欧州移籍の柿谷が涙でメッセージ「誰よりもセレッソを愛しています」

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 J1第12節延期分が15日に行われ、セレッソ大阪と川崎フロンターレが対戦。前半に安藤淳の得点で先制したC大阪だが、後半に大久保嘉人のPKと金久保順のゴールを許し、1−2で逆転負け。ブラジル・ワールドカップによる中断期間明けのリーグ戦初戦を飾ることができなかった。

 同試合はスイス1部のバーゼルへ移籍が決まった日本代表FW柿谷曜一朗にとって、移籍前の最終戦となった。ベンチスタートとなった柿谷は、逆転を許した後の83分から登場したが、ネットを揺らすことはできず。最終戦を飾ることはできなかった。

 試合後、柿谷の壮行セレモニーが実施。柿谷は涙をこらえながらも、ゆっくりと言葉を紡ぎ出すように「スイスのバーゼルというチームに移籍することが決まりました。正直、すごく悩みました。自分からこの8番のユニフォームを脱ぐというのは、どうしてもしたくないことで。ただ、ワールドカップを経験して、もっともっと強くならないといけないと思いました」と移籍を決断した理由を改めて語る。

 下部組織に在籍し、年代別代表に選ばれるなど将来を嘱望されていたが、2009年には素行の問題などから徳島ヴォルティスへ期限付き移籍。そこで精神的にも成長すると、2012シーズンから復帰。「セレッソに帰って来てから、たくさんのサポーターに本当に暖かく見守ってもらいました。なによりチームメイトのみんなには、本当に苦しい時、助けてもらいました。本当にありがとうございます。そして家族、本当にこんな僕をここまで育ててくれて、本当にありがとうございます」と感謝の気持ちを言葉にした。

 2013年からは森島寛晃氏、香川真司、清武弘嗣と歴代のエースが着用した背番号「8」を背負った。柿谷は、「最後にサポーターの皆様には、優勝してから出ていくと、あれほど言っていたのに、自分から出ていくことを選んでしまって、本当に申し訳なく思っています。ただ、今よりもっともっと強くなって、この8番がもっともっと似合う選手になって帰ってきたいと思います」と強い意志を語った。

 その後、森島氏と大久保から花束を受け取り、チームメイトから「8」回胴上げされた柿谷。川崎のサポーターからもエールとプレゼントを受けるなどし、C大阪サポーターの前でも、再び自らの思いをマイクを使わず伝え、「ホンマはもっとしゃべりたいことがあったんですけど、あれ以上しゃべってたら情けないとこ見せるのが嫌やったんで。でも、ホンマ皆さんより誰よりもセレッソを愛していますし、皆さんのこともホンマに愛しています。最高のチームメイトと最高のサポーターに出会えたことは僕にとって本当に誇りです。向こうに行ってもセレッソのことしっかり応援してください」と涙声で話した。

 同試合では相手タックルを受けた南野拓実が報復行為で一発退場となったが、「今日、こんな大事な時に退場するアホもいますけど。でもあいつが今からこのチームを強くしていくと思いますし、みんなが期待してあげてください。あいつは期待に応えられる選手なので」と大きな期待を寄せた。