参院代表質問は、25日も前日に引き続き行われた。午前中は草川昭三議員(公明)、ツルネンマルテイ議員(民主)が質問に立ち、防衛庁の省への昇格やアジア外交、米国産牛肉の輸入再停止などについて、小泉純一郎首相ら関係閣僚に見解をただした。

 草川氏は、防衛庁の省格上げについて、組織肥大化や文民統制の維持を不安視する見方があることを紹介し、省格上げへの理由の説明を求めた。小泉首相は「引き続き文民統制の確保に務めることが重要」と述べた。額賀福志郎防衛庁長官は、災害救助や海外活動など自衛隊に求められる役割が拡大している現状を挙げ、「期待に応えるためにも省移行が必要」と答えた。そして「専守防衛の基本の変更はない。憲法の平和主義を踏まえた上で、防衛庁の位置づけを見直していきたい」との見解を示した。

 ツルネンマルテイ氏は、靖国参拝などをめぐり悪化しているアジア外交に関して質問。小泉首相の「日米関係が緊密であるほどアジア関係も良くなる」との考え方に対して、「これはアジア外交の戦略にはならない」と批判した。小泉首相は「アジア外交を戦略的に進めるためにも日米関係は極めて重要」との持論をあらためて展開。靖国参拝についても「アジアの中でも中国、韓国以外に批判する国はない」と反論した。

 また、米国産牛肉の輸入再停止問題で、ツルネンマルテイ氏は「輸入再開を決めた政府の責任は重大」と追及し、輸入再開の条件をただした。それに対して、小泉首相は「日米間で決めたルールの順守が必要」と述べた。【了】