画像提供/京都市文化市民局元離宮二条城事務所

写真拡大

 皆さん、幕府開きたくありませんか? えっ? 何って、幕府ですよ。BAKUFU! 源頼朝や足利尊氏などの歴史的偉人たちが築いた武家政権のことですよ! 何やら現代でも開ける可能性があるらしく、隙あらば開いてやろうと企んでいる今日この頃です。ムフフ。

 なぜ私がこんなにも幕府に対して熱くなっているのかというと、先日、ネット上で興味深いQ&Aのページを発見したことにあります。ページの掲載元はWebサイトの「人力検索はてな」。そこのページに掲示されていた質問は、ズバリ、「征夷大将軍になれば幕府を開けると習いました。幕府を開くには、何から始めればよいのでしょうか」・・・どうです? くだらないようで、すごく知りたい内容じゃありません?

 寄せられた多様な回答から察するに、幕府を開くために必要不可欠である征夷大将軍の任命を成し遂げるには、現日本国憲法のままでは無理とのこと。しかし、それならば憲法を変えてしまえばいいわけで、議員からコツコツ上りつめる努力型からクーデターを起こす武力型(!)まで、実に様々な方法があるようです。クーデターは無理だけど、議員ならなんとかなる・・・かも!?

 いよいよ現実的になってきたので、某高校で日本史を担当している教師の方にアドバイスをいただくことにしました。先生、私、幕府開いちゃうかもしれないんですけど・・・。

 「いや、無理だから。まず征夷大将軍になるには、源氏の血筋を引いていないとダメなんだよ。キミ、引いてないでしょ」

 えっ!? だって、源氏の血筋を引いていない征夷大将軍だっていたじゃないですか! 坂上田村麻呂とか!

 「源氏以前の征夷大将軍は、蝦夷を鎮圧するために派遣された指揮官のことを指すんだよ。それ以降の征夷大将軍は、『戦場の中の大将』的な存在を意味する。その大将が幕を張っていたエリア、つまり陣地を『幕府』と呼ぶって、教えられなかった??」

 す、すみません・・・。結論としては、「幕府」という言葉自体が現代では通用しないため、開くことは不可能とのこと。それでも当時の体制を再現することはできるそうですが、そもそも「幕府」の意味って「武力で人々を支配する」ということなんですって。な〜んだ、幕府ってロクなもんじゃないのね。(安田明洋/verb)