偉業を果たした偉人たち。どんなときも前を向き、自分の信じた道を行く……そんなイメージがありますよね。でも、偉人だって人間。弱音を吐くことくらいあります。今回は偉人たちが実際に言った「弱気な発言」をご紹介します。


偉人たちも、弱音を吐いていた?



まず最初に、歩きながら本を読む姿の銅像で有名な二宮金次郎。
藩の復興を任されたとき、農民の反発にあって事業が進みませんでした。
そのとき金次郎は、なんと失踪。
しかも、こんな言葉を残していったのです。
「胃が痛むので、辞めさせてください」
その後、山で断食修行をしたのち、村にもどって復興をやり遂げた金次郎。
考え直したのは、さすが偉人と言ったところです。

次に、最も有名な俳人の一人である小林一茶。
「やれ打つな 蠅(ハエ)が手を擦る 足を擦る」という句で有名ですね。
3度の結婚をするなど波乱万丈な人生を過ごした一茶ですが、晩年、こんな言葉を残しています。
「故郷のハエまでがわたしに冷たい」
あんなに思いを寄せたハエにまで……なんだか切ない話です。

最後に、勝海舟。
言うまでもなく幕末維新の立役者です。
咸臨丸に乗って太平洋を横断した勇敢な偉業がありますが、てきぱきと動く福沢諭吉やジョン万次郎を横目に、こんなひと言を言い放ちました。
「俺は日本に帰る! ボートをおろせ!」
どうやら船酔いがひどかったようです。

いかがでしょうか。
偉業を成し遂げるまでに、何度も何度も弱音を吐いた偉人たち。
こうしてみると、彼らも私たちとそう変わらない。
人間味に溢れているのかもしれませんね。

文/岡本清香

TOKYO FM「シンクロのシティ」にて毎日お送りしているコーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は「偉人たちの、弱音」として、3月7日に放送しました。

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