なきぼくろ先生(左)、広島東洋カープ・前田 健太投手(中)、PL学園時代の中川 圭太選手(右)

 PL学園つながりの最終回である。こうしてみると、長い世代にわたって逸材を輩出しているPL学園の育成力の高さは恐れ入る。

野球選手も多いが、なきぼくろ先生のような文化人もクローズアップされる

 2001年、部内の不祥事により出場辞退になったPL学園だが、2003年夏に甲子園出場を果たす。この時の主力選手は、小窪 哲也選手。そして週刊モーニングで連載中の「バトルスタディーズ」の作者であるなきぼくろ先生もこの時の甲子園メンバーだった。PL学園は当然野球人の輩出がほとんどだが、このような名門に、アナウンサーになった上重 聡氏や、なきぼくろ先生のような文化人も出てきたことはPL学園野球部にとって1つの誇りであることは間違いない。

 またこの代にはトヨタ自動車の正捕手として活躍する二葉 祐貴選手、日本代表の常連でクリーンナップを打つことが多い松本 晃選手など人材が豊富な世代であった。

 そして2006年には、エース前田 健太投手の活躍により選抜ベスト4進出を果たす。この時の控え投手が冨田 康祐選手。打撃が良く、外野手で出場することも多かった。その後の2年は甲子園に遠ざかったが、2008年卒には、東芝で活躍する好打者の木野 学選手や、2009年卒には阪神タイガースで活躍し、走攻守三拍子揃った外野手・緒方 凌介選手。そして2009年春夏ともに甲子園出場、現在は巨人で活躍する吉川 大幾、ソフトバンクに所属する勧野 甲輝選手、148キロ右腕・多司 将仁投手など好選手が実に多い世代だった。

 近年の卒業生を振り返ると、来年のドラフト候補・中山 悠輝(東京ガス)選手、昨年の主将で、この春、1年生ながら東洋大の4番を打った中川 圭太選手と、大学・社会人で活躍する選手が多いことが分かる。

 実際にPL学園の選手たちを見ると、走攻守すべてにおいて細かく鍛えられている選手が多い。部員募集停止のPL学園の現状を憂う人が多いが、卒業生たちの顔ぶれを見れば実感できるはずである。

[page_break:2004年卒〜2015年卒までの主な卒業生]2004年卒〜2015年卒までの主な卒業生

■2004年卒・小窪 哲也(青山学院大−広島東洋カープ)・出川 亮太(なきぼくろ先生)・松本 晃(横浜商科大−JR東日本)・二葉 祐貴(トヨタ自動車)

■2005年卒・中倉 裕人(東洋大−新日鐵住金鹿島)

■2006年卒・安田 亮太(明治大学−三菱重工名古屋)

■2007年卒・前田 健太(広島東洋カープ)・冨田 康祐(青山学院大−香川オリーブガイナーズ−横浜DeNAベイスターズ−テキサス・レンジャーズ傘下)

■2008年卒・木野 学(青山学院大−東芝)・岡崎 啓介(立教大−日立製作所)

■2009年卒・緒方 凌介(東洋大−阪神タイガース)・山口 正輝(東洋大−Honda)

■2010年卒・藤本 吉紀(東洋大)・村田 穏行(日本大−東京ガス)・中野 隆之(ジェイプロジェクト)・安田 大格(青山学院大−鷺宮製作所)

■2011年卒・吉川 大幾(中日ドラゴンズ−読売ジャイアンツ)・勧野 甲輝 (東北楽天ゴールデンイーグルス−福岡ソフトバンクホークス)・多司 将仁(元新日鐵住金鹿島)・宮川 和人(東洋大−セガサミー)※高校時代は山崎 和人

■2012年卒・山原 泰士(神奈川大)

■2013年卒・松山 和哉(関西大)

■2014年卒・中山 悠輝(東京ガス)・前野 幹博(ヤマハ)

■2015年卒・中川 圭太(東洋大)・藤原 朋輝(関西国際大)

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