「mixi」を利用しプロモーションを成功させた企業の担当者が、成功事例やそのコツを語る――東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれている「WPC TOKYO 2006」(デジタル総合展)で19日、「mixiのビジネス展開」と題する講演が行われた。

 「mixi」は9月に会員数が570万人を突破した国内最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス。同サイトの機能を利用した企業PR活動が、最近注目を集めている。

 スカイパーフェクト・コミュニケーションズ<4795>は、ワールドカップドイツ大会の際、同社サービスの利用者獲得などを狙い「mixi」のコミュニティー機能を活用した。マーケティング予算が少ない、ターゲットが絞り込めている場合などには、ユーザー間の自発的な広がりが期待できる「mixi」の活用が有効であるなどと企画の内幕を語った。

 同企画で「mixi」を活用した理由については◆普段はサッカーに興味のないライト層のユーザー多い◆アクティブユーザー(3日に1度はサイトを利用するユーザー)が70%を超えている――点などを挙げ、最終的には同サイト最多の約1万2000人の参加者を獲得した実績を紹介した。

 同社のマーケティング担当の河口祐毅さんは同企画が成功したポイントについて、「複雑の仕組みは必要ない。参加型、自発的なゲーム性、タイトルの分かりやすさが重要」と説明。参加者の興味をひく企画で人数を最大化させた後、サービスや商品の広告を行うことが効果的だとアドバイスした。

 「mixi」は知人同士が自発的な交流を楽しむサイトだけに、あからさまな企業広告はユーザーからの反発も招きやすい。これについて河口さんは「トラブルも起こりやすいが、いい企画ならば加速度的に情報は広がっていく。企業から一方的にメッセージを発信するのではなく、メッセージや商品が消費者間で“口コミ”で伝わる“BtoBtoC”のプロモーション企画が、ウェブ2.0時代のマーケティング戦略では重要」と成功事例から見るウェブマーケティングについて述べた。また、「その戦略やノウハウを蓄積した企業が、これからのプロモーションの主導権を握っていくと思う」と今後の見通しを語った。【了】

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