［関東・東北豪雨災害復興への道／その1］老舗団子屋店主・中山さんから東京で修行中の息子への手紙
人生を変えた、大切なあの人との「出会いと絆」、そして今だからこそ書きたい「手紙」。TOKYO FMの「ゆうちょ LETTER for LINKS〜関東・東北豪雨災害復興応援スペシャル」で、2月28日に放送された、常総市で3代にわたり団子屋を営む中山忠男さんの手紙を紹介します。
◆創業85年の団子屋さん「ゆたかや」店主、中山忠男さんの手紙
「息子へ」
「ゆたかや」さんは創業85年。
その名のとおり、食べると心がふわっと豊かになる、「いしげだんご」と、「ねじれもなか」が名物です。
地元のうるち米を挽いて丁寧につくった味は長く愛され続けています。
災害のあと、およそ2ヵ月後に営業を再開されました。
お話いただくのは、3代目店主の中山忠男さんです。
すべてが破壊され、何も考えられなかったという中山さんのもとを、災害の翌日、息子さんが東京から駆けつけました。
◆中山さん：
今、東京武蔵野市で洋菓子の勉強をしてまして、修業中っていうことなんですけど。
彼が来たのはもうお昼くらいかな。
やっぱりかなり時間がかかったらしく、朝には出たみたいなんだけど。
守谷駅までで常総線が寸断してましたので、彼は守谷から走ってきたみたいなんですけどね。
彼が走ってるときに、たまたま中学の担任の先生が気がついてくれたらしく、そこでその先生の自転車を借りて、途中は自転車で来られたっていうこともあって。
守谷からね、3時間くらいかかったみたいですね。
そのときは片付けが始まる寸前だったので、我に返させてくれたっていうね。
ほんとにそのときは正直うれしかったんですけども、精神状態が極限だったので、涙が出るっていうのを今思えば堪えていたのかなっていう精神状態だったので、無言でしたね……。
10日間くらいかな、一緒に片付けっていうか復旧作業をやってくれたんだけど。
まあ直接僕には言わなかったんだけど、周りにはね、親父だったらやってくれるだろうっていう言葉を言ってたみたいで。
周りからあとで聞いたんだけど、すごく思い入れのある言葉だったなというのは記憶にあります。
――極限の精神状態だったとおっしゃる中山さんの心は、やがて再建に向けて動きはじめます。
◆中山さん：
周りの人たちにボランティア的な復旧に向けての作業をしてもらってる中で、無言ではあるんだけど、早く再開してくれっていう思いがすごくこう伝わってきて。
ここで俺があきらめるのは簡単なんだけど、周りが献身というか、自分以上に片付けとか作業してくれている仲間とか皆の姿を見て、これはもう早くやらないとっていうか、この人たちに応えるのは再開しかないなというのは、3日目くらいかな、感じました。
それまでは放心状態、記憶にないくらい……。
〜中山忠男さんから息子・良太郎さんへの感謝の手紙〜
お前にはずっと強い父親を今まで見せてきたと思う。
しかし、今回ばかりは人の弱さの一面を見ることになっただろう。
それほど大きなダメージを受けたお店、思い出の自宅、大好きな地域を目の当たりにし、ひたすら片付けの日々を送りながら、光の見えない時間を共有したが、日が経つにつれて、無言ではあったけれど、親父、負けんなよ、という思いがあなたから伝わってきました。
嬉しかったと同時に、そこで見た多くの仲間たちの熱い支援に触れ、なんとも言葉にできない強烈な思いを感じてくれたと思う。
俺自身そうだが、人の純粋さに触れたときこそ、内側から強さが出てくるというか、怖れが消えていくという経験をさせてもらったと思ってます。
どうか、この与えられた境遇を素直に生きることを考えてほしい。
そして、これからの新たな修行の時間に活かしてほしい。
人生を変えた人との「絆ストーリー」を紹介するラジオ番組「ゆうちょ LETTER for LINKS」はTOKYO FMをキーステーションに、JFN38局で毎週日曜15:00〜15:30放送中。3月6日は「東日本大震災復興スペシャル」養豚家の高橋希望さんです。
【あわせて読みたい】
★［関東・東北豪雨災害復興への道／その2］地元の人気自転車屋・石塚さんから、関西から駆けつけてくれたお2人への手紙 http://tfm-plus.gsj.mobi/news/iePUjCEeIj.html
★GENKING「ボクの人生に“いいね”を言ってくれた」親友への手紙 http://tfm-plus.gsj.mobi/news/pOkTnOHVdp.html
★プロデューサー残間里江子「メリー喜多川さんは女性の働き方の道しるべ」 http://tfm-plus.gsj.mobi/news/vLjaztXuc2.html
＜番組概要＞
