最近、少しずつ雨が増えてきて、暖かくなってきましたね。雨が降るほど気温が上がっていくのが春。雨が嫌いな人も多いと思いますが、日本人は本来、雨を愛してきました。そんな、雨にまつわる言葉の話をご紹介します。


雨の名前、あなたはいくつ知っていますか?



せっかく暖かくなってきたのに、空はどんよりと曇りや雨の多い、この季節。
「春の長雨(ながあめ)」や、桜の咲く時期の「花曇り」など、天気を表わす言葉も雨を表現するものが多いのです。

季節の変わり目には雨がつきもの。
冬から春にかけて、春から夏にかけて、そして夏から秋にかけては、ぐずついた天気が多くなります。
春から夏の間は「梅雨」と呼ばれていますが、そのほかの雨の時期にも、すべて名前がついているのをご存知でしょうか?

たとえば、春の長雨は「菜種梅雨(なたねづゆ)」。
菜の花が盛りの頃に降り続く長雨を、梅雨になぞらえてつけられました。
次に、梅雨の前触れのように5月下旬に降る雨を「走り梅雨」、夏の終わりかけに降る雨を「すすき梅雨」、11月上旬から冬の準備で降る雨を「さざんか梅雨」と呼びます。
多くのものが、その季節に見られる植物から名前が取られているなんて、風流な日本人らしいですね。

日本の雨を表わす言葉はことさらに美しく、たとえば春の雨だけでもたくさん存在します。
花に降りそそぐ雨を「紅雨(こうう)」。
草木をうるおす雨を「甘雨(かんう)」。
花や木に養分をあたえるための雨を「養花雨(ようかう)」。
雪を解かす雨限定で「雪解雨(ゆきげあめ)」。

いかがでしょうか。
こうした日本語を聞いていると、なんだかだんだん、雨が好きになっていきませんか?

文/岡本清香

TOKYO FM「シンクロのシティ」にて毎日お送りしているコーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は「春の雨の名前たち」として、3月8日に放送しました。

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