2005年の出生数は106万2530人と過去最低を記録。また、一人の女性が一生に産む子どもの数を示す合計特殊出生率も、04年の1.29をさらに0.04ポイント下回る1.25で過去最低となった――。内閣府は13日、少子化が進行していることをデータで裏付けた「平成18年度版少子化社会白書」をホームページ上で公表した。

 同白書は 1部で最近の少子化の現状を説明し、2部では05年度に講じられた少子化社会対策について、「4つの重点課題」および「重点課題に取り組むための28の行動」の項目に従い整理・説明している。

 少子化の現状では、05年の出生数は1947年の統計開始以来初めて110万人を割り込み、04年よりも4万8191人少ない106万2530となったと説明している。近年では95年の対前年比5万1264人減に次いで大きな減少幅だ。また、同白書は、合計特殊出生率の1.25という数値は、欧米諸国と比較しても低い数値であり、しかも、3年連続して1.3を割り込む「超少子化国」となっていると指摘している。

 少子化の直接の原因として、晩婚化・晩産化の進行、夫婦が持つ子供の数の減少に加えて、未婚化の進行が大きな要因のひとつであると同白書は分析。また、最近の未婚化の状況を、30代の男性・女性ともに9割が結婚していた70年ごろに比べ、大きな違いがあるとしている。

 05年の婚姻数をみると、71万4265組と前年に比べ6152組少なく、02年以来4年連続して減少している。平均初婚年齢は、05年で男性が29.8歳、女性が28.0歳で上昇傾向にあり、晩婚化を物語っている。初婚年齢が遅くなると晩産化の傾向があらわれ、05年の場合、第1子出生時の母親の平均年齢は29.1歳で、30年前に比べ3.4歳遅くなっている。

 また、ほぼ子どもを産み終えたといえる結婚持続期間の夫婦の平均出生子ども数は、70年代から30年間にわたって2.2人前後で推移してきたが、80年代後半に結婚した夫婦では、2.09人に減少した。

 さらに、18歳未満の未婚の子どもがいる世帯は1236万6000世帯で、全世帯に占める割合は26.3%。80年代には全世帯の半数近くを占めていたが、現在では4世帯のうち1世帯しか子どもがいない状況になっている。

◇諸外国における年齢別人口の割合◇
国名年齢別割合(%)
0-14歳15-64歳65歳以上
日本13.765.821.0
イタリア14.066.020.0
スペイン14.369.216.5
ドイツ14.366.918.8
ロシア15.370.913.8
ポーランド16.370.712.9
スウェーデン17.565.317.2
カナダ17.669.313.1
イギリス17.966.116.0
フランス18.265.216.6
韓国18.672.09.4
アメリカ20.866.912.3
中国21.471.07.6
アルゼンチン26.463.410.2
インド32.162.75.3
南アフリカ32.663.24.2

資料:総務省「国勢調査」(05年)
国連「世界の人口見通し」(04年)

【了】

■関連リンク
内閣府(「少子化社会白書」)