時となっています。クリスマス休暇の後に離婚が急増する理由は、1年で一番楽しいホリデーシーズンに、親の離婚という悲しいイベントを子どもに体験させないためだそうです。すでに離婚を決意していても、仮面夫婦として仲良く振る舞い、家族最後のイベントであるクリスマス休暇を共に過ごしてから、子どもに離婚の事実を伝えるのだそうです。

また、クリスマスは家族で過ごすものという意識のあるアメリカでは、「12月に離婚なんて、なんて冷血漢なんだ!」と友人たちから非難される可能性もあるようです。しかし、楽しいクリスマスシーズンの後でいきなり言い渡される親の離婚。それはそれで、子どもにとって残酷な気もしますが、離婚を決意した親としての最後の責務を果たす感じでしょうか。
次にアメリカで離婚の多い月は、8月です。アメリカの新学期は9月ですから、日本で3月に離婚が多いのと同じく、子どもの学校生活を気遣って、新学期前に離婚するわけですね。

 しかし、何月にしたところで、当人たちにも子どもにもダメージの大きい離婚。できれば避けたいところですが、それでもダメージを最小限に抑えて離婚しようとする親心が、「3月離婚急増」の理由だとすると、切ないものがあります。はあ。

文/ガンガーラ田津美

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