番組名：「ゆうちょLETTER for LINKS」
放送エリア：TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時 ：毎週日曜15：00〜15：30
ナビゲーター：羽田美智子
番組Webサイト：http://www.tfm.co.jp/links/
◆創業85年の団子屋さん「ゆたかや」店主、中山忠男さんの手紙
「息子へ」
「ゆたかや」さんは創業85年。
地元のうるち米を挽いて丁寧につくった味は長く愛され続けています。
災害のあと、およそ2ヵ月後に営業を再開されました。
お話いただくのは、3代目店主の中山忠男さんです。
すべてが破壊され、何も考えられなかったという中山さんのもとを、災害の翌日、息子さんが東京から駆けつけました。
◆中山さん：
今、東京武蔵野市で洋菓子の勉強をしてまして、修業中っていうことなんですけど。
彼が来たのはもうお昼くらいかな。
やっぱりかなり時間がかかったらしく、朝には出たみたいなんだけど。
守谷駅までで常総線が寸断してましたので、彼は守谷から走ってきたみたいなんですけどね。
彼が走ってるときに、たまたま中学の担任の先生が気がついてくれたらしく、そこでその先生の自転車を借りて、途中は自転車で来られたっていうこともあって。
守谷からね、3時間くらいかかったみたいですね。
そのときは片付けが始まる寸前だったので、我に返させてくれたっていうね。
ほんとにそのときは正直うれしかったんですけども、精神状態が極限だったので、涙が出るっていうのを今思えば堪えていたのかなっていう精神状態だったので、無言でしたね……。
10日間くらいかな、一緒に片付けっていうか復旧作業をやってくれたんだけど。
まあ直接僕には言わなかったんだけど、周りにはね、親父だったらやってくれるだろうっていう言葉を言ってたみたいで。
周りからあとで聞いたんだけど、すごく思い入れのある言葉だったなというのは記憶にあります。
――極限の精神状態だったとおっしゃる中山さんの心は、やがて再建に向けて動きはじめます。
◆中山さん：
周りの人たちにボランティア的な復旧に向けての作業をしてもらってる中で、無言ではあるんだけど、早く再開してくれっていう思いがすごくこう伝わってきて。
ここで俺があきらめるのは簡単なんだけど、周りが献身というか、自分以上に片付けとか作業してくれている仲間とか皆の姿を見て、これはもう早くやらないとっていうか、この人たちに応えるのは再開しかないなというのは、3日目くらいかな、感じました。
それまでは放心状態、記憶にないくらい……。
〜中山忠男さんから息子・良太郎さんへの感謝の手紙〜
お前にはずっと強い父親を今まで見せてきたと思う。
しかし、今回ばかりは人の弱さの一面を見ることになっただろう。
それほど大きなダメージを受けたお店、思い出の自宅、大好きな地域を目の当たりにし、ひたすら片付けの日々を送りながら、光の見えない時間を共有したが、日が経つにつれて、無言ではあったけれど、親父、負けんなよ、という思いがあなたから伝わってきました。
嬉しかったと同時に、そこで見た多くの仲間たちの熱い支援に触れ、なんとも言葉にできない強烈な思いを感じてくれたと思う。
俺自身そうだが、人の純粋さに触れたときこそ、内側から強さが出てくるというか、怖れが消えていくという経験をさせてもらったと思ってます。
どうか、この与えられた境遇を素直に生きることを考えてほしい。
そして、これからの新たな修行の時間に活かしてほしい。
人生を変えた人との「絆ストーリー」を紹介するラジオ番組「ゆうちょ LETTER for LINKS」はTOKYO FMをキーステーションに、JFN38局で毎週日曜15:00〜15:30放送中。3月6日は「東日本大震災復興スペシャル」養豚家の高橋希望さんです。
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★GENKING「ボクの人生に“いいね”を言ってくれた」親友への手紙 http://tfm-plus.gsj.mobi/news/pOkTnOHVdp.html
★プロデューサー残間里江子「メリー喜多川さんは女性の働き方の道しるべ」 http://tfm-plus.gsj.mobi/news/vLjaztXuc2.html
＜番組概要＞
番組名：「ゆうちょLETTER for LINKS」
放送エリア：TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時 ：毎週日曜15：00〜15：30
ナビゲーター：羽田美智子
番組Webサイト：http://www.tfm.co.jp/links/
